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2019-10

京都の工房事情 - 2012.12.01 Sat

麻生みこと さんの「路地恋花」です。

 前回の日記では犬飼 茜 さんの「おはようおかえり」を取り上げました。 ならば同じ京都つながりなので、こっちも取り上げてみました。 この作品は「goodアフタヌーン」から全4巻(完結済み)が出ています。 麻生さんは「そこをなんとか」という弁護士マンガの人です。 だいぶ前に「そこをなんとか」の1巻を読んだのですが2巻目以降を読んでいませんでした。 そっちはすっかり忘れちゃっていましたが「路地恋花」を読んだら巻末にそっちの宣伝が載っていて、麻生さんが弁護士マンガの作者だって知りました。 なんで弁護士マンガの2巻目以降を読んでいなかったのかといえば、たしかあんまり面白くなかったからのような記憶があります。 実際になんでつまんなかったのかもよく覚えていません。 すでに1巻目も手元に無いので検証すらできません。 しかし「路地恋花」を読んでみると「そこをなんとか」がそんなにつまらないマンガのような気がしないんですよね。 せっかくだから今度買ってこようかなって思っています。

 本題の「路地恋花」ですが、このマンガは京都に実際にある芸術や工芸など「ものを作る人」が集まっている長屋をモチーフにしたマンガです。 したがって登場人物は工芸職人とそのお客さんです。 前回の「おはようおかえり」も京都が舞台ですが、同じシナリオを東京や大阪や博多で作っても違和感無く作れそうです。 中洲の屋台とか実名で出て巻末に博多マップが付くとか。 でも「路地恋花」は吉祥寺が舞台だと全然違うニュアンスのマンガになっちゃうでしょう。 地方出身者(京都から見て)が思うような京都のぽよよんとした空気感が、このマンガの最大の魅力だから。 たぶんもっとも京都っぽさが漂うマンガだと思います。 ほかを知らないだけだろうけど。 
職人の所作をきっちりと描くためにしっかりとした取材しているので、可愛いだけじゃない深みのあるマンガになっています。 シナリオは可愛いお話がおおいんですけどね。 担当の方が資料を集めるんじゃなく、麻生さん当人が職人さんから直接話しを聴いているのがよく伝わってきます。 コストに合わないこだわりと、趣味じゃなくて職業だという自負のバランスが絶妙です。 ちょっと採算が合わないくらいで・・・ 
シリーズ構成は、それぞれのお店のエピソードを1~2話づつ読み切り形式で綴られます。 全体で大きなストーリーが流れていくワケでもなく、路地から去る者も新たに開業する者も様々です。 このタイプのオムニバスなマンガは少女マンガではよく見かける形式です。 青年誌でこーいう少女マンガの文化が受け入れられてきたのは、キャラ作りが「主人公至上主義」から脱却できてきたからかもしれません。 少年マンガは登場人物をピラミッドのように並べます。 しかし少女マンガは平べったく並べます。 ピラミッド型は主人公以下、重要なキャラをハッキリさせる効果があり、男の子向けな事件に向いた設定方法です。 平面型は筋の通った物語だとキャラがぼやけちゃいますが、どの登場人物にも平等に愛着がわきます。 休み時間に男子が一列に走って行くのに女子が輪になってお喋りしてるのに似ています。
この構成は主人公が3姉妹だったら“長女のストーリー”“次女のストーリー”“末っ子のストーリー”って3部構成にする方法です。 おのおのが同じ世界観(設定)で視点を変えたり、違うお話を盛り込んだりと様々です。 この「路地恋花」は前回の「おはようおかえり」とは違ったカタチで少女マンガ技法を青年誌に持ち込んで成功した例ですね。

路地恋花

 自分は幼稚園時代から何かを作るのが大好きで、紙とはさみとヤマトのりがあればひとりで何時間でもOKな子どもでした。 作っているのは“何か”なので、親にも理解不能だったと思います。 お絵かき小僧になるのは小1の2月からなのですが、それまでは立体を目指していたようでしたね。 中学時代の将来の希望は「何かを作る人になりたい」でした。 それは職業として芸術家や職人を目指すのではなくて、漠然となにかを作りたいという欲求でした。 今で言えば「オタクになりたい」というだけなんですけどね。 
好きな言葉は“クラフトマンシップ”です。 大抵の子どもはクラフトマンシップとスポーツマンシップの2択を迫られます。 このときに、どっちかを選択しておくと人生はかなり楽しいものになります。(どっちを選択しても) 今まではスポーツマンシップのほうが社会の評価(好感度)が高かったようですが、最近はオタクも一芸として認知されつつあります。 スポーツもクラフトもどっちも選ばなくたって立派なおとなになれます。 むしろ普通に幸せになれます。 
自らが経済活動の中心で頑張っているときには必要じゃなかったけど、その中心から外れたときにもう一度この選択を迫られます。 高齢化社会で余暇を持てあます人々には、新たな生きがいが必要だから。 先輩達にはこの選択が重要な問題になっているようです。 老後の不安は一般に健康と経済ですが、生きがいもかなり重要だと思います。 死なないための生きがいです。 スポーツにしろクラフトにしろ、突然始めるには身体も頭も順応するのが大変です。 人生の大先輩でサッカーを続けている方を知っていますが、定年後にサッカーを始めるのは危険が伴います。 できればクラフトに向かったほうがよろしいですよね。

路地恋花

この日記を書いていて、妙に「そこをなんとか」が気になっちゃいました。 なんとなく面倒になったんだろうけど、読んだマンガが面白かったのかつまんなかったのか覚えていないって珍しいですよね。 そんなに印象に残らないマンガ家さんにも思えないんですけど・・・ 反省も込めて1巻から買い直して読んでみます。 
上のマンガは「路地恋花」の巻末の広告にでていた改世楽子を元に描きました。 検事さんのほうは「路地恋花」の中の登場人物で一番のお気に入りの男前検事さんです。 あとキリンのような万華鏡屋さんと靴を買いに来る親子のお話がお気に入りです。 マンガを“読みたい”人にオススメの作品です。 宣伝する気はないんですけどね。

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