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2013-06

マンガ家を目指すとは?  - 2013.06.15 Sat

小野田真央さんの「花咲さんの就活日記」です。 今回はかなりネタバレです。

 このマンガは小学館の「月刊 I K K I 」に連載中で2巻まで出ていま。 タイトルが“就活日記”となっていますが、このマンガはニートのお話でも就職難で会社訪問すしても決まらない苦労話でもありません。 一般の方々の就活をテーマにしているマンガではありません。 ではどんなお話でしょう? 主人公の花咲さくらはかつて連載を持っていたマンガ家で現在無職。31歳になりマンガ家をあきらめて就職するか? マンガを描き続けるか? 結局、内定を蹴ってマンガを描くことを選ぶというストーリーです。
自分はマンガ家が主人公のマンガには3割引きくらいの厳しい評価で読んでいます。 マンガの題材で一番安直で内輪ネタなのが「マンガ家を目指す主人公」だからです。 今回の作品も額面通り「就職難で右往左往するアラサー女子のお話」だと思って読み始めました。 「マンガ家を目指して生きてきたゆえに世間のスピードに合わせられない主人公が就職事情に戸惑う」みたいな・・・ 1巻まではまだそーいう展開だと思っていましたが、2巻からは本格的にマンガ家再始動へ舵を切ってしまいました。 3巻以降はたぶん元担当の水谷編集長と戦う展開でしょう。 もうすでに“就活日記”のかけらもありません。

 主人公の花咲さんは大学4年でマンガを描き始め、27歳で新しい担当とそりが合わず連載終了。 別の雑誌に持ち込むも評価されず、水谷編集長に泣きを入れるも無視される。 就職活動して採用されるもマンガを断ち切れず初日に出社拒否。 じゃあ花咲さんが本当は才能があるのに評価されないのかっていうと、大学4年で突然にマンガ家を目指したレベルです。 
常識の範囲で考えると「主人公を応援するマンガ」というよりも「主人公の空回りにつき合うマンガ」って印象です。 さらに花咲さんが新井秀樹さんの宮本ばりに暑苦しいキャラなので感情移入がさらに困難です。 主人公の花咲さんは一杯一杯ですが、作者の小野田さんもマンガ家として一杯一杯のような気がしてきます。 「マンガ家として続けられるのか?」というのはマンガ上での設定なんですが、描き手の小野田さん自身のマンガ家生命を賭けてるような切実さが伝わってきます。 小野田さん自身のキャリアも「月刊 I K K I」のみのようなので、かなり花咲さんに近い境遇だと推察できてしまいます。 
あまりマンガ家という職業にイメージがない一般の読書には「モラトリアムの中で夢追い人は夢を捨ててはならない」というお話として読むでしょう。 しかし、マンガに関わる現状を想像できる読者(月刊 I K K I の愛読者)には現実感のない現実逃避にしか見えません。 「30歳でマンガ家?」 「いつまでモラトリアムなの?」そーいった読者の一般感覚を納得させるだけの魅力が花咲さんの中に微塵も感じません。

 自分自身も子供のころはお絵かき少年だったので、マンガ家を目指してがんばってたりしていました。 開明墨汁とかケント紙とか買って・・・ でも出版社に持ち込みとか新人賞に投稿したりせず、あっさりと就職しちゃいました。 マンガ家にどうしてもなりたいのではなく、漠然とマンガを描きたいって思っていただけだったのでしょう。 「就職してもマンガは描ける」と思ってましたし、当時は「給料もらってクルマを買う」ことが最重要テーマでしたから。 それくらいにしか目指してなかったマンガ家の道ですが、おかげで趣味としてマンガを客観的に見ることができるようになった気がします。
多くの方々がマンガ家を目指し、花咲さんのように人生がこんがらがってると思います。 趣味でマンガを描くのなら楽しいのですが、プロを目指す場合は面白い作品が描けなければ人生そのものが崩壊しちゃいます。 では、どーいう人がマンガ家を目指すのにむいているのでしょう?

< マンガ家を目指すのに向いている人の条件 >

・24時間マンガのことだけを考えてる、マンガ以外に無駄なことはしたくない人
・マンガ誌に載ってるマンガより自分のマンガのほうが面白いと思っている人
・孤独い強く、人つき合いが無くても平気な人
・モテないので異性からの誘惑も無い人
・親、友人の意見に流されない強い意志のある人
・一攫千金、フェラーリ、マンガ御殿を真剣に狙っている人

これらの方々は、マンガ家を目指すのはあきらめるほうが身のためだと思います。 マンガのことしか考えていない人にはマンガは描けません。 マンガは絶対評価なので、相対評価で自分を計るのは間違いです。 つき合いができない人にはドラマが描けません。 モテないのも人の意見を聞けない人もダメです。 フェラーリに乗りたいのなら宝くじを買ったほうが現実的です。
しかし、こーいう人がプロになっているのが現状だという気もします。
そのほかにも、絶対ダメとはいえないがマンガ家になるための条件として疑問なこともあります。

・一緒にマンガ家を目指す友人がいる(同人活動やマン研など)
・マンガの専門学校に通っている
・親が応援してくれる
・日々、まわりの人たちに「マンガ家になる」と公言している

マンガ仲間がいるというのは素晴らしいことですが、藤子不二雄先生レベルの強い意志がないのなら邪魔なだけでしょう。 専門学校につては前に別のSNSで記事に書いたことがあります。 「こーいう授業でマンガが面白くなるのかなぁ」って印象でした。 全くの素人を入学させて「君もマンガ家になれる」ようなことを言うのはマズい気がします。 親が賛成するってヘンですよね。 本当に我が子を思うのなら反対するでしょう。 まわりに宣言しちゃうと5年後や10年後に合うとツラいことになりますよ。

この日記は次回に続きます。

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