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2015-01

祝 大友克洋さん受賞! - 2015.01.31 Sat

今年も「 アングレーム国際漫画フェスティバル 」がフランスで開催されました。

 去年の今ごろこの日記でも取り上げましたが、今年はさしてトラブルもなく(そもそも韓国のマンガがノミネートされていない)まったく話題にならないまま最優秀賞が発表されました。 今年のle Grand Prix(最優秀賞)は大友克洋さんの「 AKIRA 」に決まりました。 初の日本人受賞なので一般の報道ソースでも伝えられていました。 自分も1月30日のラジオの報道で聴きました。 聴いていて「 あれ?」って疑問がわきました。 「 なんで大友克洋さんなの?」って・・・
その番組でレギュラー出演の宮台真司さんは「 なんで今なのか?」って疑問だったようですが、それは「 もっと早く受賞して然るべき 」というコメントでした。 いやいやそーじゃなくて「 なんで大友克洋さんに受賞資格があるのか?」っていう疑問なんです。 「 アキラ 」が30年以上も前の作品だからってケチをつけてるんではなくて、そもそも大友克洋さんも作品の「 アキラ 」も最終選考にノミネートされていないじゃんってことです。 今年の大会でノミネートされた日本人マンガ家の作品は西村ミツルさん梶川卓郎さんの「 信長のシェフ 」と丸尾末広さんの「 瓶詰の地獄 」と松本大洋さんの「 Sunny 」の3作品だけです。 このラインアップもいかがなモノですが、あと遺産賞(なんじゃこりゃ?)に松本零士さんの「 ハーロック 」とか・・・
マンガの作品コンペだったはずの最優秀賞が「 アキラなどの作品を描いた大友克洋さんに決まりました 」っていう報道もヘンです。 村上春樹さんの「 ノルウェイの森 」がフランスでもっとも権威のある文学賞に今年選ばれたとしたら、日本人に限らず「 何で?」って思いますよね。 実際に大友さん自身の受賞のコメントが『本当に信じられない気持ちで。近ごろあまり描いてないので、びっくりしていますけどね 』 選考されてることすら知らなかったんじゃないのかな? 紅白の出場歌手くらいに謎が多い漫画フェスティバルです。 フランス人の嗜好がよくわからないです・・・

 ラジオで受賞の一報を聴いたんですが、宮台真司さんが司会の荒川強啓さんへ「 いかに大友克洋さんが素晴らしいのか 」を熱く語っていました。 マンガファンやアニメファン同士で作品を熱く語るのは、楽しいしたしかに熱くなります。 しかし強啓さんのようなマンガが嫌いとか関心が無い人に熱く語ってるサマは、なんだか小っ恥ずかしいような申し訳ないような居心地の悪さを感じます。 宮台さんはよく宮崎 駿論とかエヴァ論とかドラえもん論とか学者風情で論じたりしますが、聴いていて、いつも恥ずかしいから止めてくれ~って思います。 大人に向かって「 マンガとは・・・」とか言わないでよって感じです。 自分がいうのもおこがましいのですが「 大学の先生だったらいつまでもマンガとかアニメとか言ってないでさぁ・・・」ってことです。 宮台さんが大友克洋さんのファンの人相手に話が盛り上がってるのなら気にならないんですけどね。

 その宮台さんと強啓さんのやり取りの中での話ですが、宮台さんが大友さんの偉業を説明する流れで「 マンガは大友克洋以前と大友克洋以後に分かれる 」って言ってました。 なんだか「 高野文子以前・以後 」に似ていますね。 50年代に子供だった人たちは手塚治虫先生の存在がファースト・インパクトでした。 80年代の子供たちは大友克洋というセカンド・インパクトを受けたのは間違いありません。 マンガ読者はもちろんのこと、すでにプロのマンガ家たちも強引に大友っぽい劇画タッチに絵柄を変える人が続出しました。 鳥山 明さんのデフォルメ系マンガと大友さんのリアル系マンガの2極化。 可愛い女の子を肯定する一派が美少女キャラ~ときメモ~萌え系に対して、リアル劇画調でSF作品のグループ。 今よりもSF作品に可能性とエネルギーを感じた時代です。
それだけ大きな影響をあたえたマンガ家ですが、自分もしっかり影響を受けました。 そもそも心の師匠は湖川さんだったので大友タッチは昔から違和感がありませんでした。 「 ショートピース 」からの漫画アクション系に単行本も神保町で買いあさってましたから。 子供心にエロ・マンガ誌(アクションなど大人向けマンガ誌は全部エロ本だと思っていた)なのに面白いマンガだと思っていました。 宮台さんの解説だとこの時期の短編マンガは大友さんがニューシネマに傾倒していた影響だったとのこと。 それは今思うと納得です。 なんだかスゴくデカい(高い)画集とか買ったりして、すっかり大友信者に成り下がっていました。

 

 そんな自分も「 アキラ 」の途中くらいから急速に大友熱が冷めていきました。 「 アキラ 」の初期にあった新しいSFマンガへの期待感が、ストーリーを進めるにつれ「 エヴァと同じ風呂敷のニオイがする 」って気づいちゃったこと。 自主制作っぽいアニメ作品が(個人的な嗜好で)ことごとくつまらなかったこと。 そして自分が描きたい絵は大友風な劇画調ではないと気がついたこと。 
特に、ヤンマガを中心に青年誌でプアマンズ大友な作品が大量に出回りましたが、ものになった人は少ないです。 画力は手に入れたけどマイナー系に潜っちゃったマンガ家とか・・・ 「 ウシジマくん 」などはフルに大友画力を継承してるんですけどね。 大友さん自身がもう大友マンガを書けなくなっちゃってるんだから、そのコピーマンガたちには初めから将来はなかったってことなんでしょうか?  アングレームの賞を受賞させるのは勝手ですが、せめて20年前くらいに賞を上げてもよかったのでは? そもそも選考委員会を開かなくったって「 アノ作品がグランプリだな 」って誰もが思えるのがグランプリだと思います。 本命がいなければ10年くらい「 大賞作品ナシ 」でもいいんじゃないのかな?  それじゃ利権を生まないか・・・

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