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2019-11

ゼルビアは外します - 2019.10.14 Mon

Jリーグ 「町田ゼルビア」のチーム名の変更について思うこと。

 サッカーJ2の「町田ゼルビア」のチーム名をサイバーエージェントの藤田晋社長が「FC町田トウキョウ」にチーム名を変更することが、Jリーグ協会に承認されました。J2・・? 町田・・? ゼルビア・・・? サイバーエージェント・・・・? 一般の人にとっては馴染みない名前ばっかりですね。
自分も町田ゼルビアを語る立場でもないし知識もぼんやり程度です。この記事はサッカージャーナリスト宇都宮徹壱氏のコラムを参考にした受け売りです。宇都宮氏のコラム記事を読めば今回の事件が100倍理解できます。宇都宮氏は写真も自身で撮れるライターさんです・・・

 まず町田ってドコ?というのが日本中の疑問でしょう。大宮アルテージャが現在J2でノロノロしています。いつまでもココ(J2)に居ないハズだから今年こそは町田ゼルビア戦を観に行きたかったんっですが、予定が都合つかなかったので観に行けませんでした。
自分は埼玉在住ですが正直いって町田がどこなのかイメージが湧きません。仕事で世田谷通りはよく通りますが、多摩川を越えて登戸の先にあるんだろうなぁくらいの認識です。成城から見て登戸から先はもう神奈川県なので、町田も神奈川ってことでいいでしょう。
Jリーグは10チームで始まったのですが、設立当初からアノ川淵さんが拡大路線で「日本中にサッカーチーム(サッカー文化)を植え付けよう」という方針でした。Jリーグには元々は実業団の名門チームをまるごと誘致する方法(広島=マツダ、横浜=日産、柏=日立など)と、地域サッカークラブをプロ化したもの(清水=清水FC、新潟=明訓高校OBなど)大きく分けて企業主体型と村おこし型に分かれます。
村おこし型でも、サッカーが盛んな地域に何のゆかりもない企業チームを誘致するパターンの浦和レッズ型や、ベースに地元 JFL(アマチーム)を母体に大手企業のサポートを受けずに頑張るヴァンフォーレ甲府型などがあります。企業依存型は親会社の業績がチームの存亡に直結するというリスクがあります。逆にレッズやガンバ、グランパスのように多少成績がダメダメでもチーム運営が何とかなっちゃうメリットもあります。

 町田ゼルビアは少年サッカーの盛んな地域で、典型的な地元密着型の村おこしチームです。サッカーの質の高さで設立以来トントン拍子で頭角をあらわし、2018年度はJ2を4位でしたがプレイオフはJ1のライセンス問題で出場できませんでした。
このJ1ライセンスを満たしていないということが町田ゼルビアの苦しいところを象徴しているんでしょうね。川淵さんの理念だった地域密着は村おこしというぼんやりとしたプロジェクトと共に、サッカーに疎い役人と身の丈をわきまえないクラブやサポーター、深く支援する覚悟の足りない出資企業によって“地獄を見る”結果になったりします。地獄とはフリューゲルスのようなチーム消滅などです。この地獄をホワイトナイトによって助けられたケースもあります。ヴィッセル神戸の三木谷氏やV・ファーレン長崎の高田社長などが成功例です。
町田ゼルビアも危機的経営とライセンス問題に目処が立たない状態でしたが、そこへ現れたのがサイバーエージェントの藤田社長でした。サイバーエージェントはアメーバブログ、AbemaTV、モバイルゲームのCygamesなどを手掛けてるIT番長のひとりです。自分は藤田社長の手掛ける事業に何一つ恩恵を受けていませんので、ZOZOTOWNの前澤クンやホリエモンと同類っていうイメージです。それは蔑視ではなくて、彼らは自分たちがホリエモン等と同じ種族ということに優越感を持ってるようですよね。ボクたちって庶民と違うからっていう感じの・・・
他チームのサポーターが言うまでもなく町田ゼルビアは藤田社長という大旦那を手に入れたので、運営面での安定が計算ができるようになったんでしょう。コンサドーレ札幌は元選手の野々村さんを社長にして経営の安定と順位の安定というチームが欲しい両方の成果を出しました。

