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2019-10

読書感想文の季節 - 2018.07.14 Sat

貝田桃子さん著 さくらももこさん絵の「ちびまる子ちゃんの読書感想文教室」です。

 今回は夏休み直前スペシャル『どうやって読書感想文を乗り切るか』がテーマです。夏休みというものは朝寝坊、夜更かし、ゲーム、かき氷といった自由と、ラジオ体操、計算ドリル、部活の合宿、そして読書感想文といった責任によって成り立っています。中でも負担が大きいのは読書感想文でしょう。
正直、夏休みの宿題なんてものは量が面倒くさいだけであんまり頭を使う必要がありません。したがって作業を友達同士で分散すれば効率よく片付けられます。
夏休みの宿題をコツコツやって2学期から成績を上げた子を見た記憶がありません。2学期から成績を上げたいんだったら、夏期講習に出るなり効率的な勉強をするべきでしょう。ラジオ体操の判子も欠損した日の分は「田舎に行ってたんだよ」ってウソをつくとポンポン押して貰えたりします。何故ならその子の出欠なんか、ラジオ体操のお兄さんにとってはどーでもいいことだからです。
夏休みのノルマでどーにもならないのが夏合宿と読書感想文です。合宿をサボると秋からのスタメン落ちはともかく、なんかスゴい楽しいことに乗り遅れちゃいます。下手するとチームメイトが大人の階段を一段上っちゃってる可能性もあります。もう一つは読書感想文です、コレばかりはみんなで写すようなズルが利きません。自由研究だったら5~6人で共同研究すれば負担を少なくすみます。しかも「共同研究」という学校の先生が喜びそうなフレーズが好評価されそうな感じですね。本当は几帳面な子に観察等を押しつけてみんなで写すんだろうけどね・・・

 そんな夏休みの永遠の悩みの種の読書感想文の書き方を“ダブルももこ”が解決しようというのが「ちびまる子ちゃんの読書感想文教室」です。著者の貝田桃子さんは秋田の高校の国語の先生なんですが、ダブルももこの組み合わせ以外に文法の本や現代文や論文の書き方の著書が多数です。ちびまる子ちゃん抜きで感想文画家期待人はそれなりのレベルの著書があるようです。
さくらももこさんとの共著の ~ 教室シリーズも「まる子の文法教室」や「作文教室」や「ことば教室」など多数出ています。今ブームになっている新井紀子先生の「AI vs 教科書が読めない子どもたち」に書かれている子どもたちって、結局は助詞を読まない(理解できない)から教科書が読めないって感じです。
子どもにとっては子どもなりに日本語がしゃべれているという自負があるので、日本語の文法を学ぶということにワクワクできません。低学年だった頃に算数の足し算の授業がくだらない時間に思えたように・・・自分はずーと国語の授業ってくだらないなぁって思っていました。教科書の文章を順番に音読して主人公の気持ちを見んなで考えるというのはカウンセラーの時間です。初等教育の国語の時間で文法教室、作文教室、ことば教室をやっていないことが問題なんでしょう。結果として理系の先生に教科書が読めていないと指摘されちゃうのは国語の先生の敗北です。何よりも多くの先生が信じて疑わない読書感想文という宿題が、全ての子どもに受け入れられていない段階で敗北でしょう。
個人的には読書感想文というのは書評家や読書好きブログ、本屋のポップ担当など、感想を伝える目的のある人が書くものであって、感想文を書くために読書をするというのは本末転倒です。そもそも真の読書とは作者と読書の葛藤であって、それを文章化できるくらいだったらその子は小説家になれるでしょう。例えば国語の先生に絵画を見せて「絵画感想文を提出しなさい」って宿題を出したら、ちゃんと書けるかな?原理は同じはずなんですが「僕はこの青が美しいと思った」的なペラペラな文章になるのかもしれません。絵を理解するチカラは感性じゃなくて美術に対する知識と経験です。文章を理解するチカラも同じく日本語の知識と経験です。なのに子どもに本を読んだ感想(感性)を作文にまとめろというのは無理ゲーでしょう。

