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2020-06

ウソつきは好き? - 2020.03.02 Mon

ディズニー ピクサー アニメ「リメンバー・ミー」です。

 日本では2018年公開されたディズニーアニメです。先日、日テレ系の「金曜ロードSHOW」のディズニー祭で放送されたのを録画で視聴しました。主題歌のリメンバー・ミーを聴くと、えなおばあちゃんの声が浮かんできて作品に集中できませんでした・・・ 実は脳内えなおばあちゃんのせいだけではなく、作品の内容にもモヤモヤしながら観ていました。
「リメンバー・ミー」はピクサーアニメ名義で19作品目です。今春公開予定だった「2分の1の魔法」が22作品目の長編アニメだそうです。
自分が過去に観たピクサーアニメは「カーズ」一作目、「インサイド・ヘッド」の2作のみでした。ディズニーアニメ名義だと「アラジン」アニメ版、「アナと雪の女王」「ベイマックス」くらいです。実写版ディズニーだと旧作の「トロン」、「シンデレラ」くらいです。もっと観ているのかもしれませんが幼少期は記憶に残っていません。映画館で観たのは「トロン」だけで「インサイドヘッド」と「アナと雪の女王」はBLで観ました。残りはだいたい日テレだと思います。
自分のディズニー・スキルがあまりにも低いので、夢中になって観た記憶もありません。「トロン」は最先端のコンピューターグラフィック(当時はそー言っていた)はスゴいインパクトでしたが、ストーリーは「何じゃこりゃ?」っていうレベルでしたね。手塚治虫さんを素直に尊敬できないくらいだから、ウォルト・ディズニーを尊敬しているはずもありません。ディズニー独特のバタ臭さに拒否反応があるのかもしれません・・・

 「リメンバー・ミー」は2017年のアカデミー長編アニメ賞を授賞していて、日本での興行収益も50億以上でした。上演時間は105分ですが、サッカーの前後半とハーフタイムでピッタリ105分なので丁度いい長さです。
一概にディズニーアニメといってもピクサー系アニメとディズニー系アニメに分かれますが「リメンバー・ミー」はピクサーアニメになります。「ベイマックス」や「カーズ」を観た時の漠然とした感想は面白いと言うよりも上手に作ったアニメっていう感じでした。「ベイマックス」の主人公だった弟クンも「なんか好きになれないヤツ・・・」っていう感じだったんです。でも、さすがはディズニーブランドだけあってストーリーはつじつまが合っているし、観る側へのリサーチが行き届いてる印象でした。子供はもとより同伴の大人も飽きさせない作り方は、さすがのディズニー商法です。ストーリーを考えてから作品にする過程で、日本アニメよりも多くの専門家がディスカッションしてるって感じですね。
そのディスカッションは世界の市場に向けての戦略だから、自分はディズニーが想定している視聴者には含まれていません。だから自分が「ベイマックス」のキャラに感情移入できなくても「自分が楽しめるようには作られていない」と納得はできます。「ONE PIECE」とかも「ONE PIECE」が好きなコドモたちに向けてちゃんと作ってるんだから、興味がないのにその作品に対する是非を考えることは無意味なことです。だから劇場版の「ドラえもん」に対して批評したことは一度もありません。何しろ「ドラえもん」は1作も観たことがないんだから・・・



 先日、テレビで観た「リメンバー・ミー」は全くの予備知識なしで観ました。知識としてはメキシコが舞台になっているというくらいです。

ストーリーは・・・

『 12歳のミゲル少年はひいひいじいさんがミュージシャンの道を選び妻を捨てたことから、一族に「音楽禁止の掟」を立てた。それ以降、一族は代々靴屋を営んでいたのでミゲルも靴職人に成るべく“靴磨き”をやらされていた。メキシコのお盆に当たる「死者の日」に憧れの大歌手デラクレスのギターをかっぱらい、演奏すると村民に追いかけられて死者の国に紛れ込んで・・・ 』

