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2019-01

西野カナの取説 - 2019.01.25 Fri

西野カナさんの活動休止についてのアレやコレや・・・

 年末の紅白にも元気いっぱいに出演されていた西野カナさんが、年明け早々に無期限の活動停止を発表しました。自分は紅白より格闘技のほうを観ていたので、西野カナさんが元気に歌っていたかどうかは未確認ですが、もしかしたら自身最後の紅白に感極まるシーンがあったのかも知れませんね。突然の活動休止発表にいろんな憶測が飛びかっているいるようですが、自分は一二を争う芸能オンチなので、活動休止に至った事情や真相はわかりません。長年のファンのコメントはまだしも芸能記者や裏取りのアヤシい事情通のコメントなど、憶測に過ぎないのでスルーしたほうがいいみたいです。
それでも紅白9年連続出場は平成生まれの女性ソロ歌手では史上初の偉業だそうです。ビックネームな歌手やヒットソングを出してる歌手は沢山いますが、活動10年ずーっと第一線で売れている歌手は希有な存在です。
自分は積極的に西野カナさんの曲を聴こうと思ったことはありません。とくに西野カナさんが嫌いとか音楽性がどーとかいう理由はないんですが、強いていうのなら西野カナさんは自分向けに曲を歌ってるわけじゃないからでしょう。自分は西野カナさんが設定している対象年齢に入っていません。
西野カナさんの楽曲は女子中高から女子大生、OL3年目くらいまでが対象年齢です。当然ながら全ての曲は女の子向けなので「この歌詞はオトコには納得いかん」とか「あんな夢見がちな歌、聴けるかよ~」という意見はガン無視です。「西野カナの歌詞に共感できるオレってフェミニン」っていう男子もいそうですが、そーいうタイプのオトコは彼女の作品の中の男の子像ともかけ離れています。西野カナさんはそもそも万人に受け入れられるつもりはなかったんでしょう。紅白曲の「トリセツ」の歌詞を男性サイドが考察してますが、女性からすれば「うるせーよ、バ~カ」ってモンですね・・・

 そんな自分でも西野カナさんがだいたいどんな曲を創ってるのかはイメージできます。『会いたいのに会えなくて、ケータイの充電がなくなっちゃう・・・』ような歌ですね。 あくまでもイメージなのでCDを聴き込んでいる人には反論多数でしょう。調べてみたら最近の西野カナさんは『会えない』とか『ケータイ』とかは歌わなくなってるそうです。自分はデビュー当初の「会えないことにこだわり続ける」西野カナさんの歌詞を評価していました。J-POPの歌詞がドレもコレも「永遠に君を守る」とか「君とで会うことが運命だった」というフワっとした曲ばっかりという印象でした。あと「花を咲かそう」や「一つだけの花」といった園芸ソングなどなど・・・
西野カナさんの「会えない・・・」という叫びはJ-POPにありがちな薄い決意表明ソングに比べて具体的なストーリーがあると思いました。西野カナさんの恋愛観というのは精神世界の中のフィクションな繋がりや、何の担保もない上っ滑りな約束とか誓いの言葉ではありません。
西野カナさんのパブリック・イメージ(風評)は恋多き女とか恋愛ハンターです。西野カナさんはどちらかといえばアイドル-POPになるようですが、どこぞのアイドル団体のような恋愛禁止とかいう売り出し方はしてないようです。所属事務所は思うところもあったでしょうが、それぞれ浮世を流しながらも人気に影響がなかった珍しい女性シンガーです。
スキャンダルが売り上げに影響しなかった理由は、西野カナさんがターゲットがアイドルオタク等の幻想世界の住人な男子ではないからです。逆に恋愛の教祖さまが清廉潔白でどーする?ってことでしょう。例えば雑なハナシですが恋愛教祖の元締め的な存在のユーミンが処女だったとしたら、彼女の書く恋愛ソングに説得力があったでしょうか?処女性を打ち出すよりも「カナの経験では、こーいうオトコは・・・」っていうリアルさを西野カナファンの女子は求めてるんでしょう。西野カナさんの恋愛報道をすべて「仕事のスタッフと一緒に食事をしただけ」と信じてる男子がいるのなら、ソレもアイドルファンの王道でしょう。しかし、西野カナさんはそーいう人に向けて歌を作っていません。


 無期限の活動休止に話を戻しますと、いろんな憶測は大きく分けて三つになるようです。

その1 歌唱力の低下?

