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2018-08

再犯率の分母 - 2018.05.13 Sun

松山刑務所の脱走犯のアレコレから・・・

 先日、瀬戸内を震撼させていた今治市の松山刑務所大井造船作業所からの脱走犯が22日間の逃亡の末に広島市内で逮捕されました。現地の方々んはとんだ災難でしたが遠く離れた関東ではこの事件に震撼するコトもなく、ちょっと面白いが自分じゃ観ていないドラマのあらすじを聞いてる感覚でした。
近年では事件に軽口を言うと「被害者の気持ちを考えろ」とか社会正義に駆られる意見しか許さない印象です。しかし今回の脱走犯には犯人の人物像から人質立てこもりとか強盗致傷など、凶悪な事をしてまで生き延びようっていう気合いは感じられなかったようです。実際に潜伏中と言われていた島を大捜索しても「大山鳴動して鼠すら出ず」な感じとか、とっくに海を泳いで渡っっていたとか、安いコメディー映画っていう感じです。犯人役が大泉洋さんとかで・・・

 多くの方が興味を持ったのは今回の脱走事件で世に知れ渡った“塀のない刑務所”という存在です。ほとんどの善良な市民たちは刑務所にお世話になるコトもなく、知らなくてもいいのが最新刑務所事情でしょう。そもそもこの施設は50年以上の実績が有り最新のニュースではありませんでした。ちなみに日本一有名な網走刑務所は高倉健さん的な組織暴力団や再犯者専用の施設で、立地条件がすでに懲罰てき意味合いのようです。
塀のない刑務所は松山以外にもあります。有名なのが市原の交通刑務所、松山のお隣の広島刑務所の有井作業所、そして網走刑務所の二見ヶ岡農場。網走は他の施設と違って再犯者が収容されています。壁のないっていっても柵があり、柵の外に出たとしても生き延びることが困難なのかな?
脱獄の舞台になった松山刑務所は部屋に鍵すらないという獄=牢屋がない刑務所なので、字で書くところの脱獄ですらありません。設立された経緯とかいろいろあるようでしたが詳細は省きます。
この刑務所は世界中の刑務所から視察や問い合わせがあるなど、刑務所業界ではけっこう有名な施設らしいです。カリキュラムを生徒の自主性に任せている学校とか出入り自由な厚生施設とか・・・こーいう自主性押しなケースってありがちですよね。犯罪者を隔離するために刑務所があるのに、あえて塀に閉じ込めないというスタイルがイカしてるのかな・・・?
正直いって今回の脱走騒動で「塀がないって何だよ?」っていう普通の市民感情がありました。法務省の見解は「今回の件でせっかく実績を上げている“塀のない刑務所”の運用が行き詰まるのを恐れている」という感じです。じゃあ実績って何なの?っていうことですが、人事院から『50年にわたり受刑者の円滑な社会復帰を支え、矯正行政への国民の信頼を高めたことへの貢献』として表彰されています。矯正行政という言葉の意味がよくわかんないのですが、受刑者の社会復帰に対してメリットがあるということらしいです。

造船所で働く受刑者について某人権団体が見学したときのレポートだと下記の通りです。

 厳しい選考に合格した優秀な人たち
 資格取得が充実、ほとんどが仮釈放され出所後も仕事に就いている
 出所者再犯率は他の刑務所に比べて非常に低い

いろいろツッコミどころがありますが、ニュースにもなった「エリート受刑者」というのも、この優秀な人たちという不思議な日本語によるモノです。刑期が短くなるというメリットがあるのでこの作業所への志願者も多いようです。しかし定員が52名なので、松山刑務所全体の収容定員694名を考えるとかなり狭き門です。現在は作業所に20名が収容されています。
資格取得鳩も描く出所後の生活に就業は欠かせません。そのサポートができているのなら、それはそれで成果なんでしょう。でも刑務所で作った木工品のバザーなどを見かけると、他の刑務所でもいろいろやっているんでしょうね。
自分が今回の報道で一番引っかかったのは、この刑務所の再犯率が異常に低いっていうことです。ニュースもこの部分をかなり強調していました。刑事事件の平均再犯率が41.3%なのに対して松山刑務所大井造船作業所の再犯率は僅か6.9%です。現在の法曹界の悩みは犯罪者に刑罰を科して更生させようとしも、出所後に同じ過ちを繰り返しちゃうことでしょう。出所後の仕事の世話をするのも再犯率を減らすための施策のひとつです。再犯率が低いというのはもっとも目指すべき成果なんでしょうけど、この6.9%ってなんだかヘンじゃありませんか?

