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2013-06

よくわかる児ポ法改正 - 2013.06.08 Sat

児童ポルノ禁止法の改正案が5月29日に、自民党、公明党、日本維新の会の3党により提出されました。

 この法案は過去に何度も提出されお馴染みのトンデモ法案ですので説明は省かせていただきます。 過去にこの法案が出るたびに日記の記事を書いてきましたので、今回も取り上げてみたいと思います。
児童ポルノ禁止法の目的は「児童にポルノを見せないということではなくて、児童をポルノに出さない」というものです。 したがって壇蜜さんが出演している動画を児童が見ることは、児童ポルノ禁止法上ではOKのようです。 当然、児童が壇蜜さんのようなポルノに出演することはNGです。 この法案は出演している児童を取り締まることではなく、観る側の成人を取り締まるための法律です。 出演させた側を取り締まる法律は現行法に既にあります。 すべての法案のベースは観ようとするスケベ心を取り締まることにより、「観る側が存在しない→児童ポルノを作っても売れない→児童の性被害がなくなる」という三段論法です。

 では、何が問題なのでしょうか? 大まかにいって効果を疑問視する声と運用面を疑問視する声、出版等への影響を懸念する声が上がっています。 ことの重大さの順に考えてみましょう。
今回の法案提出の内容で一番重大な欠陥なのに騒がれていないのが、この法律では「児童をポルノから守れない」ということです。 先ほどの三段論法が「メタボをなくすためにコーラを禁止する」というくらい実効性に疑問がある論理でしたね。 児童買春と児童ポルノ頒布を禁止しているので一見すれば「全くその通り」と頷ける法案ですよね。 しかしそんなことは児童福祉法や売春防止法で規制されています。 現行の児童ポルノ禁止法では児童買春が取り締まれなかったわけじゃありません。 既存の法律があるのに行政の不作為で野放しになっていただけです。 今までだって児童ポルノには法律の抜け道にあったのではなく、児童ポルノは堂々の違法行為だったんです。

 次に恐れられていることが運用面での問題です。 今回の改正案ではマンガやアニメDVD、ネットの画像だろうと単純所持はすべて逮捕の対象になります。 この「持ってるだけ」で捕まるということの危機感を訴える文化人たちがとても多いです。 公安とか治安維持とか国家主義とかの言葉に過敏な方々に多いのかな? いわゆる別件逮捕ができるというやつです。 しかしこの別件逮捕も現行法で十分にできます。 本当に逮捕したいんなら児童ポルノでやらなくても、もっとまともな犯例をもちいるでしょう。 「小沢一郎の秘書がエヴァの裏同人誌を所持していたので逮捕された」とか不自然すぎるでしょう。

 最後に創作や出版、メディアに対する影響です。 今回の法案ではついでに考えた感が否めないマンガやアニメ等の「非実在エロ」に対する規制についてですね。 では児童ポルノの画像とは何を指すのでしょうか?

・児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの

・他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの

・衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの

(児童の性器等とは性器、肛門又は乳首をいう。)

法曹界の文章なので漢字が多く読みにくいですね。 間抜けな内容を小難しく格好つけて語るのはアニメの定番ネタを観ているようです。 つっこみどころ満載なんですが、あえて一つあげるならば自民党は肛門を性器と認定したことです。 決めて一般的な性生活をおくる方々にとっては肛門はセックスの対象にはなり得ません。 でも代議士のセンセーたちは「そーいうプレイも当然」なんでしょう。 じゃあ口は? 素股は?ってイメクラのメニュー表のようになるのかな? 口がNGになったら写真のすべてが「単純所持」になっちゃうし。 元々司法では肛門は性器にみなしていませんでした。 したがって前にはモザイクがかかっていても肛門はばっちり映っているのが普通でした。 もっと昔は規制対象が性器ではなくて陰毛でした。 したがって生えていない小中学生のヌード写真集には平気で性器が写っていました。 「陰毛がないから児童ポルノは合法」というのが日本の司法の考え方でした。 当然合法なので一般の書店でも売っていたようです。 ソレをヘアー解禁の時に規制を陰毛と性器で入れ替えたのでヘアーヌードが大ブームになったんです。 人々はヘアーが見れてよろこんだのですが、「毛が見れてうれしいのか?」って言われるとうーん?って感じですね。
 