その2 結婚秒読み?

その3 10代の女子からの共感に限界?

 すべて憶測なんですが、ネットで拾った意見はだいたいこんな感じでした。その1の歌唱力の低下というのはデビューから聴き続けてきたファンにはシビアに判っちゃうモンなんでしょう。共感ソングの大御所であるドリカムの美和さんですら、「最近、歌唱力が落ちてないかい?」って囁かれちゃうようです。ドコがどう落ちてるんか?って思いますし、フルパワーで絶叫してる時の声のトルクのスゴさは同世代のロックシンガーでも美和さんに勝てる人は限られています。
しかし、多くの歌手が10年~20年のキャリアの中で声質や音程が変わっちゃうことに苦しんでるようです。一番悲しいのは最大のヒット曲がデビュー頃に作った楽曲で、みんなが聴きたいのがその曲なのに今では当時の譜面では歌えない歌手のかたです。ユーミンのスゴいところは当時から自分では歌えないような譜面を書いていたことでしょう。自分が歌うには大変すぎる曲が多かった印象です。だからユーミンの曲はライブよりも音源で聴くほうがしっくりしますね。
その2の結婚秒読みというのはちょっと盛った言い方ですね。西野カナさん自身にやりたいコトがたくさんあるようなんですので、一概に「すわっ、結婚か?」っていうのもネットや芸能誌敵な思考ですよね。コメントでも恋愛とは言わず「旅行や、やりたいコト」ってあります。しかし、海外旅行だったら有給とればいいのに、退職してまで行くとなるとおやっ?ってなります。
例えば西野カナさんの客層が“俺の嫁”的なアイドル・オタクだったら、活動を自粛してほとぼりを冷ましファンの目が次の子に向いたな結婚してベテラン本格派歌手という謎の称号で再起すればいいんでしょう。結婚~出産からの引退という可能性も言われていますが、これだけ売れる曲が作れる能力をそう簡単に捨てるとも思いにくいです。
その3の10代の女子から共感される歌詞を書くことが辛くなった説ですが、自分はコレじゃないかな?って思っています。去年の暮れにテレ朝系の『感ジャム完全燃SHOW』という番組で西野カナさんの楽曲の秘密を解明していました。自分が観るテレビ番組はかなり限られているんですが、「関ジャム」は音楽(主にPOPS)をミュージシャンや音楽ジャーナリストを迎えて、関ジャニのメンバーへテクニカルな解説をする番組です。音楽を志している人もそうですが、音楽に縁がない人にこそ音楽の面白さが伝わる番組です。俳句の「プレバト!!」と音楽の「関ジャム完全燃SHOW」は専門外の人が楽しめる専門的な番組です。
この番組で西野カナさんは作詞の仕方の手の内を相当ぶっちゃけちゃっていました。あまりのぶっちゃけぶりにファンの間でも「作詞はビジネスライク」とか「マーケティング作詞法」など騒然となったようです。今思えば、この番組を収録してるときには休業を決断していたんじゃないのかな?


その賛否両論だった西野カナ式作詞法とは・・・?

企画書 (曲のコンセプト・設定など)
 ↓
一旦 詞を書き出す
 ↓
アンケートや友人取材(共感性を意識して歌詞を添削)

この作詞法はアーティストの心の中に湧き上がったインスピレーションを歌詞に昇華させるというイメージとは対照的なモノでした。西野カナさんの内なる想いなんかほとんど無く、企画で作った曲のアウトラインに、アンケートでリサーチしたディテールを調整するというモノでした。紅白で歌った「トリセツ」では歌詞に出てくる女の子を扱うトリセツの部分は、西野カナさんの友人、職場仲間からアンケート用紙で回答を集めたシチュエーションを使っています。原理は多数の恋愛感情を集めてその多数意見をい歌詞にするから共感率がおのずと高くなるということです。例えば自分が大好きな老舗の和菓子屋の社長に「ウチの商品は工場で一貫生産しれますから」って言われた感じでしょう。そのシステマチックな方法に「売れればいいのか?」っていう見出しがつくのも理解できます。
自分はこの作詞法を観たときに西野カナさんが売れる理由に合点がいきました。西野カナさんの作詞法って、基本的な考え方がマンガの描き方と同じだったんです。「トリセツ」の歌詞のアイデアは全てが西野カナさんの知人たちが考える「女の子を扱うためのトリセツ」でした。他の楽曲でも多かれ少なかれリサーチしたアイデアを使って歌詞を書いてるとのことでした。
そりゃファンがこの番組を観たら「自分で考えた歌詞じゃないんか!」とか「それってアリなの?」って感想もごもっともです。番組中でも「みんなは西野カナさんじゃなくて、その友達の人に共感してたんですね・・・」ってツッコミされてました。