 自分は小学校の学活の時間に“多数決”が民主主義を装ったインチキだと気づきました。そもそも算数の加減乗除の中で、除法が気に入らなかったんです。やがて知恵がまわるようになったころから割り算というのは「人を騙す計算」という結論に達しました。このことは今でも揺るがない理論で、騙そうとする人や、持論を正当化する人は必ず割り算で説明しようとします。くだらない会議で出てくるデータもすべて割り算です。売上高というのは足し算ですが、前年比は割り算です。今年の利益は売り上げの加法で計算できますが、それを去年の利益と比べても今年の売り上げは増えません。そんなことは会議に出てる人はみんなわかっているけど、偉い人たちは比べる(除法)で今年を分析している気分になりたいんでしょう。
ちなみにサッカーは足し算のスポーツで野球は割り算のスポーツです。野球は優勝を勝率で決め、打率、防御率にもタイトルがあります。サッカーは1年を通して勝ち点を足していきます。勝ち点同数でも得失点差(引き算)など安産でも何とかなる数字で順位をきめます。得点王はありますが決定率とかのタイトルはありません。野球は打率で打順が大体決まりますが、打率がいいことが次の打席で打てるということではありません。打てた過去のデータが割り算なんです。
話を再犯率にもどしますと、松山刑務所大井作業所ってエリート受刑者52人を集めた刑務所です。元から更生できる可能性が高い人を選び出してその人数を分母にするのは、全国の受刑者総数を分母にした計算と並べるのはおかしいです。だってはなから再犯しない人たちの集合なんだから。
除法のデータを比較対処にする場合は分母の意味を同じモノにしなきゃいけません。今回の場合は全国の塀がある刑務所の中のエリート受刑者52人の再犯率と比べなきゃ、分母がそろわないです。そうすると刑務所の塀の高さが5メートル以上らしいので1メートル下げるごとに再犯率がどう変わるのか計算すればいいでしょう。塀の高さが何メートルの刑務所が更生と脱走のコストパフォーマンスに優れているのかが見えてきます。
松山刑務所の取り組みの再犯率改善の成果をデータ化したいのなら、分子は50年前の松山刑務所の再犯者数です。分母は定員52人で固定です。これだと過去のエリート受刑者の再犯率にくらべて松山刑務所が成果を上げてる指標が出ます。
そもそもこの作業所に入れば再犯せずに就職叶うのならば、もっと多くの女系車に同等のチャンスを与えるべきでしょう。それで出所後に再犯したってそれはそれでしょうがないじゃん。再犯率はどうせ41.3%なんだから。目的は再犯率を低くすることなのか?それとも更生できた人数を増やすことなのか?

 この塀のない刑務所という聞きなれない言葉から80年代のSFアニメっぽいなって思いました。特にどの作品がっていうのはないんですが、『施設内で主人公は自由に生きていると思っていたが、実はその施設の中の自由は仕組まれた偽りの自由で・・・』っていう感じです。レジスタンスな主人公はその施設を脱走し外の世界で追跡の手からアドベンチャーで逃げるっていう感じの冒険活劇。この松山刑務所という施設自体が世界中から注目されるというのも、何かの実証実験のサンプルにされているイメージでもあります。設立から50年も経って成果があるんだったら、もっと広まるべきものなんじゃないのかな?
自分は刑務所事情に口を出すほど犯罪者の行く末にシンパシーはありません。でもこの再犯率という割り算がインチキだよっていうだけです。そもそもこの脱走犯は出所する前に再犯してるし・・・


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