 そんな白騎士のはずだった藤田社長とサポーターが上手くいっていないという記事が出ました。あろう事か藤田社長はチーム名を変えたと発表したんです。企業買収なんだからチーム名くらいって思うかも知れませんが、サッカーサポーターでそう思う人は一人もいません。
サッカーファンだったら強いチームや話題の選手、上手なテクニックなどを楽しみにしています。基本がすごいサッカーが好きということでしょう。「目の肥えたサッカー好き」にとっては技術や選手年俸の低いJリーグやW杯で勝てない日本代表なんかでは楽しめないという人も多いです。わかりやすくいうと松井秀喜さんがいた時にヤンキーズを応援していた人たちが「目の肥えたサッカー好き」の人たちにイメージが近いです。巨人ファンよりも大リーグファンのほうが野球好きスキルが高そうな感じなんでしょう。巨人ファンは松井がアメリカに行ったも「頑張ってくれよ」とは思うけれど、巨人よりヤンキーズのほうが面白いとは思いません。ここでいう面白いはゲームスピードや迫力といったふわっとしたことではなくて、その試合にのめり込んで応援できるか?という面白さです。
サッカーサポーターも贔屓の選手を応援していますが、その選手が退団したらファンを止めるというわけにもいきません。選手はいずれ入れ替わっていくんですが、サポーターは入れ替わっていけないからです。
ではサポーターは何を応援してるのでしょうか?それはクラブの名前、エンブレム、チームカラー、マスコットキャラ、クラブの所在地(地元)など、変わらない普遍的な象徴です。たとえ有力選手がいなくなって、成績が低迷し人気や収益が落ち込んでも、それらのことはサッカーチームにはよくあることです。それでも変わらないクラブの基礎の部分を応援してるんです。
Jリーグの100年構想は100年で日本サッカーが何処まで変われるか?という意味と、100年間継続して欧州の持つフットボールの歴史を手に入れることだと思います。(勝手に・・・)
チーム名を変えることが何で「あろうことか」なのかのニュアンスは伝わったでしょうか?

 実は名前が変わったサッカーチームは沢山あります。ブランメル仙台からベガルタ仙台とか鳥栖フューチャーズのようなJリーグに上がる時期に名称変更するパターンと、名古屋グランパスエイトから名古屋グランパス、京都パープルサンガから京都サンガのように途中からさっぱりさせるために変更したパターンがあります。コンサドーレやヴェルディ、ベルマーレのように本拠地のエリア拡大にともない地域名が変わるパターンもあります。
自分が親愛する浦和レッズはサポーターが名称変更を希望する珍しいパターンです。レッズの正式名称は「浦和レッドダイヤモンズ」なんですがダイヤモンズは親会社の三菱の三つの菱形(ダイヤマーク)を意味しています。レッズサポは三菱自工のクラブ運営に納得していなかったので、名称からダイヤを外してしまえっていう意見もありました。そもそもオフィシャルからしてレッズという通り名に知名度があります。
京都サンガは名称からパープルを外したのですが、パープルは京都をサッカーどころと言わしめた名門の紫郊~紫光クラブのパープルなので闇が深そうな気がします。知らんけど・・・
そんなこんなで、「町田ゼルビア」は 「FC 町田 トウキョウ」に改名が発表されました。

藤田社長が説明したチーム名の変更理由は・・・

※ 2018年に経営権を取得する条件が名称に「東京」を加えることだった。

※ J1クラブライセンスの取得のための設備投資(練習場の確保等)に10億円以上かかる。

※ J1 のトップの人権費は現状の10~20倍かかる

※東京全域でマーケティングを展開し、投資する際「東京」をチーム名に入れることは外せない

サッカーの起源が村おこしなのは前記の通りで、それはリバプールでも変わりません。ヴェッセル神戸の成功?を見てもマーケティングの重要性は無視できなくなっています。町田ゼルビアは入場者数が下から4番目という現状なんです。同規模のアマクラブが前身だった松本山雅は村おこし型チームで最強の人気クラブに成長しました。彼らの次のステップはコンサドーレ札幌のような市場の拡大と営業利益の増加でしょう。その先の川崎や鹿島のような全国区の常勝チーム、ゆくすえは神戸のような国際規模の予算チームがあるんでしょう。
前にサッカー番組に出演していたホリエモンがこーいう段階をすっ飛ばした発言をしていました。ホリエモン信者ではないので耳に残っていないんですが、「だから考えの古いサッカー関係者(チームやファン)はダメなんだよ」ってことでした。何が「だから」なのかはイメージもんで・・・
ITで成功したの人のことを好きな人たちの言い分は「成功への近道を考えることが賢いロジック」というものです。ロジック=論理ですけど、ロジックというカタカナが好きなんですよね。

