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2018-08

ベル・エポックの憧れ - 2017.06.10 Sat

国立新美術館 開館10周年記念展 「ミュシャ展」

 今年の3月から東京 六本木の国立新美術館にアール・ヌーヴォーを代表するアルフォンス・ミュシャの「ミュシャ展」が開かれました。日本とチェコの国交回復60周年という半端な年ということで、それまでチェコ国外へ持ち出されたことがなかった《スラヴ叙事詩》全20点をまとめて公開というのが目玉企画でした。チェコから出たことのない絵ということは、ほとんどの人がチェコになんか行ったことがないんだから幻の名画でしょう。世にホンモノというものはマーライオンしかり眠り猫しかり「えっ思ってたよりも・・・」ってなるもんです。しかし《スラヴ叙事詩》の作品群は「デカいとは聞いていたが、ここまでデカいとは・・・」っていうくらいデカいです。「要・双眼鏡」と言われる美術展なんて聞いたことがありませんでした。

 そんな「ミュシャ展」も6月5日で終了しました。「どうせ混んでるんだろうから落ち着いたころに観に行けばいいや」って思っていたら、結局は観に行けませんでした。芸術だかなんだか判んないようなミュシャの展示が、ここまで盛況になるとは思っていませんでした。世間はミュシャを芸術家として認識をされていないんだと思っていましたから、てっきりマニアックなファンくらいしかいないだろうと思ってました。時期をずらして2月ごろには余裕で観れるって甘々な読みでした。
しかし実際には大盛況でしかも来場の8割がたが女性ということでした。男性来場者も奥方サマのお供という感じで、きっと「オレは何故ここに・・・」っていう思いでウロウロしてたんでしょう。そのうちに国立新美術館での「草間彌生 わが永遠の魂」という草間さんの顔のドアップのポスターが目につき出したので、てっきりミュシャ展は終わっちゃたんだと思っていました。しかし実際はミュシャもやってるし草間彌生さんもやってるということでした。要するに国立新美術館がデカいということなんですね。ミュシャ展は六本木という立地ながら日テレが主催でしたが、やっぱり意地なのか草間彌生展はテレ朝が主催になっています。

 ミュシャ展がまだやってるというのを知ったのは「もう終わっちゃうよ」っていうアナウンスをラジオで聴いたからです。「しまった!もう6月だぁ」って思った時は後の祭りでした。駆け込みで観に行く人たちで大行列らしいのと、一緒に観に行ってくれるようなカルチャーな女性がいる訳でもないので今回のミュシャ展は断念しました。アール・ヌーヴォーを一人で観に来てる男ってやっぱりアヤシいと思うし、カルチャーな女性の大群の中に紛れ込むのも居心地がわるそうです。そもそも国立新美術館も六本木も自分にはハードルが高いし「六本木なんて庭だよ」という知り合いもいません。上野でやってくれたら「オレの庭」って言えるんですけどね。

  ブログ画像 ミュシャ展 JPEG

 アルフォンス・ミュシャって誰?っていう人も多いと思います。日本でそんなに有名な画家ではないだろうし、美術の授業で取り上げられる類いの作風でもありません。何故ならばミュシャの作品は芸術ではなくて商業デザインだからでしょう。有名な作品で自身の出世作の《ジスモンダ》は芝居のポスターでした。その後パッケージイラストや本の挿し絵、各種意匠などで名を上げた最古のデザイナーで絵師です。同時期のシャガールなどとはリトグラフというところで共通点がありますが、シャガールはピカソなどと張り合うことで芸術家という扱いで後生になを残しました。こーいうタイプの作風の人は芸術家って呼びやすいし、美術の先生も評論しやすいんでしょう。シャガールやピカソが絵に能書きをしたためるのに対して、ミュシャのやったことはキャラクターを作るということです。チーム分けをすればピカソやシャガールは芸術家チーム。ミュシャやロックウェルはイラストレーターチームっていう感じですかね?マンガ界でたとえると江口寿史さんのような「この絵は江口だ」っていう意匠を作った人です。18世紀に作られたミュシャのキャラは21世紀でも愛されていますし、現代のアーティストにも影響を与えています。

 今回の目玉は門外不出だった《スラヴ叙事詩》全20点の展示でした。どうして門外不出だったのかといえば、一枚がおよそ6メートル×8メートルというような巨大な作品が20点もあるから。多くのミュシャのファンが「あのスラブ叙事詩が来るってよ」という反応だったんだろうけど、自分はそんな作品が存在していることすら知りませんでした。折角だから観たかった気もしますが、ホンネは女の人の絵が観たいだけです。自分は絵画に込められた思想や宗教、政治、民族などの意味にはあんまり興味がありません。その絵の背景に作者がそんな思いが描かれているのかは美術評論や歴史評論であって、その絵が描かれたバックボーンは絵の優劣をつけるファクターではありません。
自分は17世紀~18世紀が大好物なんですが、それはあの時代の貴族家たちの権力争いやデモクラシーに興味があるわけじゃありません。ナントカ革命とかいう歴史の授業のようなお話は特に苦手です。好きなのは産業革命前後の普通の庶民に文化が広まっていく感じです。ヨーロッパが歴史的にもっとも華やいでいたころの浮かれポンチな感じのお話が好きなんです。ミュシャの作品からはその時代の人々の風俗が見えるようです。ミュシャの生み出したキャラでどんなストーリーが組めるかとか妄想はつきません。こーいう気持ちで国立新美術館に入るのは8割をしめる女性入場者の皆さんには申し訳ありませんが、ミュシャの絵はキャラにしか思えないんですよね。しかも全て非処女というか経験多いぞって感じのお姉さんキャラです。現代の絵師さまたちが描くような処女信仰はありませんね。
ミュシャのもっちりとした女性の描写を「当時の美意識はふくよかな女性が・・・」なんて薄い解釈だと本質は見抜けません。ヴィクトリア朝の心の師である森 薫さんの記述で『教育上よろしいコルセット絵と教育上よろしくないコルセット絵の違い』というのがありました。これに当てはめるとミュシャの絵は完全に『教育上よろしくない絵』になります。

ミュシャの描いてきた女性はそのまま当時の女性たちなんでしょう。今でも愛されているミュシャの絵はアール・ヌーヴォーの時代と現代はそんなに違わないと教えてくれます。


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● COMMENT ●

気が付きました

何気にこちらのプロフィール画像を見ておりましたら、気が付きました。
「らいか」と云うハンドルネームの由来。
私が思ったとおりで良いのでしょうか。
関係ない事でごめんなさいね。

MKさん、いらっしゃいませ。

名前の由来は過去に話したことがあったかな?って記憶も曖昧です。
ドイツ製のカメラのブランドとは関係ないですよとは書いたことがあります。
由来っていうほどのモンでもないし・・・(笑)

らいかさんこんばんは。

更新されるたびに記事は拝見しています。
「ミュシャ展」については見ていないので
何とも言えないのですがw

前のデヴィ夫人についての記事とか面白
かったです(この方色々問題発言多い…)
また機会があれば書き込みしますね。

それでは

J.B.HAGIさん、いらっしゃいませ。

お越し頂きまして有り難うございます。
自分もミュシャ展に行っていないのに記事を書いてるので
何とも言えないんですよね(笑)


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