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2019-10

新たな聖地国立へ - 2013.12.01 Sun

新国立競技場計画のお話です。

 「お・も・て・な・し」で、滝川クリステルさんがただのナナメに座ってる人じゃないって思い知らされたあの日、2020年の東京オリンピック開催が決定しました。 あのときの最大の功労者だった猪瀬直樹氏は「しゃ・く・よ・う・しょ」で再び面白いことになっちゃっています。 
オリンピック開催にともない、新しいメイン会場として国立競技場を建て替えるというのは規定事項でした。 集客6万人、陸上トラック9レーンというのがIOCの要求なので、現状の国立競技場では条件を満たしてません。 新国立のデザインはコンペの結果「自転車用のヘルメットみたいな開閉式の屋根」を備えたイラク系イギリス人のザハ・ハディドさんの案が採用されました。 そのままSF映画のロケができそうな超クールなデザインです。
でもこの改築プランはクールとはほど遠く、みんなから怒られちゃっています。 なにが問題なのでしょうか? そもそも論で、いつの間に誰が決めたのかをほとんどの人が知らなかった話です。 オリンピック決定前からデザインは決まっていたようです。 とりあえずデザインを見てみましょう。


  コレはザハさん関連のサイトで拾ってきた画像です。

 一般の報道で出回っている画像ではイラストっぽくて実像をイメージしにくいと思います。 左側が千駄ヶ谷門で右側が代々木門、奥側が青山門です。 左に絵画館、奥に神宮球場が見えます。 有機的なデザインっていうのは最近の流行みたいですが、自分は「カタチは機能が作り出す」というのが好みです。 「理由があるから膨らんでる」というのが理想で、見栄え優先で膨らませたけど、中身は空洞っていうのは安っぽく思えちゃいます。 実用的、合理的にデザインされたシンプルなカタチは年月を超えて美しいモノです。 東京駅の丸の内駅舎だって、レンガで吹き抜けの解放的なホールを作ろうとしてあのデザインになったんじゃないのかな? 
この新国立のデザイナーのザハさんですが、彼女は建築の女王と呼ばれていて建築界ではメジャーな方らしいです。 そもそもサッカー馬鹿やラグビー馬鹿、陸上馬鹿、文科省のお役人、馬鹿都知事が集まって選んだコンペです。 そりゃ女王さまに決定しちゃうでしょう。 建築の善し悪しを“人生で一度も考えたことがないおっさん達”が選ぶんだから。 山田五郎さんの情報ではザハさんは「アン・ビルドの女王」と言われていて、コンペでは優勝するけどその建物は実際には建たないことで有名とのこと。 ちなみに2022年のサッカーワールドカップのカタール開催で、カタールのサッカー場のデザインもザハさんが手がけています。 当然、まだ建っていませんけどね。 

 今回オリンピックの誘致が成功して盛り上がっていましたが、その反動で新国立競技場に対する批判がもの凄いことになっちゃっています。 おもに指摘されている問題点は4つで“予算がかかりすぎる”と“デザインが悪い”と“大きすぎる”と“景観をそこねる”です。
予算に関しては、日産スタジアム(横浜国際)の当時の建設費600億円+可動式屋根で1300億円というどんぶりがベースになっています。 実際はコレよりも遥かに高いことで批判がもっともも集中しています。 ロンドンや北京のメインスタジアムはもっと安かったっていう意見が多数ですが、人民元と日本の円を同じレートで考えるのはヘンですよね。 あっちは政府がなんとでも出来ちゃう国だから。 ロンドンと日本の物価だって土地の状態や評価額だって違うから。
デザインに関しても写真の左側のカタツムリツノみたいな部分が縮小で破棄されるから、言うほどヘンでもないかもしれません。 もっとシンプルなほうが安心ですが、全く奇をてらわないのももったいない気がしますしね。
大きすぎるというのは、そもそもこの敷地自体が狭すぎるんです。 床面積が他国の会場に比べて大きいんですが、多層構造にすれば床が広くなるのは当然です。 
最後の景観を損ねるというのは神宮外苑が風致地区で「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」というシンポジウムの方々が提唱してます。 コレはちょっと難しくて???なんですが、要するに今の神宮外苑の雰囲気に巨大なスタジアムはそぐわないということです。

