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2014-12

エヴァを振り返る - 2014.12.13 Sat

貞本義行さんのマンガ版「 新世紀 エヴァンゲリオン 」です。

 マンガ版「 エヴァ 」はカドカワの1995年から「 月刊少年エース 」という雑誌で連載されていた作品です。 たしかテレビアニメと同時くらいにマンガ版も始まったんだと思います。 最近は「 あぶさん 」や「 女神さまっ 」など無駄に長期連載していた作品が相次いで完結になりました。 マンガファンが一番びっくりしたのは「 小さな恋のものがたり 」が完結したことです。 チッチとサリーのアレですね。 チッチの本名はチイコっていうんですが知ってる人は何人いるんでしょう? そんな完結ラッシュの中でマンガ版「 エヴァ 」も全14巻で完結しました。 19年間で14巻というのはあまりにも少ない印象です。 数年に1冊出るか出ないかというペースなので読むたびに前の巻でどーいう展開だったのか忘れちゃっていました。 正直、エヴァンゲリオンのストーリーにあまり興味がないので気にならないんですけどね。 冬目 景さんや西村しのぶさんのマンガを待つくらいの気長さが必要なマンガでした。

 この作品のラストページにTHE ENDと書かれていましたから「 この終わり方がエヴァのストーリー 」と決定していいのでしょうか? 足かけ19年も読んできたマンガなんだから「 本当のストーリーは劇場版アニメを観なきゃダメ 」ってことなのかな? そーすると貞本さんは19年間もニセものストーリーでマンガを描いていたのか? それともゲーム世代にはマルチエンディングに寛容なのか? 
14巻あたりでは以前の劇場版に出ていた“巨大化したレイ”も登場するから意味不明な印象になっちゃってましたが、基本はテレビシリーズを踏襲してるようです。 テレビシリーズの最後もあんまり覚えていないんです。 つまりその程度のエヴァ知識の読んだ「 エヴァ 」とは何だったのかについてです。 エヴァについては過去にも何度となく記事にしてきました。 そのたびによくクチプロレスを挑まれましたが、自分はエヴァの屁理屈には興味がないのでエヴァ論ではない記事を書きたいと思います。
このマンガの1巻目の印象は「 アニメーターの描くマンガは絵が上手だなぁ」って感じでした。 テレビアニメ版自体は夕方の放送だったので観ていません。 自分が初めてエヴァをちゃんと観たのは深夜放送で再放送された時でした。 マンガ版を読み始めたのも再放送を観てからだったと思います。 ヤマトやガンダムと同じく初見でアニメマニアが騒ぎ出し、噂を聞いた一般のアニメファンが再放送でブームを作ったパターンでした。

  ブログ画像 綾波レイ JPEG

 物語を楽しむ場合、ストーリーの結末は絶対に知らないほうがいいタイプの人と結末を先に知りたいタイプの人がいます。 ネタバレを極力嫌う人と先にネットで検索しちゃう人ですね。 「 作品を観る前にネタバレしたら観る意味がないだろ?」って思うでしょうが、ストーリーを知っておかないと楽しめないっていう人はけっこういます。 よく「 最後はどうなるの?」って聞く人っていますが、最初も途中も最後も作品なんですけどね。
映画レビューを見てから映画館に行く人と過半数は先にオチを知るたがる人たちです。 とくに浜村さんやおすぎさんのレビューは映画館に行く必要がなくなるくらいに克明に説明しています。 彼ら(彼女?)のベースには“知ってる知識を人に説明しなきゃ気が済まない性格”というのがあるんだと思います。 やってることは宣伝というよりも試写会で先に観たという優越感から「 最後どーなると思う?主人公が死んじゃうんだよ 」って言いふらしたいだけです。 小学生によくいますよね、言っちゃうヤツとか・・・
先に結末を知ることが間違った物語の楽しみ方かといえば必ずしもそーとは限りません。 例えば太閤記や忠臣蔵、幕末モノなどは普通の日本人ならば結末を知ってるお話です。 大河ドラマで予想外のクライマックスだったらNHKに抗議の電話が殺到しちゃいます。 恋愛ドラマで主人公同士がくっつくんだとバレバレでも誰も文句を言いません。 みんなが観たいのは大どんでん返しではなくて恋愛なんだから。
自分は限りなくネタバレをしないように物語を楽しみたいタイプなんですが、結末が想像できる作品には興味が失せちゃいますよね。 とくに物語のナゾを一生懸命に引っ張ってるだけの作品とか。 もっとも結末が想像できるストーリーはミステリー作品です。 推理モノと分類すれば「 犯人は誰だ?」ってドラマになるんでしょうけど、大抵のミステリーはクイズ形式ではなくて犯人が捕まる(逃亡する)までの過程を物語にしているようです。 よって導き出される結末は「 犯人が捕まる 」という結末です。 もう一つの結末が想像できるストーリーは人類が滅亡しそうなストーリーです。 妖星ゴラスや宇宙戦艦ヤマトの昔から人類の危機は主人公の活躍で何とかなるモンでした。 「 人類の危機=危機は回避できた 」なので1話目で人類の危機とか言われちゃうともう興ざめしちゃうんですよね。 同じ理由で勝ちが確約されているヒーローものにも興味がありません。 それじゃヒーローものは誰が観てるのか?ってことですが、結末を知ってから観るタイプに人たちがみてるんでしょう。 たとえ予定調和でも様式美ですからそーいうストーリーの需要は必ずあります。

