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2019-10

中二病という病 - 2016.05.20 Fri

中二病と向き合えるのか?についてです。

 5月9日の帰宅ラッシュの時間帯に、品川区の東急大井町線の駅で13歳(中2)の女子中学生2人が電車にはねられ死亡しました。 2人が手をつなぎ電車に飛び込むのが目撃されていたという部分がセンセーショナルな事件でした。 ふたりは親友同士で学校帰りに制服のまま飛び込んだのですが、家族も学校もいじめやトラブル等の原因に心当たりはなかったとのこと。 むしろ朝は元気に学校へ行ったとの母親の証言すらありました。
この手の事件が起きると周囲は気づけなかったのか?とか現代の子供にかかるストレスがなどという議論になっちゃいます。「何故、自殺してしまったのか理由がわからない」というのが大人たちの共通した疑問でしょう。 親や教師は子供の心にひそむ闇の部分に気づけなかったのか?とか、悩みを受け止めるシステムはなかったのか?など。 しかし、結論から言えばこーいう事件を未然に防ぐ妙案は無いっていうのが正しいでしょう。 今回の事件に対するコメントが「残されたご遺族、友人、学校関係者の心のケアが心配です」っていうだけでした。メッセージとしてはさんまさんの言葉を引用して「死んだらだめだよ」っていうくらいでした。 本来、尾木ママのメッセージは子供ではなくて親の世代向けなんだから、いつものように怒りのコメントを期待されるんでしょうけど、今回は親や教育現場へほこが向いていませんね。 何故ならば尾木ママのような立場の人は何かしらの対策を考えることが仕事だが、このタイプの自殺は尾木ママの研究してきた教育問題とは対極にいる中学生です。
本来、自殺とは?っというのもヘンですが、一般の自殺というのは逃避行動の最たるモノです。 借金や疾病や重大な事件を起こしたなどで解決策がないとか解決しない境遇にイヤになっちゃうとか、人間関係のストレスやいじめなど追い詰められて逃げ道がない状態など。これらが原因による自殺は乱暴に言えば原因を解決するコトで自殺を思い止まらせることができます。 心因性の病気の場合は医学治療やカウンセリングという方法もあります。 しかし手つなぎ自殺に対しては未然に防ぐ方法など存在しませんし、今後もムリでしょう。 

 中二病という言葉がありますが、今回の当事者のふたりはまさに中学2年でした。 この思春期特有の奇行や思い上がった考えなど、大人には理解するのが面倒な事案も「中二病」という単語でざっくり片付いちゃいます。 自殺した中学生を中二病だからという言葉で片付けちゃうのもナンですが。
中二病というのはネガティブなスラングだから故人には相応しくありませんが、今回の事件での自殺原因では中二病という言葉がもっとも言い得てるように思えます。メンヘラ女子という説も出ていましたがメンヘラはもうちょっとお姉さんたちの自己設定っていうイメージなので適切ではない感じです。 しかも中二病という言葉は病気からきた言葉ではないけどメンヘラは病気のことを指す言葉です。 中二病は自由な思考によるものだから治療とかカウンセリングといった医療行為は通用しません。 ましてや「世の中は汚い」って言い出した中二病の子に「そんなことを考えてないで、この白いボールを追いかけろ」という大人がいたら、その大人のほうもなかなかの中二病です。
中二病といっても世界系とか設定系の年長さん組病なモノから社会批判や暴力的思考、ロシア文学や太宰へ傾倒するモノなど様々です。 自分にはスゴいチカラがあるといった設定厨や教室の窓ガラス壊してまわったなどの頭がわるいタイプの人たちは、張り倒せば解決したりしますし時間が経てば当人も死ぬほど後悔するでしょう。 ややこしいのは頭が良いタイプの中二病です。
中二病というのは色々なややこしい症状が発症するんですが、一番やっかいで社会的に問題になるのが自殺と猟奇殺人です。 自殺は前記の通りですが「人を殺してみたかった」っていう事件もこの中二病が起因になってたりします。
小学校時代は誰でも同じ教室でかけ算や漢字を勉強してきましたが、段々と思考のレベルに差が出てきます。 それこそ白いボールを追ってるような子供は深刻な中二病にはかかりにくいのですが、同年代よりも自分は賢いと思ってるタイプのほうが中二病をこじらせるリスクも高くなります。 