 結局、高いこともデカいことも格好悪いことも景観を壊すことも同じことを言ってるんですよね。 ソレについての問題提起や犯人捜しはネットの住人やコラムニスト、有識者の方々が十分に騒いでいます。 みんな問題提起が好きですしね。 でも、「反対!反対!」って言ってる方や「駄目だ!駄目だ!」って騒いでる方って「それじゃどーいうスタジアムにして欲しいの?」ってコトにはなにも答えていませんよね。 「だから安く作れ」とか「地味なデザインにしろ」とか「5万人収容でいい」とか「可動式屋根なんかやめろ」など。 ソレって反対意見を言ってるんであって新しいスタジアムへの希望をリクエストしているワケじゃないです。 「だったらザハさんより優れたデザインを提示しろよ」って言うのも文脈がヘンですし。 「金がかかるのなら今の国立をリフォームすれば?」っていう意見の方もいますが、国際試合の開催規格を満たしていないのでそれは無理でしょう。 金がかかるから作っちゃ駄目ってことなら、極論オリンピックを誘致したこと自体が失敗なんだろうし。
今回の新国立反対という意見は新国立への是非よりも、行政の不手際に対する批判という意味合いのほうが強くなっちゃってると思います。 つまり「アノ宇宙船みたいな屋根は駄目だ」っていう方に「本当にイヤなの?」って聞いたらどう答えるのかな?ってことです。 「泣くほどイヤ!」って答える方もいるでしょうが、「反対運動や抗議活動、デモ、あらゆる手段で計画を変更させてやる」って人は少ないでしょう。 活動している方々は民権を真摯に考える人、泣くほど反対する理由がある人、反対するのが好きな人のどれかでしょう。 ネットのまとめ記事はともかくとして、ラジオや文章で持論を展開している人の多くが国立競技場そのものには興味がないのに意見しているように思えました。 とくに建築家チームや景観重視チームは千駄ヶ谷に行ったことがあるの?って感じです。 この問題は国費が使われるから日本国民全体の問題なのですが、実際には東京周辺の関東ローカルの問題です。 諌早湾のギロチンや八ッ場ダムの問題は日本国民の全体の問題のようですが、本当のトコは地元の方々じゃなきゃ判らない問題です。 「結局はどーいうスタジアムを作ってほしいの?」ってことです。

 自分は11月の2日に今の国立に行ってきました。 ナビスコカップの決勝です。 それ以外もJリーグの公式戦で3試合なので今年だけでも4回行ったことになります。 毎年それくらいは観に行っていました。 従って安藤忠雄さんよりも国立競技場に詳しいかもしれません。 要するにスタジアムを計画している人たちは出来上がった建物を使うことはあんまりないんです。 彼らがユーザーがスタジアムに何を求めてるのかを理解してるのかは疑問です。 当然ながら美術評論家Yさんの言う「街の景観」とか社会学者Mさんの言う「明治時代から続く歴史的な意味合い」などではありません。 競技場だから選手たちのモノだというのも正論ですが、市民ランナーや地域のサッカーイベントには規模的に不向きなのでプロ使用が前提だと思います。 それならば観客のためにデザインされることが的を得てると思いますよね。 スタジアムの求めることなんて誰でも似たりよったりだと思います。

