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2018-10

俊輔の懊悩煩悶 - 2017.01.10 Tue

横浜Fマリノスの中村俊輔選手がジュビロ磐田へ移籍することになりました。

 日本のプロサッカーは春秋制なのでお正月から春まではシーズンオフになります。今まさにストーブリーグ(移籍市場)も大詰めになっています。各サポーターも来季に向けた新チームの構成をイメージする、楽しくもあり不安でもある季節です。何しろシーズン前はどのチームにも優勝するチャンスがあるんですから、気の持ちようでは一番楽しいのが今なのかもしれませんね。
自分のご贔屓は浦和レッズと大宮アルティージャの埼玉チームです。浦和レッズは移籍動向の収支バランスはまずまずな堅実な補強って感じです。海外の有名ストライカーをどかーんと買ってくるような派手さはないんですが、新潟からラファエル・シルバ選手とかゴールキーパーに横浜から榎本哲也選手など実績十分の堅実補強でした。湘南の菊池大介選手や福岡から多村友選手など渋めなチョイスもなかなかなモンです。懸念の生え抜きレンタル組も帰ってくるのでサポーターの妄想スタメンも楽しみになって来ます。
大宮アルティージャは家長昭博選手と泉澤仁選手が引き抜かれたのですが、テクニックは何本かの指に入る大前元紀選手と、長谷川アリーアジャスール選手という名前も顔も格好いい元日本代表の加入が決まりました。大宮サポーターは脱・家長という前向きな気持ちみたいなのでそれなりの順位を今年も狙えるんじゃないかなって楽観しています。
他チームでも世界2位の鹿島やオーナーがお金持ちの神戸は完全にストーブリグの勝ち組ですね。大久保OUT家長INの川崎やFC東京やセレッソ大阪なんかも地味に選手を集めています。逆に広島やガンバ大阪、そして横浜Fマリノスなどは収支でいえば微妙な感じです。共通してるのはチームを支えてきたという自負のある中心選手が移籍してしまうというところです。下位グループのチームが有力チームに主力を抜かれるのは世の常です。しかし有力チームには主力を引き留めるという責任がありますので、今年の大型移籍ラッシュは異様な感じでした。勝てそうな戦力のチームはDAZNマネーの配当金を当て込んで、ちょっとムチャな移籍が横行してるって感じですね。

 そんな中でもっともピンチなのが横浜Fマリノスです。昨年末にボンバー中澤選手と栗原勇蔵選手への 50%ダウン提示や小林祐三選手への契約満了通達など、どうなのって思えるようなニュースが溢れていました。ボンバーは「出て行ってくれってことか?」と憤慨、栗原選手は「試合に出てないんだから減俸は当然」と両者で違う反応をしめした。栗原選手は昨年は12試合しか出ていなかったようなので、まぁこんなモンかな?って感じです。でもボンバーと小林選手はガチでレギュラーの選手です。ましてや小林選手は30歳というサッカーではベテランだけど決してロートルとは言えない円熟した世代です。この騒動で他サポの間でも、マリノスがおかしなことになってるって話題になり始めました。強引なリストラはマリノスのレジェンドの俊輔にも及びます。ボンバーが一転してマリノス残留を決めたのも疑問でしたが、俊輔は結果的にジュビロ磐田への移籍を決断しとようです。提示額だけを比べたら4千万以上マリノスのほうが高かったらしいのですが、事態は金銭面で妥協できないくらいに硬化していたんでしょう。

 サッカーに限らず選手には選手寿命とか引退といった問題は避けては通れません。もっとも潔かった引退は中田ヒデの「旅に出る」でした。最も意味不明だったのが礒貝選手の「プロゴルファーを目指す」でした。特にチームの中心選手はサポーターの愛着も強いので「我がクラブで引退してほしい」っていう願望があります。最終節に引退セレモニーや選手がサポーターへ挨拶するといった100点な引退がベストです。年齢はいっちゃってるが十分に通用するけど、チームの戦略上放出したいという場合は難しいことになっちゃいます。選手自身が「体力の限界」みたいなことを言ってくれればサポーターも納得できますが、チーム事情で移籍する場合は「新天地で頑張れ」という声と「裏切者」とか「フロントふざけるな」っていう罵声が出てきちゃうモンです。
こーいうプラスやマイナスの声も含めてのプロスポーツなので、プロレス的なある程度の感情のむき出しもファンの楽しみのひとつだと思っています。川崎の大久保選手移籍問題で「次のFC 東京との試合では嘉人へブーイングしてやる」っていうのは、まっとう正しくサッカー観戦を楽しんでいる方だと思っています。「嘉人にも考えがあって決めた決断だから移籍した先でも頑張ってほしい」というのもサポーターの権利です。敵になった選手を敵視するのは当然だし、大好きだった選手を応援し続けるのも当然です。浦和だと新潟との対戦で田中達也選手が出てると浦和サポは嬉しいし拍手も起こります。 