 藤田社長自身は福井県出身で町田市にも東京とも縁もゆかりもありません。彼の経歴に2006年に東京ヴェルディの副社長というのがあります。これはサイバーエージェントが東京ヴェルディを買収して、ベルディで町田セルビアと同じことしていた経緯です。しかし、買収の2年後に東京ヴェルディの運営から撤退しています。撤退理由はヴェルディが弱くて埒があかないから・・・
この「埒があかないから、さっさと次に行く」というやり方は、結果に対して遠回りすることができない人の発想です。サイバーエージェントの経歴にある尋常じゃないほどの買収や合併、売却や撤収は事業の転売ビジネスです。彼らは何を成功と設定し、どのルートが近道だと思ってるのかがさっぱりわかりません。ITは電気信号の流れにすぎないのですが、そこに「付加価値を見いだせる」というのがIT番長たちの言い分です。
それでは町田ゼルビアというサッカーチームにマーケティングやら企業価値やらで付加価値がでるんでしょうか? 成功への道のりは東京ヴェルディよりも遠回りな気がします。それなりの価値を上乗せして売却するならまだしも、損切り(不採算なサッカーチームだから支援から撤退)だと町田ゼルビアの消滅というリスクまであります。彼らの発想はゲーム会社も通信事業もサッカーチームも同じ成功への道筋に過ぎません。藤田社長にとってはこれらの事業は家業ではないからです。ZOZOの前澤クンも同類でネットのアパレル屋が稼業じゃないから簡単にやめちゃいました。
それじゃIT番長と縁を切って独自のローカル路線でいけばいいのか?となると、運営の安定やライセンス交付のための資金でショートする可能性が高いのが現実なんでしょう。他チームのサポがよそ様の台所をとやかく言うのはNGですけど、そーいうチームが過去に沢山あった歴史があります。ゼルビアサポーター自身も「J3に落ちてでも地元ゼルビアを貫きたい」と「新名称でもいいからJ1へサクサク行きたい」という藤田社長容認の意見もあるようです。
この2択はどちらも最善の選択ではなくて、苦渋すぎる命の選択です。サッカーを愛する人たちにこんな選択をさせちゃダメなんですよね・・・