 新国立競技場にお願いしたいこと

1 3600穴規模のトイレ

2 広大な横幅のコンコース

3 傾斜があって視界を妨げず、3時間以上座っていても疲れない観客席

4 仮設ではなく備え付けのスペースのある売店

5 敷地外で開場時間前に待機列をすくるための十分なスペース

 スタジアムが大きいとか小さいとか言ったってトラックが20レーン有ったり、1周が800Mだったり、ピッチの縦が150Mってワケじゃありません。 フィールドの大きさは規格通りでも余白を取り過ぎちゃうとニッサンスタジアムのようにピッチが遠くなってしまいます。 だいたいスタジアムの善し悪しはこのピッチまでの距離で評価されます。 しかし、もっと優先されるべき問題はトイレの数です。 自分のホームスタジアムは埼玉スタジアム2002です。 ここへは2週に1っぺん通っています。 埼スタはW杯のために作られたスタジアムですが、設計時からトイレに対する明確なコンセプトがありました。 「15分で用を済ませるには何個の便器が必要か?」ということを調べて、トイレの数を決めたとのこと。 その数は1300穴以上(業界では便器の数は1穴2穴と数えるそうです) 今の国立は575穴くらいなので埼スタは倍以上のトイレを持っています。 15分以内というのはサッカーのハーフタイムの時間で、埼スタで観客が4万人越えだと本当にハーフタイムいっぱいトイレで並ぶことになります。 計算だと埼スタは6万人規模だから45人に1穴となります。 コレを新国立の8万人規模に置き換えると1800穴必要です。 これで15分かかるから半分の時間ですますには倍の3600穴は必要です。
8万人が席に着くということは8万人が席を立つということです。 そうするとスタジアムの通路には8万人を受け止めるだけのコンコース(廊下のような部分)が必要です。 大きい大きいって言われますが、ここをケチると安全上も問題があります。 満員の時や緊急時での動線の確保は重要です。 
観客席の差はスタジアムの評価に如実に現れます。 妙に座り心地の悪い椅子やSA席でもピッチが遠いんどがっかりなスタジアムも多いです。 観やすいというか快適なスタジアムは豊田スタジアムが1位でしょう。 屋根の支柱が建物の外に有りスリ橋のようにワイヤーで吊っているので視界が遮られません。 椅子の大きくヒーター内蔵で冬でもあったかです。 座席のひな壇はちょっと怖いくらいの傾斜です。 観やすさ重視の設計だと思います。 残念ながら埼スタはロアーは観やすいけどアッパーはピッチが遠くて背番号も見えません。
売店はイベント開催時にしか営業出来ないので仮設っていう発想でしょうが、恒久的にイベントをする目的なんだから常設スペースを初めから作っておくべきでしょう。 8万人がコーラやビールを買うんだから。 埼スタは多の開場に比べてコーラを売るお店の手際が一番いいような気がします。
会場前の待機列を作る場所は、新国立の計画の中で誰も検討していないような危惧があります。 今までは国立のへりにある明治公園の石がごろごろしてる所とフリマを開いてる所に並んでいました。 新国立の計画ではこの両方が建屋に含まれちゃっています。 出来れば敷地の中に待機列のエリアを設けて欲しいです。

 新しいスタジアムに求めることはこれくらいです。 それは地域の歴史でも東京の景観を守ることでも緑化でもありません。 そもそも競技場にそんなモノを求めるほうが違和感を感じます。 
「新国立競技場の高さは高い所で70メートル。 上空から見た斬新なデザインは地上に暮らす人々には何も関係ない。 人々が目にするのは、空高く伸びるコンクリートの壁である」 巨大なコンクリートの壁が出現しちゃって地元の人たちの景観を脅かすという意見です。 でも、ここってわざわざ行くような場所でもないようなところです。 この外苑西通りは渋谷と新宿間の明治通りのウラ道敵な要素があってよく走るんですが、日中はあんまり人が歩いてるようなところでもありません。 イベント開催日でもなければ電車にのってわざわざ来る人だっていません。 今の国立の建物がとくに美しいとか残すべきだとか言ってる建築家も文化人もあんまりいません。 ここが外苑という重々しい名前で、大正時代からある制度なのに誰も知らなかった風致地区に指定されていたから騒ぎになったような気がします。 日本中の文化人たちが日頃行ったこともない国立競技場の景観を心配してくれてるんでしょう。 だったら地元の町内会で集まって決めればいいのにね。
サッカーファンの意見ばっかり言っちゃいましたが、新国立は陸上関係者にとってはあんまり意味のないスタジアムです。 スペースの問題でサブトラックが作れないから国際大会(スーパー陸上とか)はもちろん、高校総体や全国中学生大会も開けません。 これはザハさんのデザインがへんてこなせいではなくて、初めから判っていたことです。 今のスーパー陸上を国立でやらないのは開催条件を満たしていないからです。 オリンピックの誘致に関係なく国立の老朽化は問題になっていました。 オリンピックがなかったら7万人規模の球技専用スタジアム「新国立球技場」になったのかもしれません。
サブトラック問題は東京体育館か神宮球場をぶっ壊せば作れなくもないです。 体育館はオリンピックまでにいくらでも作る予定だろうから1個壊しても平気かも? ソレだと千駄ヶ谷駅の駅前にサブトラックがあってメイン会場のほうが駅から歩くことになっちゃいます。 神宮球場こそが移転すべき老朽化問題だと思います。 自分は行かなくなって10年以上経ってますが、当時でも酷い状態でした。 そもそもプロ野球の標準規格?に合っていない球場です。 移転した日ハムや球場を改装した広島のようにヤクルトも新たな道を間が会えるべきです。 リーグにとっては弱いことがお荷物なんじゃなくて、変わろうとしない無責任さがお荷物なんだと思います。 文化人たちは「神宮球場と言えば早慶戦」などと言って歴史的建造物とか騒ぐんでしょう。 しかし、神宮球場をどうするかはヤクルトファンが決めることであって、応援するチームも持てないような学者風情が口出す問題じゃありません。
「あのヘンな屋根はいらないんじゃないか?」っていうのが一般の人の率直な感想だと思いますが、屋根がないと騒音の問題でコンサートが開けないそうです。 騒音というと浦和サポーターとしては申し訳ない気持ちになっちゃいます。 オリンピック後はサッカーの代表戦とJリーグ、ジャニーズたちに貸すくらいしか使い道がないので全天屋根はマストだそうです。 自分もたまにしか行かない国立の試合は屋根付きのほうが嬉しいです。 しかしピッチの芝生のためには屋根はじゃまです。 そこで開閉式屋根が必要になりました。 結局はザハさんでも槇さんでも開閉式を作らざる得ないのだから、かかる費用は同じようなモンなんでしょう。