 思春期の心のベースには「自分は他人とは違う」という自意識があります。 同級生とは違う、親や先生たちとは違う、他人は自分を理解してくれないなど。自分が何者かという論議について以前はアイデンティティーという言葉が流行ったのですが、中二病という万能な言葉の登場によって最近では死語になりかけちゃっています。
自分が他人とは違うということに気づいた子は、その全能感によって同級生や親や教師を見下すようになっちゃいます。 何故、彼らは大人に悩みを打ち明けないのかといえば、全ての大人のことを見下しているからでしょう。 自分のほうが大人たちよりも正しく物事を理解していると思ってるから、大人に話しても意味がないって思っています。 大人が子供たちの声を聞き漏らしてるのではなくて、中二病の彼らはそもそも大人にホンネを語りません。 教育評論家やカウンセラーの方々は子供の発する信号を見逃すなっていいますが、信号自体が大人には理解できない言葉に変換されますから。
逃避の先に自死があるケースでは周囲の大人が子供の変化に気を配らなければいけません。 それは尾木ママの言うとおりなんですが、自殺の原因が中二病による場合は理由がわかることと解決は結びつきません。 このタイプの自殺は自殺の動機が見つからなかったり「えっ?そんなことで自殺するの?」っていうくらいの些細な出来事だったりです。こーいう事件で一番多く使われる「あなたが死ぬと悲しむ人がいる」というフレーズも、中二病の耳にはまったく届きません。 些細な理由で自殺しちゃう子供たちに向かって「死んじゃダメ」って説得するのは大人に義務ですが、大人たちの呼びかけが必ず子供に響くハズっ思うのは大人たちのエゴなんでしょう。
中二病をこじらせやすいのはイメージ的に内向的な行動パターンの子や文系を自称している子などですね。 本来は小中学生で文系も理系もないんですが「自分は○○」というカテゴリー分け自体が中二病っぽさです。早くからスポーツをしてる子は中二病から遠いイメージがあります。 これは集団行動が多いので内向的という部分が少ないのが理由かもしれませんが、運動部員は先輩やコーチ、監督など目上の人から教えを請う必要があるから大人の言うことを聞く機会が多いからでしょう。 こっちの問題行動で多いのは集団万引きやイジメなどですが、これらは中二病が起因ではありません。

 それでは中二病タイプの自殺や事件はどうすれば防げるのでしょうか?自分が知る限り30年以上も彼らの自傷行為を防ぐ決定的な方法は見つかっていません。 事件を評論する先生はたくさんいますし文献も溢れてますが、思春期の突然自殺してしまうという事例を防ぐ方法はありません。 ようするに大人が中学生の中二病をコントロールすることはできないので、今後も解決策は絶対に見つからないでしょう。 
教育現場では命の大切さをを授業で教えることもやっていそうですが、それは自殺なんか考えることのない普通の子供たちには響くでしょう。 でも一部の危険な思考に片寄った子供たちには無意味でしょう。 学校の先生が太宰に向かって「君は間違っている」って説教できますか? そもそも道徳の授業で自殺はダメだって教えといて現国の授業で太宰治を読めっていうのも・・・
中二病は中学生の特権だから大人や社会が防ぐことはできません。 最近はエロ本ではないようですが中坊がエッチな画像をこっそり見るのは必要悪です。事件さえ起こさなければ中二病そのものも大人になるときの通過儀礼です。 お母さんも笑いを堪えながら見守ってくれています。 この時代の屈折や思い込み、コンプレックスなどがその後の人格形成のベースになるんだと思います。 出来杉くんのような子供は大人になったら文春の記事を自分の意見のように語るつまんない人間になっちゃいます。

 中二病的な自殺を防ぐことは出来ませんが助長させない方法はあります。 それは徹底して死を肯定しないことです。 マンガやアニメなど手軽に伝わるような作品の中で、死を美化したり死ぬことへの選択を肯定しないことです。 アメリカではタバコを売るためにハリウッドで有名俳優たちに喫煙シーンを映画に取り入れるようにしてました。 結果、タバコ=格好いいというヘンな構図が出来上がって喫煙率を上げることに成功しました。 日本でも80年代のトレンディードラマ時代に女優の喫煙シーンのおかげでOLが堂々と会社や街中でタバコの吸える社会になりました。これらは作品が喫煙を助長させた例です。
彼らだって自分自身が出せる結論にそんなに自信があるワケじゃありません。 誰だって死ぬのは怖いでしょう。 でも何かの作品の中でキャラが屁理屈をこねながら人を殺めたり自殺してストーリーが完結するとこーいう答えもあるじゃんって思っちゃいます。
死を肯定しないといっても重要なキャラが死に引っ張られるのは主人公が止めるっていう展開では意味がありません。 むしろそーいう問答にすらならないくらいに否定しなきゃダメでしょう。 小学生が一番反応するのはパンツとうんこでしたが中学生ではセックスと死です。 ようはこの題材を扱えば売れるというコトなんでしょうけど、アニメ等で安易に殺し合いをさせて作品論とか言ってるのを見かけるとウンザリですよね。魔法少女とか何ていうかペラッペラで・・・


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