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2016-10

ラブストーリーは久々に - 2016.10.14 Fri

高橋幹子さん原作、ただりえこさん作画の「東京シェアストーリー」です。

 東京シェアストーリーと聞くと柴門ふみさんの代表作「東京ラブストーリー」のパクリか?って思いますが、ドラマ版の方に引っ張られてるのであって柴門ふみさんのマンガにはまったく関係ありません。 ましてやドラマ版のコミカライズでもありません。 このマンガはアラフォー女子が女性限定のシェアハウスを始めるストーリーで、入居条件の一つに青春時代ドラマの「東京ラブストーリー」にはまった人という項目があるというお話です。
原作の高橋幹子さんは本来マンガの原作者ではなくてドラマの脚本家です。 ドラマっていう肩書きなのに代表作はアニメの「ちびまる子ちゃん」や「おじゃる丸」ということなので、あんまりメジャーな脚本家ではないようです。 作画の ただりえこさんもこの作品以外にとくに代表作っていう表記が見当たりませんでした。 絵のタッチは少女マンガというよりも女性誌にありがちの画風で、目がちょっと大きめなのか年齢があんまりアラフォーに見えないのが気になるトコです。 業界ルートで余ってる脚本家とぱっとしないマンガ家をマッチングしたのかな?って印象ですね。

 この作品では東京ラブストーリーがアイコンとして使われています。 本家の東京ラブストーリーは自分の記憶ではラブストーリーとしては消化不良な感じのドラマでした。 リカ=ティンカーベルとさとみ=ウエンディの戦いで、ウエンディのほうが勝っちゃうドラマなんですが、ドラマの前半の展開ではリカとカンチのバカップルでいーじゃんって思ってました。 柴門ふみさんの原作ではさとみエンドなので原作通りなんですけどね。 
実のところ、柴門ふみさんのマンガ版は読んでいないので詳しい展開は知らないんです。 柴門ふみさんは80年代は雑な作画の雑な青春マンガを描いていたんですが、90年代になると恋愛の教祖サマに祭り上げられていきました。しかし柴門ふみさんの語る恋愛ドラマの定義のようなモノに共感できず読まなくなっちゃいました。柴門ふみさん以外にも作者の考え方やマンガとしての手法に共感できない理由で読まないマンガ家は有名どころでは新井英樹さん、浅野いにおさん、浦沢直樹さん、高橋しんさん、曽根富美子さん、さそうあきらさんなどなど。 マンガのテクニカルなレベルではなく作風(画風ではない)が受け入れがたいマンガ家さんです。 
柴門ふみさんは男性向けマンガを描いていたんですが、優しくてムネの大きいご都合なヒロインを描かない作家でした。 絵が下手っぽかったのでそーいうキャラに説得力がなかったのもあります。 本当の恋愛とは不倫も男女の騙し合いも妊娠や中絶も全部あるんだって描きたかったんでしょう。 それは現実社会ではそうなんですが、それは正しい恋愛ドラマだって言い切ることが飲み込めなかったんですよね。恋愛で苦しむコトがリアルな恋愛ドラマだっていう要素と、恋愛テクニックや駆け引きを重視したゲーム性が恋愛モノのすべてじゃない気がしてました。 ちょうどこの頃から新たにリリースされたユーミンの曲にもシンパシーを感じなくなっていきました。 

 ブログ画像 東京ラブストーリー JPEG2

 「東京シェアストーリー」は東京ラブストーリーの続編とかスピンオフといった直接関係のあるお話ではありません。 続編は柴門ふみさん自身が描いていたと思います。 このタイトルの出どこは主人公がテレビドラマのシナリオライターという設定で、シェアハウスを作る際に入居の条件のひとつに『青春時代、ドラマ 東京ラブストーリーにはまった人』ということからです。 原作の高橋幹子さんがドラマの脚本家なのでまんま当人の設定のマンガですね。 シェアハウスは恋人ナシ(結婚未定)のアラフォー女子たちの互助会っていうイメージで描かれています。 
1巻目の背表紙のキャッチに『現代に生きる女性の強さや切なさ、そして誰かと生きる楽しさが詰まった話題作』って書いてありました。 てっきり結婚がオンナの幸せとかゴールとか古い考えを蹴とばしてる主人公が、世間の常識的な価値観から外れた同居人たちとシュアハウスという新しい価値観で生きていくってお話だと思っていました。実際のストーリーは将来への不安におびえ続ける主人公の結婚願望があまりに強くて、自由奔放な生き方とはかけ離れたマインドのマンガになっています。 作品のテーマが将来への不安を払しょくできないアラフォー女性のリアルな現実っていう感じです。 入居条件が未婚というのも『結婚したい生き方を選んだ女子』っていうイメージなのかなって思っていましたが、シェアハウス主催者の主人公自身が「目指すは寿退会」って言ってるんだから。
東京ラブストーリーは帰国子女でリベラルなリカと保母さんで保守本流なさとみがカンチを取り合って、結局は安定志向なさとみが勝つというお話でした。 リカタイプはさとみタイプに勝てないというか、さとみこそがオンナの幸せを手に入れられるっていう教訓だったのかもしれません。当時のファンだった女子の多くが現実派のさとみ支持だったのかもしれませんが、キャラとして魅力あるのはリカのほうでした。 要するに織田裕二が最後までヘタレっていうドラマだったんですけどね。

 アラフォー女子が集まってのんきに暮らしていけるほど東京は優しい街ではないのかもしれません。 生き方を選べるということ自体がドリームなハナシです。 でもマンガはどちらかといえばドリームなストーリーが向いています。 それは読者がマンガ読む時は最小単位の個人だからです。 個人が布団の中で一人で読むのだから、夢物語でも理想的な展開でも許されちゃうモンでしょう。 しかしテレビドラマだと破天荒な展開やドリームなシナリオは、現実離れとかあり得ないといったクレームがすぐに来ます。 それはテレビが社会的なメディアだから視聴者が社会的な視点?でジャッジしてるからでしょう。 
この作品はアラフォー女子がいかに社会で厳しい状況に置かれてるのかを、まるでNHK特集かのように描かれています。 その厳しさは現実の未婚アラフォー女子への問題提起になるのかもしれませんが、シェアハウスという言葉の響きから想像する楽しさやお気楽さは作中からは感じられません。 お気楽に生きてるコトが独身女子の厳しい環境を描くことと相反するとも思いません。たとえば鴨居まさね さんが同じ設定でマンガを描いたら、もっとお気楽で楽しい作品になったんじゃないかな。同居人のキャラ分けもマンガというよりもテレビドラマの域を出てないって感じだし…

 せっかくドラマの脚本家が原作なんだからマンガ家が不得手な人情ドラマに寄せちゃったほうが意味があったような気がしますね。


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