 しかしどんな無理ゲーでも読書感想文が宿題なんだからイヤイヤでも書かなきゃいけません。本当は夏休みの宿題なんかどーにでもなるんですが子どもは建前でも宿題はやるほうがいいでしょう。
では、いかにして読書感想文を乗り切るのかという
作文の提出で問題になるのは原稿用紙何枚以上というレギュレーションです。実社会では何枚以内というほうが多いんですが、作文嫌いがほとんどの国語の授業では最低枚数が問題になります。読書感想文の本質は「この本を読んだ感想は感動した」です。ならば「感動した」をいかに原稿用紙3枚にするかを考えればいいのでしょう。400字詰原稿用紙は3枚で1200文字あります。しかし感動しただけでは4文字なので残りの1196文字をどうするかが問題です。1行目はお決まりの「○○を読んで」というタイトル、2行目はクラス・名前で40文字は消化できます。そのほかに改行を繰り返す、段落ごとに1行空けるなどで見た目以上に文字数を減らせます。小学生が誰でも思いつくのは文の始まりにいちいち ボクは・・・とつけることでしょう。正直いって感想文は全てボクの感想なんだからボクと書く必要はないんですよね。しかも「ボクは」で3文字なのに対して「吾輩は猫であるという本は」で12文字も消化できます。その後も「夏目漱石の本は」とか「大正時代の文学は」など主語にバラエティーを付けつつも字数を稼ぐのがよいでしょう。その他、同意語は極力文字数の多い言葉に置き換えるなど。奥の手としては「感動した」を「ボクハ・・・トォォテェェェモオォ・・・カンドウーシタァァァァ・・・」ってラノベ感満載で書くと、あっという間に1冊の本が書けます。100%書き直しさせられますけどね。
このような方法で原稿用紙3枚を埋めたとしても「書いていて楽しいか?」といえば楽しいわけがありません。感想文を提出された先生のほうも読んでいて苦痛でしょう。苦手な読書感想文を苦手なままやり過ごすのだったら、いかにマスを埋めるかだけでいいんです。でもそれでは先生も生徒もお互いに不幸になります。もう少し前向きな読書感想文の攻略法も考えてみましょう。
前向きといいながら感想文には感動した感想文と、感動してない感想文があります。夏休みの宿題の対策なんだから、いちいち読書で感動してから感想文を書かなきゃいけないのは非効率です。だって感動する本に出会うまで本を読み続けなきゃいけないんだから。せっかくの夏休みを読書にだけ費やすのはもったいないです。そもそもみんなが勘違いしているのは読書感想文は読書感動文ではないっということです。ましてや小説ごときで生き方が左右されるほど悩んでもいません。全ての本が感動や学びを与えてくれるわけではありません。
感動してないから「感動しませんでした」という感想文と、感動してないのに「感動しました」と書く感想文は、どっちが正しいのでしょう? 答えはどっちも正解です。強いて言えば先生にとっては「ウソでも感動した」っていうほうが嬉しいんじゃないのかな?

 自分は小学2年生からマンガとおぼしきコマ割をしていました。大体が読み始めたジャンプなどの影響で見よう見まねなんですが、ストーリーマンガ的な何かを描いていたんでしょう。スポーツで自己表現することが得意な子や歌で表現できる子、それこそ勉強ができる子など学校には様々なタイプの子がいます。自分は描くことや書くことに嫌悪感がなかったので、どちらかといえば作文は向いていました。でも授業で書かされる作文や感想文に納得はしていませんでした。
低学年の頃は知恵がないので無理矢理決められたテーマで作文を書くことが苦痛でした。当然ながら文字数を稼ぐための時間稼ぎのような作文でした。しかし、高学年にもなると知恵がまわり始め、感想を書かない感想文を考えるようになりました。
一般に読書感想文に求められることは、まず「その本を読んだきっかけ」次に「簡単なあらすじ」そして「感銘を受けたところ」最後に「読後どう影響を受けたか?」っていう感じです。これだけを押さえれば読書感想文の体裁は整います。しかもこれらの4点は有名な作品になれば、何となく知ってるストーリーで、どうやら悲しいお話で、多くの人が感銘を受けてるらしい本に、『偶然にも二つ年上のいとことお盆にお爺さんの家に泊まりに行った時にその作家の話になり、とてもこの本は影響を受けたのだと言わてボクも興味を持ちました。彼の本を貸して貰えたので海に行く約束も反故にして一気に読んじゃいました・・・』というごっつい本との出会いを書けば掴みだけで乗り切れます。当然ながらその本なんか読んでいません。貴重な夏休みに読書なんかしてる場合じゃないでしょう。「その本」の部分に当てはめるの作品は男子だったら宮沢賢治、女子だったらモモなんかがそれっぽくて無難ですね。
 
