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2018-05

新刊「エデンの東北」 - 2017.09.30 Sat

深谷かほるさんの「エデンの東北」です。

 深谷さんは「カンナさーん!」など集英社の女性マンガ誌 YOU などで活躍している現役バリバリの看板マンガ家さんです。カテゴリーはレディスコミック(Hじゃないほうの)なんでしょうけど、作画やシナリオが男前なので広く万人向けの女流マンガ家さんですね。その深谷さんが最初に頭角をあらわしたのが竹書房の4コマ誌「まんがライフオリジナル」で連載してた「エデンの東北」です。
当時の竹書房の4コママンガ誌は「まんがライフ」が植田まさしさん。「まんがライフオリジナル」が秋月りすさん。「まんがくらぶ」は森下祐実さんや堀田かつひこさん。「まんがくらぶオリジナル」はさんりょうこさんでした。「まんがライフオリジナル」は4コマの中でも保守、ファミリー向けな位置づけで、秋月りすさんの「かしましハウス」~宇仁田ゆみさんの「よっけ家族」っていう感じの流れが主な作風ですね。
そんな中、仕事終わりに本屋さんの定期偵察していたら、深谷さんの「エデンの東北」の最新刊11巻が平積みされいるじゃありませんか!帯には「約17年部売りの新刊」と書かれています。約17年と書くあたりに、出版社もよく覚えていないくらいほったらかされていたことが窺えますね。
未完のマンガの新刊が出なくなることは多々あります。作者が急死した場合や病気などで執筆がままならなくなった場合。連載打ち切りに伴い単行本化もお蔵入りしちゃった場合。作者が多忙(重複連載)で手が回らなくなって連載ごと投げ出す場合。作者が作品を進めることから逃避する場合。そして掲載誌の再編(休刊や廃刊)に伴いうやむやに消えていく場合。とくに4コマ誌は掲載誌の事情が多いイメージがあります。小池田マヤさんのこととか…

 もう新刊は出ないだろうと本を処分しようかなって思う頃に唐突に新刊が出たりするモンです。最近では読者のほうが諦めかけてた荒川弘さんの「銀の匙」の新刊が突然リリースされてびっくりしました。荒川さんは作者側の事情っていう感じでした。「よつばと!」は作者が逃避型というか、徐々に出版スパンを伸ばして忘れさせようとしている感じです。14巻目が出るのは5年後か?
そして、ほとんどの深谷ファンがとっくに忘れていけどまだ連載中?だったのが「エデンの東北」ですね。どういう契機で続きを描きたくなったのかは判りかねます。確たるストーリーがあるわけでもないエッセイ風のホームコメディなので、「クライマックスを描けよ」とか「エンディングがどーなった」とか言うファンもいまさらいないでしょう。10巻目が出た後に「エデンの東北 高校編」が出たので「もう新作は描かないんだな。集英社の仕事に一本化するんだな」って納得しちゃいました。当然のように当時買った10巻分はとっくに処分しちゃいました。今回は待望の新刊というよりも、何でいまさら新刊?という感じがしました。そーいうギャグなの?って感じです。大出世作の「カンナさーん!」がキャラそのものな渡辺直美さんでドラマ化されて「今が旬」と判断したんでしょうか?連載のタイムラグを考えるとむしろ「夜廻り猫」が好評なので乗っかったのかな?
本屋さんで笑ったのは過去の1巻から10巻までを全巻重版しちゃったところです。竹書房も頑張っちゃったらしく、新刊発売と同時に本屋さんに過去作全10巻がそろていました。1冊八百円として全部買って八千円です。誰が買うかのかなぁ…?「エデンの東北」を読んで「カンナさーん!」を読む順番だったらなるほどっていう感じだけど、ドラマから原作まんがを読んでから深谷さんを知ってから「エデンの東北」という順番だと何なのこれ?ってなるんじゃないのかなぁ…
作品は70年代の福島に住む親子や周囲の方々の“心は錦”な物語です。静岡に住むちびまる子ちゃんと似たり寄ったりな感じです。ちびまる子ちゃんに比べると悪意とセコさをリアルにした感じのおねえちゃんが主人公です。主に男子小学生な感じのおねえちゃんと弱気なおとうと、フルメイクのお母さんとの戦いの日々がメインです。お母さんのナチュラルな悪意とセコさが人気の秘密でしょう。
「ちびまる子ちゃん」はさくらももこさんの思い出補正と原作者のプライドで聡明な思考の三年生ですが、「エデンの東北」は作者のプライドは反映されていません。雑な小学生と雑な親と雑な近所の人々の雑なお話です。「夜回り猫」からイイ話を引いた感じの作風です。

 今回の11巻目は即買いしたんですが、まだ読んでいません。読まずにこの日記を書いています。買い込んだマンガが多いので、17年間待たされた作品を今日明日で慌てて読む必要なんかありません。
今さらながら本屋で見かけて心が揺れてる案件が二つあります。一つは倉多江美さんの「静粛に、天才只今勉強中」が全8巻復刊しています。これは20年くらい前に出たナポレオンのお話です。当時、自分は歴史モノに疎かったので途中まで読んでいて挫折しちゃった作品です。今年になって本屋さんに普通に復刻版が並んでいるのを見つけてひっくり返りました。「倉多江美、再評価か?」って思いましたが、特に倉多江美さんの時代が来ている風でもないようです。今、読む人いるのかな?って思います。自分も改めて読んだとしても挫折しちゃいそうです。この作品と山岸凉子さんの「日出処の天子」が自分が作品に出会った頃が子供過ぎて読み切れなかった心の汚点です。
もう一つは川原泉さんの新作も本屋さんに並んでいます。「花とゆめ」時代の作品はあらかた読みあさりましたが、今、改めて川原泉作品を読もうとするとあの膨大なセリフとト書きを読む気力が沸きません。

 自分が一番気に入っている深谷作品は「かれんちゃん」という「エデンの東北」の主人公が大人になってOLになったらこんな感じっていう作品です。書籍での入手は不可能でしょうけど、ネット配信ならなんとかなるのかな?


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