 初めてエヴァを観た時の印象はまさに14歳のためのアニメって感じでした。 すでに14歳じゃなかったから「 なんかお子様ランチみたいなアニメだなぁ・・・」って印象だったと思います。 この頃はまだ中二病という言葉もなかったんですが(あったのかな?)14歳というのがブームになっていました。 それは今のネット上で言われている「 何故、エヴァにのる搭乗員は14歳なのか?」といった設定論ではなくて、「 14歳という年齢は社会学ではどーいう意味があるのか?」っていうサブカル系の社会学です。 この段階では伊集院さんの中二病とは関係ない話でした。
では、どのくらい盛りだくさんなお子様ランチっぷりだったか?
ヒロインが14歳 不思議ちゃん包帯娘 Sっ気女子 パーツフェチ どっきりタッチ 同級生との同居生活 おおらかエッチないとこのお姉さん おとなエッチな保健の先生 委員長 リア充男子の戦死 秘密結社 地下秘密基地 自衛隊 リアル兵器 ナゾの敵の襲来 巨大人型ロボット 電源ケーブル 稼働可能時間 わかり合えない父親 母親の面影 宗教的な意味づけ ナゾがナゾを呼ぶ伏線っぽいセリフ 人類を守っている僕たち もうガンダムに乗りたくないんだよ 人類の危機なのに日常は淡々と日常な日々 完璧過ぎる主題歌・・・
これら全部は小学校高学年から中学生までの男子が大好きなモノです。 ヤマトやガンダムが女子アニメファンに支えられたのに対し女子ファンが出遅れたのは“すべてが第二次性徴男子のリビドーのための作品”だからでしょう。 普通の感覚の女子には『 ひたすらキモいアニメ 』に映ったんでしょうね。

 鉄腕アトムからデビルマン、ウルトラマン、仮面ライダー、タイムボカン、ヤマト、ガンダム、999・・・それまでの子供向け作品はすべて大人が子供に向けて作られていました。 大人の感覚で「 子供に見せてやる 」だからどーしても子供だましは否めませんでした。 自分の記憶でアニメファンが自分たちでアニメを作った初めての作品が「 超時空要塞 マクロス 」でした。 初代ガンダムブームの時に「 コレだったら俺たちでも作れる 」って大学生の兄ちゃんたちのノリで作ったのがマクロスでした。 企画(アイデア)と制作が別モンだという自覚のない人たちが始めたアニメなので、初回は大絶賛されましたが最後はグダグダで終わっちゃいました。 それでもアニメは急速な成長産業になりつつありましたから劇場版の成功などでマクロスは今でもメジャータイトルになっています。 庵野さんはトップをねらえ!、ふしぎの海のナディアで企画と制作の両方を成功させ、その実績のもとエヴァの制作をしました。 個人的にはトップもナディアも好みのアニメではなかったんですけどね。 
再放送の時にはすでにアニメ業界では話題作だったので観たのですが、その1話目の印象がお子様ランチだったんです。 「 大人が子供に向けてお子様ランチでごまかしてる 」というんではなくて、「 子供が自分の好きなモノだけでメニューを作ったらハンバーグとチキンライスとナポリタンになっちゃった 」って感じです。 どんだけ子供向けかと言えば、先ほど羅列した14歳のための設定が満載の作品です。 ナディアは最初のころだけしか観なかったんですが、あっちもそーいう傾向の設定や展開だったようです。 そもそも「 人類の未来を守る 」のが目的のストーリーは、守れなかったというバッドエンディングが選択できません。 しかし迫り来るナゾの危機が強敵であれば強敵であるほど視聴者の期待を裏切らなきゃいけないシナリオしか選べなくなっちゃいます。 そのパターンは次の通りです。

 強敵から人類を守るストーリーが陥るパターン

1 思ったほど強敵じゃなかった 
2 主人公が覚醒して無敵化し勝利
3 倒し方が書いてあった
4 実は敵じゃなかった
5 全ては主人公の心の中の世界だった
6 パラレルワールドのもう一つの世界

 なんだかゲームのラスボス戦の話のような感じですが、最初の風呂敷が大きければ大きいほど終わることが困難になっちゃいます。 エヴァを観ていた時に「 この話は初めから破綻している 」って思っていました。 実際にテレビシリーズの最終回を観たときには「 この作者(庵野さん)の作品は信用しない 」って誓ったくらいです。 庵野さんが14歳に向けて作られたアニメではなくて、庵野さん自身が14歳のままの嗜好で作ったアニメだったんですね。 だから庵野さんは今でも中学生のような言い訳を繰り返しながらエヴァにしがみついてます。 終われないストーリーだからこそ新作エヴァを上映し続けなきゃそれまでの噓設定がバレちゃうんでしょう。 もう自転車操業のようです。
貞本さんのマンガ版エヴァの最終巻もそれまで描いてきた19年間(休載も多かったけど)が無意味な気がする終わり方です。 碇君が傷ついたり望んだり・・・って、世界は碇君だったの? それじゃエルフという大げさな組織は・・・ それは言うまいってコトなんでしょうね。 

 自分が観た人類が滅亡したアニメで感動したのは「 伝説巨人 イデオン 」でした。 こっちはガンダムで当たったのにMSをあっさり捨て巨大ロボットに、セイラさんで美少女キャラブームを作ったのにあっさり捨ててハルル・アジャバ。 14歳があんまり観たいと思わない要素だらけのSFアニメでした。 結末は地球も対峙していた異星人の母星も滅亡しちゃいキャラも全員が死んでしまうという「 人類滅亡 」をやってのけた名作です。 しかし人類が滅亡の危機だっていう始まり方のお話ではなく、敵味方の登場人物すべてが「 まさか全宇宙が滅亡するまでは行かないだろう 」って思っていたのに滅亡しちゃった終わり方です。
エヴァとイデオンの違いは一言でいえば覚悟の差でしょうか? 今、続いているエヴァブームの残影は庵野さんの無責任から来ているようにしか思えません。 富野さんは覚悟しすぎ?

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