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2016-09

次週作者取材のため - 2016.09.16 Fri

神の左 山中慎介が11度目の防衛成功。日本最年長 長谷川穂積が5年ぶり王座返り咲き。

 久々にスカッとしたボクシングを観ることができました。 この試合がラストチャレンジと言っていた長谷川穂積も9ラウンド対戦相手のルイスがギブアップし見事にTKO勝ちしました。 中山慎介はお互いのボコ殴りから一方的なボコ殴りで7ラウンドTKO勝ち。 ボクシングファンにとっても相当な好試合だったようですが、自分のようなニワカファンにとってもテレビの前でシビれる夜をすごせました。 両試合ともダウンや立ち上がり有りのパンチがちゃんと当たるボクシングでシロウトにも楽しめる試合でしたね。ボクシングの何が楽しいのか?って聞かれたらこの2戦を観せれば理解してもらえると思います。 それくらい一般の人のボクシングに対するイメージはパンチが出ない(当たらない)最終ラウンドまでポイントの勘定ばっかしている(判定に持ち込む)などです。 リングをグルグルしてるっていう印象で観ていてもそんなにスカッとしないことのほうが多いんですよね。 冒頭の「スカッとした」っていうのは苦節5年とか引退?とかサイドストーリーの煽り無しで、たまたまテレビで試合を観ていただけで伝わるモンでした。自分は一定以上の選手の裏事情をスポーツ観戦時に持ち込むことは、試合そのものの興味を削ぐような気がしています。 そーいう事情は試合後にNumberを読めばいいんじゃないかな?
この流れでもう一人の気になるボクサーが、現WBC世界ランキング7位の幕之内です。 日本王座を8度防衛してタイトルを返上。 しかし先日、同2位のゴンザレスにノンタイトル戦でTKO負けし周囲からも限界説が流れているようです。 矢吹や堀口以来のボクシング界の逸材で久々に世界を狙えると思われていた幕之内も、実質キャリアは27年にもなるのですが一向に世界戦へ挑戦がありません。 最近ではデビュー前からのオールドファンはすっかり見限っちゃっている印象ですね。

 これはマンガの「はじめの一歩」の話なんですが、いかんせん少年マンガ特有の連載が長いという問題なんでしょう。 前々回でこち亀が連載40年200巻という偉業についての記事を書いておいてナンですが、個人の見解でマンガの長期連載には否定的です。 自分はストーリーは本来「完結を持って良しとする」と思っています。 大好きな作品は永遠に終わらないで欲しいのではなく、完結して新作も大好きな作品にするように努力して欲しいんですよね。長編って終わらないってことではなくて読み切り短編よりも長いストーリーってことです。
はじめの一歩が冗長な原因のひとつには森川ジョージさんの「登場人物全員が主人公」というテーマのために、一歩の試合以外の話数がやたらと多いということでしょう。 ボクシングに関わるすべての人たちにスポットを当てるというのは聞こえがいいが、一歩を完結させてから新連載で鷹村を描けば、時系列を壊さずにいろんなタイプのボクシングマンガを描くことができると思います。
10年も経つとその作品を追っている(購読してる)ファンの中でもつき合いきれなくなっちゃいます。 新規のマンガファンもすでに100巻出てるから1巻から買ってねというのはムリでしょう。 
しかし、最近のはじめの一歩がつまらないという風評が広まってる原因は展開の冗長さだけでは無いと思います。 オールドファンが離れだした最大のい原因は幕之内がゴンザレスの負けたからです。 

 幕之内の対戦成績は23勝2敗 内 23KOで、伊達英二とゴンザレスに負けただけです。 伊達戦は千堂戦とならぶ名勝負でした。 伊達戦は日本フェザー級タイトルをかけた成長期の幕之内がどこまで強くなったのかを示す敗戦でした。 しかし、直近のゴンザレス戦の敗戦は幕之内が通用しないということを示す敗戦です。 そもそも幕之内と対戦するしないの宮田問題あたりで、宮田戦をクライマックスと信じていた連載1話からマガジンを読んでいたファンを失望させてました。 森川ジョージさんが描きたいのはボクシングにまつわる様々なエピソードで、主人公が負けるコトも見失うことも込みでボクシングなんでしょう。 ステレオタイプに生玉子を飲んで特訓すればチャンピオンになれるようなボクシングドラマは描きたくないんだと思います。 でも主人公が負けちゃダメだったんですよね。 
森川さんはドラマの展開の都合で負けさせちゃったんですけど、後楽園ホールの観客はそれで納得できるんでしょうか?ネットではじめの一歩の着地点が話題になっていますが、マンガのクライマックスを心配するのはマンガファンだけです。 多くの一般読者は幕之内が勝ち続ける幕之内を応援していなんだから。 勝ちゃいいというのは森川式ボクシング群像劇の魅力を理解していない読者かもしれません。 しかしボクシングが好きだからはじめの一歩を読み始めた人なんてほんの一握りでしょう。 多くはたまたま観た山中慎介の試合で「さすがは山中の左」とか薄っぺらい歓声を上げてる人々です。 ボクシングマンガを支えてるのはニワカなボクシングファンたちでしょう。 誰もがはじめの一歩を読んで足の親指とかスクリューブローとか覚えたんだから。

 作者がボクシングの悲喜劇を丁寧に描くというコンセプトだとしても、多くの読者は強い幕之内に惹かれて読んでいたんでしょう。 格闘技の世界は勝った者だけが認められる世界です。 ショー要素が強ければ別ですがリアルに戦う競技では負けたほうに肩入れして応援することはありません。 ボクシングは必ず勝者と敗者がいるので敗者もまたボクシングですが、それは読者が望んでいる展開ではありませんでした。森川さんは 勝っても負けても幕之内を応援してくれると高をくくっていたんでしょうけど、実際の読者は敗者には手のひら返しで去って行きます。 
幕之内の敗戦以外にも鷹村の網膜剥離疑惑や幕之内のパンチドランカー疑惑、会長無能論など、ドラマへの興味を削ぐようなアイコンがたくさん出てきちゃっています。スポ根モノなのに都合よくサクサク勝ち上がっていく作風もあれば、主人公はがイバラの道をじっくりと進む作風もあります。 でも一般のファンがボクシングという競技に求められてるモノは、圧倒的に強くサクサク勝ち続けるヒーロー像です。今後の展開は幕之内の精神的な復活と正当なマッチメイクが期待されるんですが、一度離れたファンをまた会場に集めるのは至難なことでしょう。 マンガは面白いっていうウワサで途中から読み始めることはあっても、読むのをやめた読者が再び読み始めることはほとんどありえません。 こち亀の連載終了騒ぎでマンガを描き続けることの苦労や偉大さが世間にクローズアップされていますが、マンガを読み続ける読者のほうも大変な労力なんですよね。


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