 俊輔は野球で例えると広島カープの黒田投手のような存在です。カープ生え抜きからメジャー挑戦、ヤンキースで成功し20億の提示を蹴ってカープのために帰国…カープファンがしびれるようなストーリーですね。俊輔もマリノス生え抜きから海外挑戦、セルテックの中心選手になりフリーキック世界10傑だか20傑だかにも選ばれるような選手です。その後帰国しマリノスで攻撃の中心になります。スペインが嫌になって帰ってきたんだろうけど、マリノスサポにとっては男気帰国でした。黒田投手が引退ではなくて「来季から中日へ行きます」って言ったらカープファンはどう思うのか?その状態が今のマリノスサポーターの気持ちです。
今回のマリノスの問題は他チームだからといって対岸の問題とは思えません。そもそものコトの始まりは2014年にイギリスのクラブチームのマンチェスターCの親会社、シティーフットボールグループと資本提携を結んだことが発端です。翌年にはシティーフットボールジャパンが設立されマリノスの株を20%取得。当時のマリノスのリリースでは『シティーとの提携は、Jリーグで初の資本提携をともなう海外企業との提携となります。初めてのケースなだけに何としても成功させてJクラブの一つのあり方を世の中に提案できればと思っています。是非今後のマリノスに期待していただきたいです』とコメントを出していました。新鋭なビジネスマンが好きそうなグローバル展開とか人材交流といった前向きな意思表明で始まったことのようでした。しかしこの年には日本のクラブチームの練習施設としては最大の規模と環境を備えていたマリノスタウンを売却しています。
この事業提携契約は日産自動車とシティーの間で締結されたことであって、良く悪くも横浜Fマリノスというチームの意向は入っていません。このことが今後の移籍騒動の始まりになっていきます。

 話を今回の移籍問題にもどしますが、俊輔サイドの言い分は「実績にかかわらずベテランの一律減俸50%や解雇に納得出来ない。選手からの求心力がないフランス人監督と契約延長はおかしい」というもののようです。対するマリノスサイドの回答は「人事権はシティーにあるのでシティーの用意した監督は変えない、選手の処遇もマリノスにはどうにも出来ない」とのこと。新任の長谷川社長はお飾り社長でサッカーに関してはシロウトということです。俊輔はこの一ヶ月間、何の決定権も持たない社長に向かって、マリノスの未来の危惧を訴えていたことになります。
チーム運営にはそれぞれの事情があって、それは外部からは伺い知らないこともあります。浦和レッズも以前、サポーターは日本一売り上げがあるんだから「大物外人助っ人を買ってこい」って社長に食ってかかっていましたが、社長の回答は「ウチのクラブはみんなが思ってるほど金があるわけじゃない」ってことでした。経営には経営のプロっていう考え方をすべて否定するつもりはありません。しかしコスト削減や事業拡大をやるにしても唯一やっちゃいけないことがあります。それはサポーターを怒らすことです。ユーザーたるファンを怒らすことは、客商売としては最低なことでしょう。そんなことはサービス業は元より飲食店や小売業、製造業全てに当てはまることです。
よく経営問題を抱えたサッカークラブは我慢とか辛抱とかをサポーターにも求めてきます。そんなモンは本気のサポーターならみんな理解しています。むしろ理解しようとしてるからこそ今回の移籍騒動がほっとけないって思っちゃうんでしょう。日産が工場を閉鎖するようなドライな経営スタイルは日本のサッカーチームには馴染めないでしょう。ましてやサポーターは日産の社員じゃないし・・・