死者の国とか表題の「忘れないで」など今までのディズニーアニメのテーマとしては、かなりエポックな印象があります。アニメは死とか性とか深層心理とか因果とかを題材にすると、途端に内容の濃い作品とかちゃんとテーマがある作品っていう評価がされる傾向にあります。作品の価値は演出によって決まるので、配役やテーマ(モチーフ)だけが作品の出来を決めるものではありません。ジャッキーチェン主演の全く笑えない作品もあれば、平和を叫ぶけど無意味な作品だって沢山あります。
自分は無宗教でノンポリが心情だから、エンターテイメントに思想を持ち込むことが苦手です。死の国とか死の国のチュートリアルを説明する内容には辟易しちゃうんですが、ディズニーアニメにはそーいうことに興味のない幼い子や引率のお父さんも飽きさせない動画の勢いがあります。「ベイマックス」もチカラ技で観せられたって感じでした。
「リメンバー・ミー」も、これは賛否がスゴいことになってるだろう・・・って思いながら観ていたら、本当に世の中の評価がスゴいことになっていました。

 一般の映画ファンの人たちの評価で、自分が一番信用しているのが「映画.COM」の映画レビューです。このサイトへのレビューの書き込みは映画を観た一般の方々の忖度ゼロな意見と、書き込みへ議論をふっかけないフラットさが気に入っています。みんなが面白いという作品に対して異論がある書き込みにも優しい映画レビューサイトです。褒めの意見と駄目の意見が併記されてることがデータ収集にも役に立っています。
それでは「リメンバー・ミー」がどうスゴい事になっていたのかといえば、星5つ満点で平均4.1点という高得点でした。それ自体はアカデミー賞作品なんだから当然の結果ともいえます。意外な結果だったのは星の評価点よりも低評価(星1つや2つ)をつけた人の人数です。
レビューに書き込んだ人数が全527人。そのうち批判的な感想(星の数2以下)を書き込んだ人数が24人だけでした。全体の4.5%しかつまんなかった人がいないことになります。ただし『公開時に併映された「アナと雪の女王 家族の思い出」がつまらなかった(余計だった)から星1つ』とかいう意見は除外しています。
自分の感想が4.5%だったというのはショックでした。ディズニーアニメというのはディズニーアニメが好きな人が観に行くんだから、好意的な意見に寄るのは当然の結果でしょう。でも、そんなに面白かったかなぁ?っていうのが「映画.COM」を見た正直な感想です。
良かったという意見の多くは『テーマが深い』『家族愛を考えさせられた』『音楽が素晴らしい』などでした。展開が読めるとかシナリオの甘さを指摘する意見もあるけど、おおむね許容の範囲内という評価でした。
ガッカリ派の意見は今回に限ってあんまり的を射ている意見が少なかったのが残念です。死者の国の設定やパリピな死者たち、第二の死という考え方への疑問などが多かったです。これだけレビューで大絶賛されてる作品の反対意見を書くのが難しいようです。
ガッカリ派が言わんとしていることは「共感できない作品」とか「不快な作品」のようです。「つまんなかった」という意見はゲラゲラゲラって笑えるシーンがなかったという場合と、作品に興味が湧かなかったという場合があります。ディズニーアニメはゲラゲラゲラって笑えるシーンは少ないけどストーリーの組め立てが巧みなので最後まで観続けられていたんです。しかし「リメンバー。ミー」は登場人物が不快というか、主人公のミゲルが嫌いだから最初の10分間で「もうだめだぁ」ってなっちゃいました。

