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2018-12

震災5年目 - 2016.03.11 Fri

 東日本大震災から5年が経ちました。 おりしも当時と同じ金曜日だったので同じタイムラインで運命の2時46分を向かえました。 震災時は埼玉で顧客との商談中だったのですが、今回はクルマを止めて東日本大震災五周年追悼式の天皇陛下の御言葉を聴いていました。 なんていうか俗な言い方ですが、完璧な文章っていうのがあるのならこういうスピーチのことだと思い知らされましたね。 ラジオでは終日震災関連特番的なレポートをしていましたが、伝わってくるのは5年で何が変わったのか?という疑問ばかりです。

 ラジオから発せられた被災地からのメッセージは「人や賑わいが町に戻ってこない」と「復興という行政への不満(怒り)」と「震災を忘れないで」ということだったと思います。 一番の悩みはちりぢりになっちゃった地元の若者が戻ってこないということでしょう。 これは復興行政との兼ね合いもあるんでしょうけど、本質の問題は若者の地方離れというベースの問題が元々あったのですが、避難という名目で 土地を離れちゃったことで堰を切った状態になっちゃったんじゃないかな? 自分は帰巣本能が薄いので帰らない被災者たちの気持ちを攻められません。 町を元通りにすることに尽力している方々の気持ちもわかりますが、若者にはどこでも生きていけるだろって言いたくもあります。 「5年で何も変わっていない」っていう話を一日中聞きましたが、どう変えるのか?もしくはどう元通りにするのか?を当事者の被災地の方々も支援する行政も具体化出来ていない感じがしました。 例えば仮設住宅の商店街を新しく移設したいけど自治体の指示が自分たち商店主たちの希望と反している事例です。 国の指導では自分たちが考えたアイデアは認めてもらえない。 国の決めたひな形で商店街をつくらなきゃ補助金を出さないっていうカラクリらしいです。 だったら補助金を突き返せば? 補助金で復興することが目的なのか自分たちの町をつくることが目的なのか? この国の行政は国立競技場すらまともに作れない程度のアイデアしかありません。

 頑張ってるなぁとか想像を超えた復興をしてるとか思えるレポートは、だいたい個人の社長さんとか町内会レベルのリーダーのハナシなんですよね。 行政の動きが鈍い分民間のアイデアはどんどん先へ進んでいます。 進まないのは行政の判断(おもに補助金がらみ)を待ってる中規模以上の団体の事業です。 国も復興させたいのか補助金を支給させたいのか何が狙いなのかをごまかしてるフシがあります。 金は貰うほうよりも配るほうに利権が発生するモンですから。 そもそも日本の壊れたところを直すのは補助じゃなくて本予算だろって感じですし。 東京大空襲で焼け野原になった東京の復興は補助金だったのか? 日本を直すのになんで国から補助を受けなきゃいけないんだろう。
5年あればどんなビルだって国立競技場だってたぶん完成できるくらいの年月です。 いかに何もやらなかった日々が多かった5年間だったのかを物語ってるようなラジオのレポートでした。

 震災に対するメディアの基本的なスタンスは真実と現実を伝えるというやり方です。 いわゆるノンフィクションの世界ですね。 自分はマンガというメディアをメインに考えていますが、マンガというジャンルは一番ノンフィクションから遠いジャンルだといえます。 どんなに真実を取材したとしても読者からすれば絵じゃないかで片付けられちゃうのはマンガです。 しかも写実的になればなとほどホンモノではない絵空事感が強くなる傾向です。 しかし実際に作者が経験したコトをマンガという形式で伝えることにおいてはマンガという手法はとても有効で便利です。 そーいう震災体験をマンガにする人は多くいましたがそれはマンガというよりエッセイというジャンルに入っちゃいます。
ラジオでよく聞いたフレーズで『震災直後、歌手の方々が歌も無力さ、歌手という職業の無力さを思いしたされた。歌っていて良いものなのか?と悩んでいた』というのがありました。 歌も被災地の方々の支えになったということのレトリックなんですけどね。 じゃあマンガは役に立つのか?っていうことで震災をテーマにしたマンガがたくさん発表されました。 ほとんどの作品を読んでいないので一概に決めつけるべきではありませんが、テレビの特番のようなレポートやメッセージをマンガ化したようなイメージです。 それは震災マンガという新しいジャンルになって一定数の効果を上げたんだと思います。 興味深いのはその多くがあまり聞いたことがないような名前のマンガ家さんだったいうところです。 代表的なのが自分の日記でも取り上げた「いちえふ」の人とか「あの日からのマンガ」のしりあがり寿さん、吉本浩二さんの「さんてつ」などでしょう。

 震災も5年が経った今、震災そのものが日本の歴史のひとつになったと思います。 それは過去のことになったのではなくて日本中の共通認識になったので終戦や高度成長、オイルショック、バブル崩壊、リーマンショックなどと同様に日本という国が経験してきた事実です。 そうすると東日本震災を伝えるという大上段ではなくても、一定の割合で被災体験がストーリーに影響するのは当たり前です。 バブル崩壊もリーマンショックもなかったことにし浮かれてるマンガってヘンでしょう。
普通に暮らしている人たちが登場するマンガの中にも震災関係者が出てきて不思議ではないですし、それがかならずしも震災をメッセージという意味でなくてもいいと思っています。 そんな震災マンガの中でこれは上手いなって思ったのがアキリさんの「ストレッチ」という作品です。 このマンガの作者のアキリさんって誰なのか?とか水沢悦子さんが誰なのか?はこの際どーでもいいことです。 ストレッチはタイトル通りにOLが学生と同居していてストレッチをするだけの日常マンガです。 舞台は東京のマンションががメインですが回想シーンに田舎っぽい町がよく出てきていました。 ほとんどが主人公たちのストレッチシーンやイチャイチャしたコントシーンなんですが、時々カットインする回想シーンをつないでいくと浸りが同居を始めたきっかけが3.11だったっていうお話です。 これは完全なフィックションだろうけど震災時の11日と12日の東京でテレビを観ていた雰囲気とかは自分の経験した被災と同じ印象でした。 作中では東北の悲惨なシーンは一度も描かれておらず、作者の伝え方のセンスが優れていますね。
こーいう心の機微こそがマンガというジャンルに一番向いているテーマで、多くの人たちに復興の問題や災害の恐ろしさを啓蒙するような作品は大メディアに任せておいたほうがいいように思います。 だってどれもあんまり面白くないんだもん・・・

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