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2018-09

夏休み推薦マンガ - 2017.07.17 Mon

村上もとかさんの「フイチン再見!」全10巻です。

 今までにこの日記で取り上げてきたマンガは全てが面白い作品というわけではありません。どちらかといえば読んだけど腑に落ちない部分があるとか、はすに構えた意見が多かったと思います。ずーっとマンガブログを書いてきましたが、マンガを宣伝するつもりはありませんでした。
そもそもマンガは誰かが面白いといえば、自分そう思わなくてもその人にとっては名作なんです。作品の技術的なことや作者の信条については批判できますが、面白いかどーかに対しては他人の意見ほどくだらないモノはありません。人が食べてる寿司を横から「君の食べてる寿司は2流だな」って言われるくらい余計なお世話はないですからね。
実は「らいかの日記」にお越し下さる方々の中でマンガマニアかな?って思える人たちは、どちらかといえば少数派だと感じています。多くは普通に日々を暮らしている“そんなにマンガやアニメに関心がない”人だと思います。マンガファンの中でも趣味的な作品を追うタイプや、特殊な指向や性癖に特化したタイプなど様々です。もちろん王道な有名マンガのみを読むタイプもいます。例えば前回取り上げた「アイアムアヒーロー」はメジャー作品だけど、マンガ作品としてはかなり特殊な嗜好の作品です。この作品は残虐とかアクションとか熱狂的なファンの心を掴んだ作品と言えますが、万人に勧められるほど普遍性があるとは言えません。近年でもっとも売り上げ的に成功した作品「進撃の巨人」ですが、もっとも面白いマンガか?って問われればどうでしょう?
また「名探偵コナン」がNO1マンガという人も「ONE PIECE」が一番というマンガファンもいます。マンガには密かに対象年齢があるんですが、長期連載だとそこら辺がうやむやになってしまいます。子供の頃から読んでいた作品がまだ続いているという現象ですね。大人が新たにコナン君を読み始めるには鴨居が低すぎますね。

 すでに事実上の梅雨明けで連日30度越えの日々です。夏休みを前に涼しい部屋でマンガ三昧というのはいかがでしょう?インドアでグダグダするのがまた津の醍醐味でしょう。なにより外の暑さは危険過ぎます。そんな夏休みで一気の読めるマンガの推薦図書が今回取り上げる作品が村上もとかさんの「フイチン再見!」です。小学館のビッグコミックスで全10巻出ています。ビッグコミックスなので大人向けマンガといえますが、対象年齢は中学生以上からだと思います。主人公の上田としこさんという実在したマンガ家の一生を描いた大河ドラマですが、読者は上田としこという人物を知らないという前提で描かれていますので予備知識は必要ありません。

  ブログ画像 フイチン再見 JPEG 2

 この作品については2年前に「歴史認識を認識する」という記事で取り上げました。その時はまだ5巻まででしたが全10巻で完結しました。連載マンガの長さは連載帰還で2~3年程度、全10巻くらいが丁度いいと思います。2~3巻だと物足りなさがあり、10年以上終わらない大作は読者の意識が薄れちゃいます。読み応えを考えるとストーリーマンガは10巻という基準でもいいように思います。
前回の記事では歴史認識になぞらえて、主に戦前の日本の風俗や満州国ハルピンのリアルな表現について取り上げました。この作品は上田としこさんの生涯をテーマにしていますので、享年90歳までストーリーは続きます。
後半の魅力は作品自体がマンガ現代史になっているというところです。以前につげ義春さんを扱った記事を書いた中で漫画家協会賞なるモノがありましたが、その漫画家協会ができた経緯なんかも出てきます。特に上田としこさんは少女マンガ界の重鎮なので、歴代の少女マンガの大御所が後輩マンガ家として登場します。手塚治虫さんに一目置かれ、赤塚不二夫さんやちばてつやさんが弟扱いです。
多くのマンガ家や文化人に好かれて、現役のマンガ家として90歳まで生きた生涯のドラマは痛快そのものです。

 村上もとかさんの作風は極めてスタンダードなマンガの手法です。この作品を読むと前回の日記で取り上げた花沢健吾さんの作画がいかに描き込みすぎなのかが判ります。人物のデッサンと背景の描き込みのバランスがいいのは村上もとかさんのほうです。花沢さんのほうは描き込みマンガというジャンルのファンには評価されていますが、一般の読者のイメージするマンガの読みやすさからすれば画面がうるさいようです。
久々にマンガを読むにしてもくだらない内容はイヤだとか、説教くさい話はつまらないとか退屈な話はどうもっていう人に奨められるマンガです。1冊あたり552円なので10巻で5520円+税でたっぷり読めます。夏休みの読書感想文にも持ってこいです。自分は読書感想文の宿題を吉田秋生さんのマンガとかをとぼけて書いていました。
昭和史でもありマンガ史でもあり、女性の社会活躍のい第一人者でもあった上田としこさんの、活劇のような人生をマンガで楽しんでください。何よりこのマンガを読むと上田としこという人が好きになることは、間違いありませんからね。


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