 創作サイドの話にもどりますと、「ラブひな」や「魔法先生ネギま!」の作者の赤松健さんあたりが意見を表明しています。 ちばてつやさんや松本零士さんなどの常連組とともに議員会館でロビー活動をしているようです。 描き手が主張するのはいつも表現の自由なのですが、個人的にはマンガやアニメにおける表現の自由が作品の面白さにつながっているのかは疑問です。 アニメやマンガに疎い(全く興味が無い)だろう国会議員や東京都職員たちが「これはアウトだろう」って思うような自由に表現された作品が、擁護したくなるほどの作品なのか?っていう印象もあります。 「小中学生を思わせるような少女のおしりやおっぱいの下着を思わせる異空間の衣装の絵」で角川書店はビルを建てました。 そーいうのって社会通念上も異様な世の中です。 アニメの場合は自由な表現がすべて萌えに向かっちゃうのは制作側の表現を不自由なものにしてる気がします。 

 この単純所持に自民党がこだわる理由を想像するに、海外の児童ポルノ法に並べられる法律にしたかったのだと思います。 海外では所持は当然だめで、アニメも性的虐待、差別、暴力、人種や国家差別など全部禁止です。 こーいう世界基準のなかでは日本のポルノ法なんかザル法です。 しかし先進国の中で性による児童虐待がもっとも少ないのは日本です。 しかも単純所持というのは海外では実写のことを指します。 萌え絵やエロ同人誌とかは海外の法律には考慮されてないんでしょう。 
出版界が問題視するジャンルはすべて日本固有のメディアです。 国際基準の法律を作りたい政府とガラパゴスなエロ文化の日本では話がかみ合いませんね。 でもアニメもマンガもチャイルドアイドルも曲がり角に来ているのは間違いないと思います。 小学館の「少女コミック」という少女マンガ誌は行き過ぎた性描写でエロ本状態になっていました。 小中学生の女子がエロマンガを公然と買えることが問題になりましたが、小学館は表現の自由を主張することもなくあっさりと「少女コミック」を廃刊にしちゃいました。 そのころの少女マンガは主人公が初体験をすることが正義で、あまりにも幼稚な作者と無責任な出版社が少女マンガというジャンルをダメにしそうでした。 今のアニメ界があの頃の少女マンガに似ているようにも思えます。 
国が表現を規制すると、地下に潜っちゃうという意見もあります。 でも本来のサブカルってサブウェイのサブです。 「腐海の蟲たちよ森におかえり」ってナウシカも言っています。

 単純所持で一番最初に摘発されるとしたら、ネットやコミケじゃなくてトーハンと大日本印刷でしょう。 単純所持の量が半端ではありません。 「末端価格で4千万円相当の非実在少女のみだらなマンガを摘発」ってニュースになります。 そーいう規模ではコミケのモロ本を10冊持ってる云々なんていう小物は関係ないでしょう。 制作者の逮捕1号はやっぱり宮崎駿氏ですね。 日本アニメ界のロリコンの先駆者として名誉ある初の施行はジブリの家宅捜索でしょう。 トトロの入浴シーンの原画とか証拠のお宝がたくさん押収されます。
もし万が一、児童ポルノ禁止法で捕まってしまったのなら裁判で検察官に「あなたはこの画像で勃起したのですか?」って聞きましょう。 もしあなたの画像が勃起に値すると言われたら「あなたは若い!」とたたえましょう。 それから裁判長に「あなたにとっても肛門は性器にふくまれますか?」と聞いて下さい。

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