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2018-10

接待ゴルフの行く末 - 2018.06.30 Sat

プロゴルファー片山晋呉さんの謝罪会見に思うこと

 先日、片山晋呉さんがプロアマ戦にてアマチュアの人をラウンド中に怒らせた事件の処分発表と当人の謝罪会見がありました。ゴルフのプロアマ戦というのは馴染みのない言葉だったんですが、現在のプロゴルフ界っではトーナメント以上に重視しているのがプロアマ戦だそうです。昨今では世間のゴルフ離れというのが世界中の傾向で、プロゴルフ界ではプロスポーツとしての興行よりもファンサービスのほうを重視する方針です。
ここでいうプロアマ戦というのはサッカーの天皇杯のようなJリーグや大学、各地区アマチュア代表が参加できるオープントーナメントではなくて、スポンサーをプロが接待ゴルフをするというものだそうです。トーナメントは木曜日が初日ですが、その前日の水曜日がプロアマのスポンサー接待日に当てられています。
今回は片山晋呉さんの「接待ゴルフの心得がなっていない」という部分がみんなに怒られてるっていうことです。この日の大会が『日本ツアー選手権森ビル杯』といういかにもなタイトルで、片山晋呉さんが怒らせたアマの方は不動産会社の役員とのことなのでスポンサー中のスポンサー様だったようです。
問題がここまで大きくなった原因は片山晋呉さんの風貌通りのふてぶてしい態度でしょう。謝罪会見での「どうして帰られるのか理由がわからなかった」という発言とか「お辞儀に反省感がまるで無し」など、こーいう場に向かない人なんだなっていう印象でした。同席していたイイもんキャラの石川遼さんとのコントラストも最悪でした・・・

 自分はゴルフ歴が数年の自称 エセ・ゴルファーです。タイガーウッズがまだヒーローキャラだったころに会社内でゴルフブームがありました。それまでゴルフなんて口に出さなかったやつらが、こぞってゴルフデビューしだしました。みんなが始めると何故だかやりたくなっちゃうモンですよね。昔スキーブームの時のようなノリでした。
最初は借物やお下がりでいいやって思ってたのですが、みんな自分の道具を持ってるのが羨ましくて結局は買っちゃうんですよね。ゴルフの先輩(オッちゃんたち)のオススメは、テーラーメイドとかキャラウェイという素人にはピンとこないブランドでした。アメ横のゴルフショップの店員さんもビギナーに優しくない(なんだか見下す印象)ので、郊外のゴルフショップで自力で一式揃えました。
テーラーメイドやキャラウェイ、それとゼクシオなど何故かタイヤメーカーが売れ筋みたいでしたが、サッカーファンにも馴染みのあるブランドも売っていました。それはナイキで当時はタイガーウッズ押しでゴルフ界に進出しようとしていました。
今思えば超ミーハーな選択でしたが、タイガーウッズが契約してることを知ったのも買った後でした。当時流行り始めた四角いヘッドで『バカでも曲がらないドライバー』とかが謳い文句の邪道なドライバーでした。邪道故に打ちっぱなしやゴルフ場でもナイキのゴルフバックが被ることはありませんでした。普通のゴルフファンでナイキという選択はあまりないようです。
実際に現在はナイキはゴルフ事業から撤退しています。そしてタイガーウッズは先輩たちの御用達のテーラーメイドと契約してるそうです。そして、タイガーウッズだけではなくて、まさに時の人の片山晋呉さんも当時はナイキユーザーでした。それまではジャンボ、青木、中島、石川遼くらいの名前しか浮かばなかったので「片山晋呉?誰?」っていう感じでした。

 ゴルフというのを上達させる要素は“才能”と“努力”そして“経済力”です。ゴルフそのものは極めてゲーム性とレジャー性が高いスポーツなので、ビギナーでもそれなりに遊そばせてくれる、素人やへっぽこも大歓迎な感じです。しかし上達するのはイバラの道で、その先は泥沼がまっているようでした。“才能”は運動能力や技術習得の高さ、“努力”はどれだけボールを叩いたか、“経済力”は何回コースに出て、どれだけよい道具を買ったか。
プロになるような人たちはこれらを全部持ち合わせています。何も持ち合わせていないサラリーマンは、どれかに特化してつぎ込もうとします。まわりの半人前メンバーも見てると運動神経の良さだけで参加してるヤツ、ひたすら打ちっぱなしに通うヤツ、道具の話しかしないヤツ、様々でした。
自分はひたすら打つチームに入ったんですが、努力型にも汗の量が勝負の経験値アップ型と最小限の汗の量で乗り切りたい座学重視型に分かれます。自分は当然ながら知識に頼る『ドライバーはこうスやって振れ』ていう感じの教則本を読みあさりました。何故ならば自分は理論なしに努力するのが性に合わないし、何よりも技術論が好きなんでしょう。
そんな中でナイキのクラブセットを買った時に知った片山晋呉の名前をゴルフ雑誌でもう一度みつけたんです。片山晋呉さん自身が技術解説をするというのはほぼ無くて、彼のスイングを分解写真で解説される感じでした。彼を評する文章の多くは片山晋呉さんのゴルフにおけるストイックな姿勢を評価していました。イメージだと競技に取り組む姿勢がイチローに近いんでしょう。印象に残ってる記事はスイングする前に行うルーチンがやたら長いこと。後に五郎丸さんで脚光を浴びるルーチンの重要性を説く記事が多かったです。
その頃のゴルフファンの片山晋呉像は「本物のプロゴルファー」だったと思います。対極に石川遼さんという“日本の息子”のいうタイトルを総なめにした優良ゴルファーがいました。プロゴルファーになる人にも厳しさを前面に出すタイプと優しさを前面に出すタイプがいます。どっちも最高レベルの競技をしてるんですが、どっちになるかは選手の個性やスタイルの違いです。