 あらためて問うに「あなたはミゲルという主人公が好きですか?」ということです。それ以上に家族の絆をテーマに掲げてる作品なのに、主人公の家族の人たちの何ともいえないイヤ~な感じ・・・
「その設定は最後のコレになるから・・・」とか「ヘクターは本当は・・・」というのを置いといて書きますが、この作品は登場人物がダメっていってるかウソや言い訳をしてばっかりの作品でした。ストーリーの根底にあるのが「音楽禁止の掟」なので、コレを設定に落とし込むために「音楽はダメ」しか言わない母親と、自分の都合のみでウソや言い訳ばっかりのミゲル。作品の冒頭から母親は「ダメ、ダメ、ダメ~」しか言わないし、ミゲルにも音楽を目指す説得力がありません。
死者の国でもヘクターとウソつき合戦のような展開。行きつく先のひいひいお爺さんだろうはずの人も、ウソで塗り固めた悪党だったり・・・
こーいう口八丁なキャラにアメリカ人はゲラゲラゲラ・・・ってなるんでしょうけど、それは人種の問題ではなくて言語文化の違いなんじゃないかなって思います。少なくとも日本語には「騙しちゃいけない」というのがベースにあって、その上でウソやだまし合いがあるんです。ラテン語圏は「騙される方がドジ」というベースだとしたらウソをつくシーンの意味合いは180度違ってきます。香港映画(ジャッキーチェンたち)の作品も主人公がウソをつきながらストーリーが進みます。
まとめると、日本人は本来ウソをついた人を笑う(もしくは批難する)のに対して、ラテン語圏はウソをつかれた人を笑う文化な感じがします。中国語も英語式の文法ですね。
ストーリーを考える上で一番安易で陳腐なのは「残念!実はウソでした~」っていうことです。「こうだと思っていた主人公は実は騙されていただけだった」とか「あそこへ行けば何とかなるっていう場所にたどり着いたら、実は仲間だと思っていたやつの罠だった」など。
これらのストーリーに共通するのは「実は・・・」という言葉です。「実は・・・なんだ」と言えばクライマックスにひと盛り上げできるから多くのシナリオが安易に使いたがります。今までのストーリーに対しての「実は・・・」だから、それまで言っていたことは「ウソだよ~」になりがちです。
「実は・・・なんだよ」っていうセリフを大ドンデン返しだと思ってる人が多いですが、これはちゃぶ台返しといいます。ドンデン返しというのは歌舞伎で大道具をひっくり返して一気に場面転換をすることです。今までの流れが一気にひっくり返るのですが、容疑者が意外な人物でも逆転サヨナラホームランでも噛みません。
ちゃぶ台返しというのは、明子姉さんがやりくりして作った夕飯を父 一徹が感情のままにひっくり返して台無しにすることです。せっかく作った明子ネイサンの無念のように、今まで観てきたストーリーが全部台無しになる展開のことをちゃぶ台返しといいます。しかも途中でちゃぶ台返しになることが判っちゃうくらい観ていて辛いことはありません。
正しいドンデン返しの例だと初代の「宇宙戦艦ヤマト」でイスカンダルを目指していて、やっとたどり着いたら隣の星がガミラス星だったという展開です。それでなんでイスカンダルから助けのメッセージが来たのかとかガミラスが地球を攻める理由とかが一発で解明される。しかもイスカンダルへ来ることが無意味ではない(ちゃぶ台返しではない)というお手本のようなシナリオでした。
続編以降は場当たり敵なストーリーですけどね・・・

 この作品のレビューで『最後の10分間だけが映画でした』というコメントがありました。最後のシーンとはココ(ひいひいじいさんの娘)がリメンバーミーという歌で父親(ヘクター)を思い出すシーンです。このクライマックスだけウソのないストーリーだからです。
このシーンを観ながら京極のひいおばあさまへ歌った「マリア様の心」を思い出しました。

「ありがとう。素敵な歌を。昔を思い出したわ」

ひいおばあさまは昔その歌をうたった思い出があるのかもしれない。

髪に挿した山百合を抜いて「どうぞ」と差し出した。

「マリア様の心、ね」

それは、その歌詞をきちんと心に刻み込んでいる者だけがわかる、謎解きなのだった。


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