topimage

2015-05

体脂肪率 信じる? - 2015.05.21 Thu

ガンバ大阪 宇佐美貴史選手の体脂肪率問題について。

 前回の日記で自分は歴史の授業が嫌いだったと書きましたが、なんと数学も嫌いだったのです。 漠然と数字が苦手というよりも割り算が嫌いだったんですよね。 割り算の計算が理解できなかったのではありません。(一応計算は人並みに解けました) 算数の授業中に分数とかパーセントという「割り算の概念」が怪しいことに気づいちゃったんですよね。 この怪しさはその都度、先生や親に訴えてきました。 世の中というモノは割り算を信じる傾向にありますので、自分がいくら「割っちゃダメ」だよ」って言っても多くの人々は物事を割り算で説明しようとします。 人は何かを説明する(噓をつく)ときに、必ずといえるほど割り算を使います。 正しいデータでも割ってしまうと意味の分からない数字になっちゃいます。 しかしこの“意味の分からない数字”を用いることで、人々はデータを言い出す人のことをたやすく信用しちゃう傾向があります。
学生時代は算数や数学は学校に通ってる間だけ辛抱すれば過ぎ去っていくモノだと思っていました。 しかし社会に出たあとのほうが本当に怪しい割り算はたくさん存在します。
例えば野球の打率で考えてみましょう。 打率.360 の選手と打率.185 の選手がいるとします。 次の打席でヒットを打つのはどっちの選手でしょう? 打率とは過去の安打数を有効打席数で割った値です。 3割6分の選手のほうが過去の成績が良いので彼のほうが期待が持てますよね。 しかしそれは「打ちそうな期待値」であって「必ずヒットを打つ」というわけではありません。 「必ず打つ」のなら科学ですが「打つ期待感が高い」だけでは思い込みでしかありません。 打率が教えてくれるのは今までの成績であって、これから起こる未来の成績は予想してくれません。 だって打率とは過去の成績を計算しただけだから。 1割8分の選手だって次は打つかも知れませんし、両者とも打たないかもしれません。 打率は年俸の査定には使えますが、打つかどうかを決定する指標ではないようですね。

 先日サッカー日本代表のハリルホジッチ監督が記者会見で、代表選手の体脂肪率を発表したことでちょっとした物議になっています。 ハリルホジッチ監督の言い分は「日本代表としてサッカー選手は体脂肪が11パーセント以下を求める、12パーセントを超える選手は6月の代表には呼ばない」という趣旨です。 だいたいサッカーというスポーツはは90分走り続ける競技なので、普通のプロサッカー選手は体脂肪率が高いということはあまりイメージできません。 無理やり体脂肪率の高そうな選手を思い浮かべてみてもコンサドーレ札幌の稲本選手(元代表)くらいしか浮かばないです。 それでもサッカー選手としてぽっちゃりな感じがするだけで、西武のおかわり君のようなアレとは違って一般青年の標準よりは体脂肪率は低いんじゃないのかな? 知らんけど・・・
この記者会見ではハリルホジッチ監督がテレビ中継に召集選手の体脂肪率の一覧表を写させちゃったので問題が大きくなっちゃいました。 大体の選手は合格ラインですが体脂肪率ワースト3位が日本でもっとも得点を挙げてる宇佐美選手(体脂肪率14.1%)ワースト2位が日本でもっともクロスの制度が高い太田選手(15.2%)1位は我が浦和レッズの絶対的エース興梠選手(16.4%)でした。
この面白ネタはすぐに広まって太田選手には「やせろバッシング」があったそうです。 太田選手自身のコメントは「前日に所属チームのFC東京で測定した時は9.4%だった」と弁明しています。 今回の会見以降に明らかになった事実は体脂肪計というモノは機種ごとに数値のばらつきがあるということです。 とくにアスリートは筋肉量が一般と違うので市販の体重計付属では計れないようです。 一番困ってるのはサッカー選手たちよりもタニタやオムロンなどのデジタル計りのメーカーでしょう。 とんだとばっちりですね。 ただ太田選手の顔は9.4%の顔かな?って思ったりもしますけどね。 顔で判断するのもなんですけど。 宇佐美選手のほうが深刻です。 彼の若奥様が甲斐がいしく「ダイエットさせる」とかブログに書いて炎上したり、ガンバ大阪の長谷川健太監督が「宇佐美は無理なダイエットで栄養失調になってる」とか言っちゃって炎上したり・・・

 新監督は過激な表現や手厳しいコメントで注目を集める“炎上商法”的なタイプの監督です。 ジーコ~ザック~アギーレといったサッカー協会やスポンサーに協調的な監督とはイメージが違います。 賢いイメージのトルシエか明るい性格のオシムさんって感じかな? 浦和レッズの試合を高く評価してくれたりして「なかなかサッカーを知ってるじゃないか」って感じです(笑) でもなんで体脂肪にここまで固着するのかは疑問です。 世界標準のサッカー選手の標準が体脂肪率一桁なんでしょうけど、人種も違うだろうし個人の体質もそれぞれ違うだろうし。 過去の日本人選手が国際試合で通用しなかった原因が、あたかも体脂肪にあるみたいな言い方にも腑に落ちません。 前記の通り、数字データをかざして持論を唱えてる人の「この数字をみれば一目瞭然だろ」的な論旨がいかに怪しいか?って書きました。 この日本代表が用意した体脂肪率のデータそのものの信憑性からして怪しいです。
体脂肪率というのは体重の中で脂肪がしめる割合です。 普通の体脂肪をはかる原理は身体に微弱な電流を流して電気抵抗値を計測して判断します。 タニタのHPに詳しい説明がありました。