 全ての文章は読者のために書かれています。読書感想文だったら読者は先生だけです。自分は読書感想文というくだらない課題に対抗するために物心ついたころから一度も読書して読書感想文を書いた記憶がありません。小学校の時代は後ろめたくも読書感想文をやり過ごすだけでしたが、中学生では先生に挑戦するように偽読書感想文を書いていました。吉田秋生さんのマンガを読んだマンガ感想文をマンガと書かずに(小説とも書かない)つらつらと書いてました。やってることは今と変わらないです。さらに谷山浩子さんのLPを短編ファンタジー小説のごとく、レコード感想文なんかも書きました。
吉田秋生さんも谷山浩子さんもそんなにメジャーな感じではなかった頃です。浩子さんのほうは「まるで音楽のようなリズムの作品」てな感じのテキトーな作文でしたが、現国の先生も普通につまらない読書感想文よりは、ダイナミックな偽読書感想文のほうが読みがいがあるでしょう。感想文なんか書いたって自分のためなんかにはならないんだから、せめて読者である先生を楽しませるほうが作文力が上がるという気がします。
ずーっとインチキな読書感想文の話をしてきましたが、一番インチキな方法はネットで読書感想文のテンプレや模範文例集を転用することです。しかしコレはお薦めいたしません。ダブルももこさんの「ちびまる子ちゃんの読書感想文教室」は読書感想文のノウハウやルールが書いてある本です。これはコピペ集ではなく、子どもたちがこの本を読んで感想文を書くということの苦手意識を解消するためのテキストです。

 最悪なのはまったく考えずに例文を引用してしまうことです。なぜならば、一度でも文章をコピペしちゃうと、その人はもう自分で文章が書けなくなってしまうからです。そもそも定型文というのは定型書式のためにあるので、定型書式には善し悪しなんかありません。しかし作文とか論文とか報告文とかオリジナルな文章をコピペに頼ってしまうと、自分で考えた文章が正しいかどうかの判断するチカラが失われてしまします。一度文章を他人の書式に任せちゃうと、次に自分で考えて文章を書く時に自分の思考する文章に自信が持てなくなります。同じようなケースでネットの情報ばかりを鵜呑みにしていると、自分の考えよりもネットのトレンドのほうが正しい気になっちゃいます。そうなると自分で考えるチカラを失ってネットの多練度が自分の考えに思えてきちゃいます。
読書感想文のテンプレサイトではコピペの正当性をうたっていますが、コピペしちゃうと次の作文も自身の文章があってるか間違ってるかが解らず「標準的な正解」と思われる文章テンプレを探しちゃうことになります。現在、表面化しているのは大学生が論文をコピペしている問題です。効率を考えれば現代っ子なら当然のことでしょう。きっと彼らは「文章なんかコピペで作れる」と考えてるのでしょう。しかし、「文章はコピペで作れる」と「文章はコピペしないと作れない」は同じことをいっています。新井紀子先生的にいうならばコピペで文章を作ることはAIがもっとも得意とするジャンルです。人間の尊厳とはコピペしないで文章が書けることです。極論、コピペで感想文を提出した子は将来AIに取って代わられる可能性大です。
結論は、だからダブルももこさんの「ちびまる子ちゃんの読書感想文教室」を読んで自力で感想文を書こうということです。今回の記事も当然ながら自分は読んでいません。読んでなくてもブログが書けなきゃダメなんですよ!


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● COMMENT ●

嫌いでした

本を読ませるために読書感想文を書かせるのでしょう。
好きなように読んでそれでオシマイじゃダメらしい。
本を読んだ感想と云うか想いは、人それぞれ違うでしょうし、そうでなきゃ困ります。
それについて、とやかく言われたり、評価の対象とするのは嫌でした。
選定図書なんて、酷すぎます。
さて、孫に読書感想文を書かせるのにゃどうしましょ(笑)。
ペットボトルの工作とか、環境問題に携わる者にとっちゃぁ
腹に据えかねる事も多いですが、余り学校ともめると孫に類が及ぶ事もあり、困りましたねぇ。

いつも楽しく読ませていただいています。今回も、とても興味深かったです。

本を読むのが大好きだったので、私は小学校の頃は読書クラブに入っていたんですが、感想文は面倒くさくて嫌いでした。でも、クラブの課題はいつも感想文。
なぜ読書の締めが感想文でないとイケなかったのか……。
最初は真面目に書いていましたが、そのうち面倒になって、アリもしない自分で作り上げた架空の物語の感想文を書いて提出しました。
先生はハナマルをくれました。良い本に出合えてよかったですね……と。
本当に酷い子供でした。先生ごめんなさい。
そんな私は今、作家を目指しています。

MKさん、いらっしゃいませ。

読書感想文ありきの読書ですが、感想文の書き方を授業で教えていないんです。
児童の書く感想文の是非を指導要領のコピペで評価されちゃたまんないです。
こっちは真剣に感想文を書いてるのに(ウソ)
本当の感想というモノはパンツを脱ぐくらいのプライベートなモノのはずで
読んで殺意が芽生えたりエッチな気持ちになったりすることも尊重すべき感想です。


limeさん、いらっしゃいませ。

読書クラブというのもスゴいですね。
今回の記事は偽感想文の奨めですが、架空の感想文は偽感想文の究極ですね。
自分で作り上げた架空の物語の感想文を書くのなら、いっそ架空の物語を小説にして提出しちゃった方が話が早いのかな?
小学校に作家クラブがあったらよかったんでしょうね。


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