 以前から「陸上競技場ってどーして建物がねずみ色なんだろう?」って疑問でした。 たいていがコンクリートの打ちっ放しなので、最初は真っ白ですが数年でに済み色にくすんできます。 東京ドームも巨大スタジアムで白い建物ですが外壁にパネルを張ってるからねずみ色になっていません。 日産スタジアムも巨大なコンクリ色の塊です。 日本で外壁を張らない建造物って競技場だけじゃないのかな? 公共施設だからっていうのは関係ないと思います。 地方の巨大な庁舎や無意味な巨大ホールにだって綺麗な外装が施されています。
開会式を新国立でやるのなら千駄ヶ谷駅を改装しないと8万人に対応出来ません。
そもそも国立競技場ってどこの管轄なんでしょう? ざっくり文科省の持ち物って想像出来ますよね。 管理運営しているのは独立行政法人日本スポーツ振興センターというところです。 聞いたことがある名前ですよね。 TOTOやBIGの胴元の組織です。 前身は昭和30年設立の日本学校給食会という?な組織でした。 昭和57年に日本学校健康会に変更、昭和61年に日本体育・学校健康センターに変更して日本学校健康会と国立競技場が統合しました。ここで国立が出てきます。 その後、日本スポーツ振興センターになってTOTOが始まって現在に至ります。
ちょっと気づいた方もいるでしょうが、TOTOの売り上げって日本スポーツ振興センターに入るんですよね。 だったらその売り上げを新国立の建築費に使えばいいのではないでしょうか? そもそもサッカーのクジなのにサッカーには使っていないで学校の芝生化にばっか情熱を燃やしている団体です。 校庭が芝生になっちゃったら管理が大変だってことが何でわからないのかな? 2010年度の売り上げが848億円、2011年度が827億円、2012年度が861億円。 びっくりするほど儲かっています。 しかも独立行政法人なんだから“利益を出して天下りの役員が私腹を肥やすのが目的ではない”ので売る上げは全部国民の幸せのために使い切っちゃってイイお金です。 3年間の総額が2536億円です。 あら?「計画縮小で床面積25%削減 建設費1785億円」がまかなえちゃいます。 目的通りにスポーツ振興に使うんだからなんの問題もありません。
でも、自分はもっとおいしいお金の出所を知っています。 11月7日の日記でやなせたかしさんの訃報記事を書きました。 このときはあまりにも下衆なはなしだったので書きませんでしたが、ここだけの話やなせさんには受取り手のない遺産が400億円あります。 このままだと知らない親戚にいくのか国庫に入っちゃって役人の飲み食いに使われちゃうかでしょう。 だったら全額を国立競技場に寄付してもらって「アンパンマン・スタジアム」って名前にすればイイでしょう。 開閉式の屋根が衛星軌道からも見えるアンパンマンの顔で、外壁には仲間のキャラクターが全員描かれています。 子供も大喜びです。 もし、そうなったら自分も率先して反対活動に参加したいと思います。

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