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2015-03

翔べ!安彦ガンダム - 2015.03.18 Wed

安彦良和さんの「 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 」 24巻 特別編 です。

 この「 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 」というマンガの作者の安彦良和さんは、初代ガンダムの作画監督だった方です。 彼は一番最初にモビルスーツを動かした人で「 地球での自由落下というやつは言葉で言うほど自由ではないのでな・・・」の時の赤ザクとガンダムが落っこちながら蹴り合うシーンの作画が安彦さんでした。 タイトルのオリジンってなんでしょう? オリジンで思い出すのはオリジン弁当ですよね。 ORIGIN は日本語では起源とか根源と訳されます。 要するにファーストガンダムののストーリーっていう意味合いなんでしょう。 お弁当屋さんは関係ないようです。

 この「THE ORIGIN」というマンガは2001年から角川の「 ガンダムエース 」で、10年間連載された1年戦争をオフストーリー満載の作品です。 安彦さんだから描けたというか、安彦さんだから描くことが許された作品だと思います。 創案者のグレート・トミノも小説版とか福井クンもユニコーンとかやっちゃってますが、彼らが動くとそのエピソードは“公式”として認知されちゃいます。 でも思いつきや勢いだけで新説を作っちゃうので作品の体系がメチャクチャになりがちです。 それからサードパーティーが推すキャラやメカなど・・・ 安彦さんはそーいう「設定のねつ造」には細心の注意を払いつつ、しかもファーストを暗記するほど観たファンにも「なるほど」と唸らせる絶妙なさじ加減のマンガです。
誰もがアニメ化を期待しながらも現在のアニメの状況ではこーいう企画は通らないような気がしていたと思います。 やるからにはファースト以上のボリュームになるはずなので、テレビ放映は1年以上の長期シリーズの尺が必要だから。 自分は視聴率やオモチャの売り上げに影響されないNHK BSでアニメ化すればいいのにって思っていました。 しかし安彦さんが選んだ方法はシャアとセイラの部分だけで劇場公開という手段でした。 これならサイド7への強襲以降のテレビシリーズの展開を繰り返す必要もないし、単なるリバイバルものではないので古参ファンも新規ユーザーも取り込める算段なんでしょう。

 30年ぶりのリメイクといえば思い出すのは出渕 監督作品の「 宇宙戦艦ヤマト2199 」があります。 この日記でも取り上げたのですが、初代ヤマトを観た世代とリメイクが初めてのヤマトの世代で評価が割れていました。 30年前と同じ作品にして欲しい旧作ファンと、同じ作品だったら作り直す必要が無いという新作ファンがわかり合えないんですよね。 「 ウチの子供は気にしないで楽しく観てます」という目から鱗が落ちるコメントもいただきました。 30年前でも現代でも、子供が楽しく観てるのならその作品は成功なんでしょうね。
ガンダムはヤマト以上に作品ごとのファンの思い入れが強いアニメです。 それだけ当時一世を風靡したということです。 しかし同じ時代に同じモノを観たハズなのに福井クンのユニコーンみたいにガンダムという世界観の消化のしかたがまったく違う人もいます。 教祖であるトミノ氏の「 Gのカラシレンコン 」のような誰かトミノを止めろよって作品もあります。 小さい子にはニュータイプの革新よりもプラモアニメのほうが人気を取れるんでしょう。 ガンダムが好きな人は多いけど全てのガンダムを認めている人は少ないんだと思います。 楽しめないのは個人の嗜好の問題だけど「アレは駄作」などケチを付け始めるのも良くないです。 そんな難しいというかファンがややこしいガンダムアニメを安彦版でリメイクするのは大丈夫なんでしょうか?