 近年のJリーグの方針を見ているとグローバル化と利益追求に主眼を置いてるっていう印象です。世界のサッカーリーグとJリーグの違いにコンプレックスを持つのは悪いことだけではないです。Jリーグはゆくゆくは日本代表をW杯で優勝させるという目的があります。それよりも気になる言い回しは「Jリーグというコンテンツ」とか「アジア市場」とか「放送権」とか・・・最近は生臭いハナシばっかりが聞こえてきます。マリノスとシティーの提携もJリーグチームに外資を入れるというグローバルで格好いいハナシでした。自分の本業は弱電業界なんですが企業提携とか買収っていうハナシはイヤってほど聞きます。必ず買う側の企業が買われる側の企業を消滅させちゃいます。名前は残るのはそのブランド名に力があるからだけで、そうしなきゃ生き残れないというシビアな現実もあるんでしょう。日産が生き残るためにルノーとの提携を選んだという社風がマリノスの株をシティーに売ることに対してアレルギーがなかったんだと思います。親会社からして外資企業だから。
結果としてマリノスは全ての人事権を失うことになっちゃったんですが、そーいう部分も企業の都合なので、ユーザーたるサポーターの知ったこっちゃないハナシです。でもその内幕を醜聞としてサポーターや一般マスコミに知られちゃうのはショウビジネスとしては最低の振る舞いでした。プレミアのマンチェスターCのヤツらには判んないだろうが、スコットランドのサッカーファンに聞けばナカムラがどれだけ偉大な選手なのか教えてくれるハズです。なんだか自分たちのクラブがイギリス人に取られちゃったっていう印象がありますね。そーいう発想がドメスティックとかローカルってホリエモンや孫正義さんが言いそうですね。でもクラブチームの本質はドメスティックなんだと思います。

 Jリーグには『Jリーグ百年構想』という共通スローガンがあります。「子供からお年寄りまで、健康な人も障害をもつ人も、だれもが分け隔てなく気軽にスポーツを楽しめる環境」を目指し「地域に根ざしたクラブを日本各地につくる」というものです。このビジョンは50年、100年という長い歳月がかかるが、海外のクラブチームは100~200年という歴史があるのでそこに追いつくという目的だったんですよね。今のJリーグが目指してるのはリーグの売り上げをプレミアリーグに追いつき、クラブチームの評価額をレアルマドリードに追いつきたいって感じです。100年後、日本人選手がもっと海外のクラブへ移籍できるようになるのが目的じゃなくて、Jリーグのクラブが海外クラブと同等の戦いをするというのが目的だったんじゃないのいのかな?地域に根ざすという文言と外資というコトバは限りなく遠いコトバです。企業の金儲けが目的でサッカーをするのだったら初めから読売(ナベツネ)と組んでれば良かったんだしね。
サポーターの声は選手を突き動かしクラブを支えて勝利と感動を分かち合うと信じています。時にはプラスにもマイナスにも作用しちゃうんですが、スタジアムや練習場に来るファンたちはそーいうモチベーションで応援しています。でもその声援を受け止めるクラブスタッフがモニターに映る収支データにしか関心がないと今回のような騒動になっちゃうんでしょう。
イングランドではプレミアリーグの永年のサポーターたちがスタジアムに入れなくなってるそうです。理由はチケットが高騰してるから。世界一巨額な放送権料が入るのになぜ?って感じですが、世界一成功したリーグのチケットは世界一高額になってるようです。

 三菱自動車の燃費不正問題で倒産して然るべきという所を日産が吸収するというカタチで収める事件がありました。このとき浦和レッズがマリノスと共に日産の傘下(株主)に入っちゃうと、Jリーグの規約違反になりレッズが消滅か?ってことがありました。この事態を対処したのが三菱で株を三菱重工に付け替えて難を逃れました。この事例はスポンサー企業がサポーターの不安をぱぱっと解決してくれたケースです。日産が三菱を吸収した後に浦和レッズの処遇をシティーに任せたら、平気で解散させられるかどっかの海外企業の持ち物にされてたのかも・・・

※ 懊悩煩悶とは・・・ 懊悩(おうのう)は 悩み、もだえ  煩悶(はんもん)は 悩み、もだえ
         悩みもだえ×悩みもだえ=悩みもだえるの二乗


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