 問題の本質は町田ゼルビアの運営の将来性とIT資本のリスクなんですが、話題になったのはチーム名の変更なのでどう問題なのかにも触れておきます。
新名称の「FC 町田 トウキョウ」は藤田社長の就任の条件が「東京」を入れたチームにすることでした。これは埼玉県民(自分)ですら何処にあるのかわからない町田という地名じゃ世界に配信出来ないというIT番長のグローバルな視点からきています。このカラクリを浸かったのがJ1オリジナル10のジェフ千葉です。Jリーグ発足当初はジェフ市原を名乗っていましたが、ホームタウンを千葉市に広げてジェフ市原・千葉と改名。現在はうやむなままジェフ千葉になっちゃっています。実際に市原臨海競技場は全く使われていないので市原感はゼロです。
ジェフのやり方を踏襲するといずれは「FC トウキョウ」になっちゃうような気がします。そうすると本家の「FC東京」と商標問題になっちゃうけどね。だったら「町田ゼルビア トウキョウ」のほうが「こっそり「ゼルビア トウキョウ」にしちゃいました てへっ 」となるんじゃないかな?
藤田社長がチーム名からゼルビアを外した理由は『 チーム名が長すぎるから 』ということと『 ゼルビアという言葉が覚えにくい 』というものでした。チーム名に全部の要素を入れたら「FC 町田 ゼルビア トウキョウ」になります。確かにマヌケなほど長いチーム名ですが、このアイデアで一番文字数が少ないのは「町田ゼルビア」の6文字です。変えなきゃ短い名前のままです。
じつはチーム名が短いとマスコミ媒体で略されずに表記されるというメリットがあります。ウチのチーム名は「浦和レッドダイヤモンズ」という11文字ですが、「浦和レッズ」で5文字です。メディアでは「レッズ」でも「浦和」でも大体の人がサッカーのことだなってわかります。トウキョウが国際的な知名度なのはわかりますがそのアイコンが町田のサッカーチームを表すアイコンになれるワケがないことくらいサッカーファンだったらわかります。日本人がリバプールで思い出すのはビートルズです。
もう一つの言い訳の「ゼルビアは覚えにくい」というのはサッカーファンの知能を幼稚園児並みと見積もってる証拠です。この記事を書こうと思った動機もこのバカにした言い訳を読んだからでした。
過去にもJリーグがサッカーファンを幼稚園児あつかいした出来事がありました。一時期、J1は土曜日開催、J2は日曜日開催にはけられたことがあります。その時に曜日ごとに分ける理由が「客が今日どっちの試合があるのかわからなくならないように」ということでした。日程ぐらいちゃんと調べるだろってことです。現在はサポーターも賢くなったと判断したのか金曜日に試合が合ったり水曜日に試合があったり、それこそいつ試合があるのか油断ならないです。
プロ野球のチーム名は野球がアメリカ産なので英語のわかりやすいネーミングが主流です。基本はチームにゆかりのある名詞なので、わかりやすく覚えやすいです。サッカーの場合は本場発祥の英語に加え、ポルトガル語圏やスペイン語圏、日本語を強引に外来語風にした言葉から全くの造語といった覚えにくいこと甚だしい名前が多いです。中でも母音系と子音系の名前に分かれます。日本人は母音文化圏なので子音やら伸ばすやらの名前は覚えにくいです。その点「ゼルビア」は最も覚えやすいネーミングの一つだと思います。藤田社長自身が英語ペラペラで子音文化だから母音な名前に違和感があったんでしょうか?

 仮に藤田社長を追い出したとしても地元町田市の市民の総意がサッカークラブをどうこうしようという前向きなスタンスではないと思います。サポーターはクラブを愛してるんだろうが、地元の住人43万人の全てがゼルビアの名前を残して欲しいと思ってるわけではありません。観客数の4千人が実数だと認識しなきゃダメです。マスコミ対応で「浦和はサッカーの街」とオフィシャルに公言してますが、大阪の阪神や広島のカープほど体感できるモノではありません。
サッカーに限らずスポーツ・コンテンツは経常利益とは別にチーム成績という要素があります。チームの強さと収益は同じものではありませんがチーム運営の両輪です。自動車メーカーもシェア競争が激しいですが、負けたメーカーは軽自動車に降格というのはありません。
サッカークラブがどういう形になれば成功なのかをJリーグはまだ経験していません。週末に勝つことと年間順位とJ1に昇格することと国際的な知名度を手にすること、年俸100億のスター選手が加入すること・・・ 正解はわからないけどクラブと選手とサポーターがイメージを共有できなきゃ始まらないと思います。今回の騒動は全員のイメージがバラバラなことが露呈したんだと思います。
今回の顛末は「改名(新しいチーム名)は一旦保留にす」という落としどころでした。
サポーターはお金を出してくれる人がただの善人なワケないだろうと学習するべきだし、お金を出すほうはチームを応援してる人たちはクリック数ではなくて情熱を持った人間だと認識するべきです。


チームマスコットとアメコミ風の怖い(強い)感じに変更したらしいです。従来の可愛いキャラはリストラされたようで・・・ このマスコット問題も宇都宮徹壱さんのコラムに詳しく書いてあります。
とにかく性格な記事を読むのなら宇都宮徹壱さんのコラムを読んで下さい。(ゼルビア問題の記事は無料で読めるようです)
自分はさっかーチームにマスコットはいらない派だからどーでもいいんですけどね。浦和レッズは当初から「ピッチ(グランド)は戦いの場だからチャラいイベントや“マスコット”なんかがピッチに入るんじゃねぇ」というスタンスです。ウチのレア・マスコットのレディアは埼スタに行ってもまず見ることができません。だって出禁だから・・・


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