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2019-10

甘いチョコの苦いお話 - 2012.02.18 Sat

バレンタインも終わり、みなさん悲喜こもごもだったと思います。 自分の職場では義理チョコの完全撤廃のため平穏な1日でした。 恵方巻にしろ義理チョコにしろ無意味な慣習には興味がないのですが、もらえないのも何だか寂しいものですね。 今回はチョコレートのお話ですがあんまり楽しい話じゃありません。 知らなければ知らないままのほうが世の中が上手くまわる場合もあるってこともあります。

 先日、録画しておいたイギリスBBCのドキュメンタリー番組を観ました。 タイトルは「 甘いチョコレートの苦い現実 」 内容はチョコの原料の産出国のガーナで収穫に違法な児童労働がおこなわれているという問題。 そして隣国のブルキナファソという国から子供が人身売買されているという現実をカメラが暴いています。 イギリス人のレポーターが“偽バイヤー”に扮しがガーナへ不正労働のカカオを買い付けに行き、最後は実際の板チョコを製品化して違法ルートのチョコが普通に流通できることを証明する番組です。 この問題がいかに重大な社会問題かは番組タイトルを検索すると多くの方々が取り上げていますのでそちらを読めば良く解ります。 そちらを参照していただければ自分なんかの100倍以上も真剣に訴えています。 

 NHKは海外の良質なドキュメンタリー番組をよく放送してくれます。 この「甘いチョコの・・・」も内容の意義もさることながら観ていて面白い番組に作られています。 マイケル・ムーアさんの映画ばりに凝った演出で、ユーモアやウイットそしてたっぷり皮肉を込めて問題提起しています。 こーいう番組作りは日本の放送局が苦手な手法っぽいですね。 欧米では“怒らせて”番組を盛り上げるけど、日本は“怒られないように”番組をまとめるから。 小気味よいテンポでガーナの農園に潜入取材して農園の経営者と人身売買のブローカーを逮捕させる番組の手際は観ていて痛快です。 売られた少年も母親の元に返されて大団円です。 観光地やライオンや象とかじゃない生活するアフリカの現実も写されていて興味深いです。 多くの日本人にとってはアフリカは遙か遠い世界でっしょう。 ジャングル大帝や少年ケニア、ブッシュマンのニカワさん、パリ・ダカ、W杯南アフリカ大会くらいの知識ですね。(もっとある!) ガーナはチョコのブランド名にもなっているので知名度のある国名です。 では、人身売買の横行しているブルキナファソという国ってドコなの?ってことでしょう。 イタリアやドイツなどイメージしやすい国の問題には興味を持ちやすいですが、知らない国へ関心を寄せるのは難しいです。 知り合いが困っていたら手を貸すけど面識の無い人にはつい拒んじゃいます。 国際問題はそーいう温度差が解決を難しくしているみたいです。

 実はブルキナファソという覚えにくい国名を埼玉県の一部の人々はみんな知っていた国名だったんです。 自分もこの番組を観る前から知っていました。 2010年Jリーグの浦和レッズへドイツのケルンから1年間のレンタル移籍でJリーグ初のブルキナファソ代表選手が入団してきました。 ウィルフリード・サヌという選手です。 本物のアフリカンの身体能力で期待されたが、年間2得点で活躍したとはとてもいえず監督人事の絡みでケルンに返却されちゃいました。 でも人なつっこい陽気なアフリカ人はサポーターに結構愛されていて、日本に残って彼に合う戦術のチームに入れば爆発する予感もありました。 印象的だったのは彼が浦和レッズに入ったとき日本でサッカーができることをとても喜んでいたことです。 浦和サポーターにとってはブルキナファソは南半球のどこかの国じゃなくてサヌ選手の出身国です。

ブルキナファソ

 ガーナの農園に売られた少年の経緯は「家族が息子を親戚の叔父さんに預けていたら叔父さんがブローカーに僅かな金で売っちゃった」というものです。 少年はカカオ農園で奴隷として働かされ賃金すら支払われていない状態でした。 この問題は人身売買と奴隷という問題です。 フェアトレードの問題でもあるんですが欧米の企業が正当な価格を払っても解決しない問題です。 フェアトレードを叫ぶのも重要ですがそれを企業の言い訳に使われちゃうと奴隷問題が闇にうもれちゃいそうです。 この番組には多くの“嘘つきども”が登場します。 そもそもおとり取材するレポーターが偽チョコレート会社という設定だし、子供を売る叔父さん、少年はガーナ人だと言い張る農園主、逮捕するならガソリン代をよこせと言う警官、不正な農園からのカカオは使っていないと言い張るチョコレート企業、児童労働の事実を知らないことにしてチョコを食べる消費者・・・ 番組は追求していなかったが、母親が叔父さんに息子を売ったのは容易に想像できます。 「学校に行かすために叔父さんに預けた」っていうセリフは怪しいです。 だってこの番組の登場人物は全員が嘘をついてるんだから。

 世界中がクジラやイルカを食べる日本人を怒っています。 北京オリンピックの時、犬を食べる中国人に日本人もビックリしました。 クジラは守るのになぜブルキナファソの少年は守らないのでしょう? それはクジラは食べないけどチョコは食べたいからです。 この問題を解決する方法は不買運動しかありません。 明治も森永もロッテもグリコも全社ガーナ産のカカオを使っています。 不正なカカオを使っていないとコメントしようがトレーサビリティを公表しているわけじゃありません。 でも文句を言う消費者はいません。 世界中のみんながチョコを食べたいから・・・ 番組のラストで「このチョコは児童労働で収穫したカカオを原料にしています」という正直な表示マークを付けたオリジナルの板チョコをイギリスのセレブな奥様たちにみせていました。 「コレはダメよ! 児童労働は許せないわよ」と言っていましたが「あなたの普段食べてるチョコは全部同じ原料ですよ。 食べて平気なのですか?」との問いに「知らなかったんだも・・・」とのやりとり。 でも彼女たちはもう知っちゃいました。

 この日記を読んでくれた方々もカカオ農園の少年のこともブルキナファソという国のことも知っちゃいました。 「お前が書かなくてもそれくらい知ってるよ!」という方々も多いでしょう。 自分だってこの番組で初めてガーナの実態を知ったワケじゃありません。 うすうす聞いていた問題を明確に取材した番組を観たというだけです。 だからといってチョコを食べるなとかどこかに募金しろという話でもないです。 チョコは美味しいし自分は今後も食べるつもりです。 ただ「イヤなものを観ちゃったね」というだけのお話です。 この番組は2月9日に放送されたんですが、この段階ですでに再放送でした。 バレンタインを狙った悪趣味な編成です。 この日記を読んで興味を持った方々にもまだチャンスがあります。 なんと3月14日のホワイトディーに再々放送の予定があるとのこと(未確認情報) 最近のNHKのこーいうノリは結構イイと思います。  

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● COMMENT ●

はじめまして、訪問ありがとうございます。
カカオ農園が児童労働の温床になってると言うのは、有名ですね。
私は今年のバレンタインはゼロ個でした。
「そんなチョコ要らないやい」というと、負け惜しみに見えますね(笑)

ccmu さん、コメントありがとうさまです。

お便りありがとうございます。

チョコくらい自分で買えますよね。 大人だから・・・


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