      西野カナ トリセツ JPEG

シンガーソングライターと定義は人によってもそれぞれですが、「自分の言葉」とか「自分のメッセージ」とかは70年代くらいまでは重視されてきました。それは過去に歌謡曲を牛耳っていた作詞家先生に対するアンチテーゼでもありました。そーいうアマチュアイズムは小室哲哉さんや小林武史さんらが払拭しました。彼らはヒット曲を出すノウハウを完全に確立していましたから。
音楽プロデューサーは楽譜も話になっちゃいますが、売れる売れないに作詞のウエイトが高いのは確かです。ミュージシャンが自由に言葉を選んじゃうと往々にして「何言いたいのか、さっぱりワカラン」という感じになります。とくに永遠の真実を探してるような歌詞は「この人は本当に永遠を信じてるの?」って心配になったりします。
それでも西野カナ式作詞法はグレーゾーンっていう感じで納得いかないですよね。自分が納得できたのは『集めたネタは人任せですがそれを取捨選択しているのは間違いなく西野カナさん自身』だからです。極端に言えばその取捨選択の作業こそがソングライターの仕事とも言えます。言えなくもないかな・・・?
特筆されるべきなのは西野カナさんは10年間このやり方で売れ続けたことです。J-POPでヒット曲がある人は多いですが、そのヒット曲だけが代表曲という歌手も多いですよね。ヒット曲を出すのも難しいですが、大変なのはそのヒット曲歌手を継続させることでしょう。マンガ家でも何となくベストセラー作家になった巨人の人も、大変なのは2作目をどーするかです。ファンはその歌手の楽曲を好きになってくれてますが、そーいうレベルをヒットとは言いません。ファンが好きな曲を創ることとヒット曲を出すことは別モンです。ヒット曲は固定のファン数以上に売れなきゃなりません。

 西野カナさんの休業宣言の動機のその3『10代の女子からの共感に限界』ですが、この理由は少女マンガ家のイメージと合致します。少女マンガ家は少女向けにテーマやストーリーを作りますが、連載中に読者も成長して少女ではなくなっちゃいます。読者の成長に合わせて作品の内容をオトナ向けにシフトしていくか、固定ファンを切って新たな少女向けを新連載するかの選択になります。描き手のマンガ家も10年も続ければ大人になるので、少女っぽいストーリーに自分らしさとかメッセージが込めにくくなってしまいます。女性誌にはオトナ向け作品でデビューする人も多くいるので激戦区でもあります。少女マンガで成功した人ほど画風が女性誌向きではなかったりするので、「りぼん」の大御所作家の吉住 渉さんや水沢めぐみさんのように、少女マンガのタッチのまま女性誌で描いているヘンテコな感じになってたりします。
「関ジャム」の番組内で西野カナ式作詞法を自身で解説したのは、彼女がもう10代向けの恋愛ソングを作る気がなくなったからだと思われます。最大の企業秘密をぶっちゃけちゃったんだから「もう何で私のことを知ってるの?」っていうくらいの共感ソングを作るのは難しいでしょう。聴く側に手の内がバレたんだから・・・
今、聴いてくれてる女の子がオトナになるまで活動を休止して、全員が「りぼん」を卒業したころに年齢相応の曲を書いて復活する計算でしょう。これだけのソングライターの資質があるんだから廃業するとは考えにくいです。もしくは竹内まりやさんのような楽曲提供者に徹する可能性もあるでしょう。その場合は西野カナソングを歌うに相応しい女の子が歌うのだから、ビジネス作詞法のか陰口をたたかれることもありません。だって作詞家になればそれは商売(ビジネス)なんだからね。


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