『脂肪はほとんど電気を流しませんが、筋肉などの電解質を多く含む組織は電気を流しやすいという特性を利用。 電気を通す筋肉組織はその太さ(断面積)により電気抵抗値が異なり、断面積が大きいほど電気抵抗値が低く断面積が小さいほど電気抵抗値は高くなります。 電気を通して判明した電気抵抗値と予め入力された身長から筋肉組織の長さを割り出し、太さと長さを組み合わせることで筋肉量を計算。 ここで割り出された筋肉量と測定した体重、入力された情報とたくさんの統計データからどれだけの脂肪が身体についているのかを推定する』(タニタ HPより抜粋)

 なんだか理科っぽくて意味不明な感じですが、頭の良い科学者や技術者が考えたんでしょうね。 この説明の中で一部だけ理科っぽくない説明があります。 それは『入力された情報とたくさんの統計データから推定する』という部分です。 体脂肪計は機械内の大量のデータの蓄積と比べて「あなたの体脂肪は25%ですよ」って表示しているとのこと。 たくさんの体脂肪の統計データはどーやって集めたのかな? この統計データはメーカーごとにも製造年度ごとにも変わっていくモンだと思われます。 新機種のほうがよりデータが貯まってそうですから。 そうなると全ての体脂肪計が同じ値をだすことは“あり得ない”ということが想像できます。 協会の計測と所属クラブでの計測が違っていた太田選手の事例がコレです。 また鍛え上げたアスリートの筋肉と平均的な日本人の筋肉でも違います。 体脂肪計が判断できる(入力設定)要素は体重と身長だけです。 同じ身長でも筋肉の中身が全然違う場合は計測ができないので、高機能製品にはアスリートモードが設定されています。 これはアスリートはアスリートの統計で計算させるモードだと思われます。 しかし卓球選手と体操選手とラグビー選手と水泳選手と投擲選手が同じアスリートという枠組みで統計データがとれるのでしょうか? 本当に正確な体脂肪のはかり方はやっぱりアルキメデスのやり方で比重をはかるしかないようです。 しかし金に混ざり物が含まれてるかどうかは簡単そうですが、タンパク質や水、カルシウムなどの中から脂肪だけを分けて計測できるんでしょうか? 身体を全て溶かして脂肪だけを遠心分離機で取り出す方法だったら科学的なのかもしれません。

 体脂肪計に疑問が生じると12%という区切り方にも疑いが出てきます。 国が定める30歳未満の成年男子の体脂肪率の合格ラインは14%~20%です。 これだと宇佐美選手も太田選手も十分に少ないことが解ります。 しかしサッカー選手は一桁がデホで、長友選手クラスで初めて世界と戦えるっていうのは、どんなデータによるんでしょうかね? 前記の通りデータを出しなが説得(言いくるめようとする)人たちは、そのデータが何を集めて換算された数値なのかを説明しません。 ハリルホジッチ監督は日本代表にフィジカルの強さとスピードを求めています。 それを達成するのには12%では無理というジャッジが出ました。
もう一つ話題が一人歩きしたのが「体脂肪率が高いと怪我しやすくなる」という説明。 これも体脂肪率が上がるとどれだけの怪我が発生するのかの因果関係を明示しなきゃ納得できません。 だって体脂肪率自体が「たくさんの統計データ」によって割り出した数値なんだから、たくさんの怪我人のデータも必要でしょう? 一般論で体脂肪率が低すぎると骨折の危険度が増すようです。 さらに女子選手では体脂肪の低さよりも競技目的のダイエットによる骨折等のトラブルが問題視され初めています。 何より成長期の小中高生のアスリートはどちらかと言えば栄養失調気味です。 それは練習がハードすぎて通常の食事だけでは栄養の摂取が追いつかないからだそうです。 運動したパフォーマンスの結果が体脂肪に現れるのなら正当なんですが、体脂肪率を下げることを目的にしちゃうのは危険が伴うと思います。 宇佐美家のようにね。 今回のハリルホジッチ監督の記者会見は少なくとも宇佐美選手の奥さんにはまちがったアナウンスとして伝わっちゃったようです。 一般のサッカー少年や親御さんに体脂肪という流行語が間違った解釈で伝わっていないか心配です。

 体重70㎏の人の体脂肪12%は8.4㎏です。 これに体脂肪1%分の700グラムが増えることで、パフォーマンスにそれほど影響があるのでしょう? たとえ宇佐美選手がどんなに得点しようとも体脂肪率が14%ならば今後代表に呼ばないのか? ボディービルの大会だったらそれも納得ですが、サッカーの大会の選手は筋肉のつき方や怪我のしにくさよりもサッカーの技術で選んで欲しいです。 怪我しにくい体質の人を選ぶよりも、現在怪我していない選手を選ぶべきじゃないのかな? 歴代代表監督というかサッカー協会は怪我していても“特別枠”で呼んだりするぐらいでした。
同じようにデータで選考するなら体脂肪率なんか参考にしないで、『世界で闘うために身長185センチ以下の選手は呼ばない』というのなら納得できます。 これならとても戦術的な考えだからフェアな選考といえます。 そんな日本代表はまっぴらだけどね。

「ほぉ」って思ったら押してね

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

管理人のらいかです

マンガを描くという事を目標にして
マンガの描き方を考えるブログです
(ネタバレの可能性があります)

は記事の内容に「ほぉ」と
思えたら押して下さると嬉しいです

最新記事

訪問していただいた人数

月別アーカイブ