 アニメ版の「 ガンダム ジ オリジン 」はマンガ版が1年戦争のリメイクだったんですが、旧テレビシリーズで取り上げていない(昔は存在しない)エピソード中心のようです。 ザク開発秘話や幼少のセイラなど“マニア必見”の内容みたいですね。 いずれにしても何を今さらっていう印象は拭えないのですが、それこそORIGIN=起源なんでしょう。
そもそもガンダムがアニメでここまで評価された理由は従来のロボットアニメのセオリーをくつがえす作品だったからです。 主人公ロボも汎用兵器であってスーパーロボットではないし、主人公はネクラ少年でニュータイプというヒーロー属性でありながらストーリーの大局(戦争終結など)には関わっていません。 ドレンにしろマ・クベにしろララァにしたってたまたまこのドラマに関わっただけというスタンスです。 まだMSもパワー競争をしていなかったころです。 福井クンのUCガンダムは主人公ガンダムが発光する特別なロボットで主人公もそのメカに乗る選ばれたヒーローです。 それだけでも福井クンとファーストのファンとの間にズレを感じちゃうんですよね。 SEED系やOO系ガンダムしか観ていない若いガンダムファンへ宇宙世紀をつなげる役割は果たしますけど・・・

 今までは世代間による評価のズレは解決できない問題でした。 いい大人がガンダムなんか観なきゃいいと思いますが、ガンダムもヤマトもゴジラもウルトラマンも、いい大人が支えてるから興行的に成り立ってるようなトコもあります。 ガンダム ジ オリジンはどう考えてもファースト世代に向けて描かれたマンガだと思われます。 ならばアニメ化でも今風のアニメファンに媚びない“昭和のガンダムの底力”を見せて欲しいですよね。 特にMS 戦などをCGで逃げないで、板野一郎さんが全カット原画を描くとか・・・ むしろMSなんかちょっとしか出てこないくらいドラマ重視でやるとか。 表情や仕草を動画で表現することのほうが戦闘シーンに凝るよりも大切だと思います。 そのためには思い切ってR-30指定(30歳未満お断り)にしちゃうのはどーでしょう?

 

 今回のガンダムは安彦さんありきの企画ですですから「 安彦って誰?」っていう世代にはピンとこないことでしょう。 ヤマトのほうは設定が松本零士さんありきなのに、脱 松本零士で上手くシリーズ化に成功しています。 でも、こっちは安彦さんが総監督なので「ガンダム=安彦」というオールド・ファンに向けた作品なのは間違いないです。 ならば安彦さんを知らない世代を切り捨てちゃって「 大人向けガンダム 」を作っちゃったほうが、ファンが期待するガンダムが作れそうだと思います。
ガンダムをR指定にするメリットはいちいち新型のモビルスーツや誰それ専用モビルスーツなどを出す必要がないこと。 MSはザク~ゲルググまでのレギュラーだけで十分です。 一年戦争を戦闘シーン以外の政治的な部分から見せられます。 ハモンさんやマチルダさん、ゼナやイセリナなどの色っぽいシーンが描けること。 そーいう夜間戦闘?を増やせば大人ファンもうっかりブルーレイ・デスクを買っちゃうかもしれません。 R-30指定にする理由は30歳以下のファンにはオリジンよりもユニコーンのほうが合ってると思うからです。 福井ガンダムと安彦ガンダムの境界線が30歳前後なんでしょう。 光るガンダムとかロボットアニメ=オモチャ屋の広告番組っていう図式がイヤだったから、当時のアニメファンはグレート・トミノ氏や宮崎 駿さんを支持したんでしょ? ユニコーンガンダムは子供向けガンダムの究極のカタチってイメージです。 いっそのことR-40指定でもいーんですが、それじゃ本当に誰も観ないかもしれませんからね。

 11年の連載で全23巻の大作だったマンガ版「 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 」に24巻目が出版されました。 本編はサイド7からア・バオア・クーまでを23巻で全て描ききったのですが、アニメ版劇場公開に合わせて読み切りを集めた特別編が出版されました。 今さらガンダムをマンガで描くということが蛇足ならば、この24巻目は蛇足中の蛇足です。 なんだか24巻目はトニーたけざきさんが描いたほうが面白かったんじゃないかな?って感じです。 23巻目のクライマックスのセイラ新党ができるくだりは、トニーたけざきさんが描いたって言われたら自分は信じちゃいます。
 
 

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