 この時代のゴルフを席巻したのはまちがいなくタイガーウッズです。彼はゴルフ界のクリスティアーノロナウドのような人で、ソレまでのゴルフという競技のイメージを一新させちゃいました。ゴルフファンのサラリーマンゴルフや自営業ゴルフ(アマ)とプロゴルファーは同一線上にあるという設定でした。実際は別物なんですが・・・だからゴルフ雑誌はプロのスイングを解説してたんでしょう。
タイガーウッズはアスリートにならなければ勝ち取られない領域に存在していました。ロナウドのサッカー教則本なんかが出ても、読んで真似できるとは思えません。ゴルフは遊びかスポーツか?という議論をゴルフ未経験者の多くがしたと思います。タイガーウッズの登場はゴルフはアスリートの競技に押し上げちゃいました。アスリート出ないけどプロゴルファーという人もいそうですが、そーいうタイプお人がタイガーウッズと渡り合えるようには思えません。
この時期はゴルフにかぶれていたので深堀さんの「ゴルフの神髄」とか録画して研究?していました。人生で最もゴルフ番組を観ていた頃です。日本の息子こと石川遼君も積極的にバラエティーで芸人やらとゴルフしていました。今で言うゴルフの普及に勤めるという教会の趣旨をいち早く頑張っていた功労者です。石川遼くんには池田勇太さんというライバルがいます。どちらかといえば池田勇太さんは片山晋吾的なストロングスタイルを指向してる感じでした。実績で差が出始め石川遼くんもアメリカ挑戦とかでバラエティーで見かけないようになってきました。
宮里兄弟も兄貴たちは深堀さんテイストなんですが、妹キャラのハズの藍ちゃんは往年の伊達公子さんを彷彿するようなアスリート気質でした。この頃はゴルフは娯楽や接待ではなく、サッカーやテニスと同じような競技スポーツとして広めたいっていう印象でした。自分たちも自社主催の接待コンペの賑やかし要員には違いありませんでしたが、それ以上にゲームの面白さに夢中になっていました。

 例えきっかけが接待ゴルフ要員だとしても自分らビギナー組は、土日に打ちっぱなし大会とか河川敷ゴルフとかパターゴルフなど、それなりに楽しんでました。ホンモノの接待ゴルフ(相手先主催のコンペ)にも参加できる位に上達したヤツも現れてきました。
接待ゴルフというのはサラリーマンコントのネタでありがちなイメージですが、わざと負けてあげる的なことは、勝てる技術に裏打ちされないとできません。ボンクラゴルファーたちへの要求は、ラウンドを遅らせることなく先輩たちのペースに付いていくことです。それでもいい年したオッちゃんやじーさまたちが山奥でキャッキャ言ってるのは結構楽しいです。しかもゴルフ場のご飯がめっちゃ豪華で、しかも食事代がラウンド代に入ってるから好きなメニュー(肉)を選べるんですよね。
自社開催のコンペは90台で優勝争い、100で褒められるというレベルのしょっぱい感じでした。自分は初参加で166を叩き何やってんだかよくわかんない状態でした。その後144、122と進歩を感じていたのですが、120台で成長が止まっちゃいました。この先はさらなる“努力”をつぎ込まなきゃいけないんですが、ふと「そもそもそんなに努力してまでゴルフが上手になりたいんだけ?」ということに気づいちゃいました。個人的には色々やりたいコトがあるほうなので、この時期ちょっとゴルフに注力しすぎたことに疑問に感じ始めました。主催者の黒幕だった世代が定年になったことで社内コンペもうやむやになり、ゴルフバックもすっかり家の中のジャマなモノ筆頭になっちゃいました・・・

 ハナシを現在にもどすと、中高年のゴルフ離れが顕著というか激減しています。2017年のレジャー白書によるとゴルフ人口が210万人減少し前年比27.6%のマイナスです。しかし年代別で見れば70代や60代のゴルファーはゴルフ場でラウンドしてるらしいのです。そのゴルフ人口の構成比だと60代以降の先輩たちは全体の50%を越えちゃっています。
中堅層のゴルフ離れの原因は会社単位でのプレーを好まない傾向だからでしょう。休日を上司や同僚に使われたくないというのがホンネです。自分もコンペなんかよりも同世代の仲間同士でワイワイラウンドしたいと思ったんですが、それはそれで結構な労力と資金が必要です。上司について行くというゴルフは、それはそれで楽なんですよね。中堅がゴルフをしないのに若者がゴルフをする流れになるわけがありません。若者にゴルフを始めさせるのなら社内コミュニケーションの一貫ではなくて、スポーツとしての競技性やレクレーションとしての娯楽性をアピールしなきゃいけません。ボルダリングやカーリングなど最近知ったような競技をやりたいという若者は急増してるみたいです。しかしまだインフラが整備されてるとはいえません。レジャーとしてのスポーツには需要があるのに、インフラの整っているハズのゴルフが何で一人負け状態なんでしょう。ゲームとしてのゴルフは間違いなく面白いし入り込めばドコまでも奥深いです。しかしジャンボ、青木、中嶋時代に築き上げた『接待ゴルフ』というイメージが中堅以下を遠ざけてるんでしょう。自分が使ってきたナイキはタイガーウッズを使ってゴルフをバスケやサッカーのように若者に支持されるコンテンツにしたかったんでしょう。しかしタイガーウッズがちんちん暴走しちゃったので全部台無しになっちゃった感じです。

 日本ゴルフツアー機構はスポンサーを接待する大切なプロアマ戦にて招待客を接待しなかった片山晋呉選手に制裁を与える旨記者会見で発表しました。大切なお客様を接待できないのはプロにあるまじきで、『日本ゴルフツアー機構としてはゴルフ=接待という方針を強く打ち出しました』という感じの印象です。片山晋呉さんの過去の逸話では昔からこんな感じで横柄な態度だったようです。今回はたまたま森ビルの偉いさんが激怒したから収拾がつかなくなった感じです。
片山晋呉さんは昔からずーっとプロアマ戦なんてくだらないと思っていたんでしょう。ある意味わざと悪態をついていたのかもしれません。ソレも十分にガキ臭い振る舞いですが、スポンサー様あってのゴルフ界においてプロアマ戦は世間が思ってる以上に重要な位置づけみたいです。
「接待ゴルフって取引先にわざと負けてあげるアレでしょ・・・」っていう世間の偏見を機構側が一番重要と言っちゃった印象です。ニュースを聞いた世間の感想はトッププロって太鼓持ちが仕事なんだってことでしょう。ほかのプロスポーツにもファンサービスはありますが、太鼓持ちっていうイメージはありません。相撲の谷町が同等かも知れません。相撲も神事なのか格闘技なのか微妙な感じです。しかしスポーツという枠ではなくて国技というジャンルみたいです。
自分がゴルフを勉強してた頃に読んだ片山晋呉像はアスリートとしてゴルフに向き合うスタイルが絶賛されていました。しかし、その時代からゴルフ界も世の中の流れも大きく変わっちゃっています。あの頃とは事情が違うゴルフ界と変わることを拒む片山晋呉さんとのズレが表面化した事件でした。
逆説的なんですがゴルフが接待の道具として利用され続けると、余暇に他人の接待などしたくない世代には絶対に受け入れられません。謝罪会見は来年の森ビル杯開催のためには必要なみそぎだったのかも知れませんが、長期的なゴルフのイメージ戦略として「何じゃそれ?」っていう感想です。
怒らせたアマの偉いさんに詫びを入れて済ますのが大人の社会のやり方でしょう。最近の記者会見ブームで記者会見の学級会化がスゴいですが、アマ側もプロ側も関係者なんだから裏で解決できないのかよ?って思います。一般市民を巻き込んだ事件じゃないんだから・・・


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● COMMENT ●

らいか様

足跡 ありがとうございますー!
わかるっ!!おっしゃってること
めちゃわかります!!

昔は ブルジョアの遊びだったゴルフが
今では 一般スポーツですもんねー!

接待ゴルフっていう表現・・

難しいですよね~~


勝つとか負けるじゃなくて 
同じフィールドで 自然と風を感じながら
一緒にスポーツをすることで
会話が弾んだり 共感できたりで
仲良くさせていただく機会が増える・・
ってのが ホンマの接待ゴルフの意味だと
僕は思ってるんですけど・・笑

それを生業にしてる プロゴルファーの皆さんは
本来の競技以外で スポンサー様に
気を遣わなくてはいけないってのも
大変でしょうね~~~。。。

よしあきさん、いらっしゃいませ。

現実の接待ゴルフはマンガのような「部長!お上手!」ってイメージではなく
おっちゃんたちが真剣にゲームを楽しんでる感じでした。
したがって下手っぴはゲームにならないから怒られるんです・・・
ちょっと人工っぽいけど、自然と風は感じられますね。


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