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2013-05

本格“オレ設定”アニメ - 2013.05.22 Wed

アニメ 「 翠星のガルガンティア 」です。

 現在、視聴中のアニメで「 ヤマト 」と「 マジェ・プリ 」については日記に書きましたが、もう一つ「 翠星のガルガンティア 」という作品も観ています。 せっかくなので書いてみます。
この作品は7話まで進行していますが、作品の是非を書くことが非常に難しい作品です。 それは今後の展開がどうなるのかがはっきりしないから。 うっかり「このアニメはこーいう作品だ」って書いちゃうと「後半に全然違う印象の作品になる可能性がある」という噂が絶えないからです。 どーも、脚本を虚淵 玄(ウロブチゲンと読む)さんが担当しているので「バッドエンドになる」とか「どーせ最後は鬱展開だよ」など心配する声がネットであふれています。 彼には前作の「まどか☆マギカ」で前科があるのでアニメファンも予断を許さないようです。 
作家には「期待を裏切らない」を信条にしているタイプと「期待を裏切る」ことに情熱をかけるタイプがいます。 虚淵ファンの中には「期待を裏切るという期待を裏切らない」ことを望んでいる方々もいるようです。 どーして普通に作らないのかなぁ?

 この物語のあらましは次の通りです。 公式HPのイントロダクションを引用、一部補足しています

『遠い未来、遥か銀河の果て。 人類(主人公レドたち)は異形の怪生命体ヒディアーズ(一般的な宇宙生命体のイメージ)と種の存続を賭けた戦い(銀河英雄伝説っぽい無意味な宇宙戦争)を続けていた。 撤退中の主人公レドはワープの失敗で時空のひずみへと呑み込まれる。 人工冬眠(エイリアンのアレ)から目覚めたレドは、忘れられた辺境の惑星・地球へと漂着したことを知る。(ウォーターワールドのイメージ) 人々は巨大な船団(大型船の上に町や工場、農園などを建造したユニットを連結した都市機能。 移動や分断が可能)を組み、旧文明の遺物を海底からサルベージすることで、つつましくも生き生きと暮らしていた。
ここはそんな船団の一つ、ガルガンティア(農場ブロックの船) 言葉も通じない、文化も習慣も異なる道の環境に戸惑うレド。(言葉はレドが乗っていたロボットの人工知能が地球後を翻訳できるという駅前留学設定) やむをえず、少女エイミー(ヒロイン)らガルガンティアの人々との共生を模索し始めるのだが、そこは戦うこと以外の生き方を知らないレドにとって、驚きに満ちた日々の始まりだった。』 

 アニメのカテゴリーは「SFロボットアニメ」ですけど、1話での宇宙戦争シーン以降はロボット戦闘なシーンが皆無です。 ガンダムやマクロスのようなアクションアニメを期待するとちょっと肩すかしでしょう。 戦闘のみを教えられたエドがエイミーらの地球人に感化されて成長していくことに主眼を置いた作品のようです。 個人的な趣味では「なんとか軍と、かんとか軍がどっちが勝ったか?」とか「人類滅亡」とか「なんとかインパクト」なんかには興味がありません。 ましてや正義に一生懸命なアニメは観ているだけでとほほです。 もっとキャラクターの人物像にフォーカスされたお話が観たい人たちにこの作品はウケているようです。
アニメのキモになるキャラデザインは鳴子ハナハルさんが担当しています。 鳴子さんというのはエロマンガ家さんでエロ絵師とし人気のある「メジャー系エロイラストレーター」です。 初見で「 翠星のガルガンティア 」を観たとき、「銀翼のファム」の村田蓮爾(タムラレンジと読む)さんのキャラデザインだと思っていました。 世界観も「空族」が「海上生活」に変わっただけの「銀翼のファム」のスタッフが制作してるんだと勘違いしていました。 絵柄が区別できない自分もどーかと思いますが、世界観のベースは同じところ(多いに参考にしている?)のは間違いないんでしょうけどね。
キャラデザインの鳴子さんのチカラが存分に発揮されたのが5話の水着回と6話の謝肉祭でのエイミーのセクシーダンスでしょう。 「おっぱいぷるるん」と総統閣下も大満足だろうサービス回でしたが、鳴子さんのエロ絵師スキルが存分に生かされていました。 絵の上手な人にとっては、布があろうが無かろうがエロく描けるもんですね。 まぁ、女の子が「肉感的なエロっちさ」というだけで作品の8割方の説明が終わっちゃうんですが、それだけじゃあんまりなのでもう少し続けたいと思います。 

 この作品の設定は過去に文明を反映させていた地球がなんらかの原因で滅び、新たな人類の子孫たが独自の文明を発展させたり、旧世代の遺物をつかって急速なテクノロジーを手に入れたりするタイプです。 このSF設定はアニメで何度も使われてきた古典的な世界観です。

・ 地球滅亡後に生き残った子孫たちのお話の例 ・

未来少年コナン 世界大戦後の残された人々のお話 老人たちは旧世代の記憶や技術を持っていた

ザブングル    イノセントが人類再生計画のために科学力を維持していた

ナウシカ      火の七日間のあと巨神兵だけ復活 あとは知らない

∀ガンダム    カプールとかザクとかが発掘 月面に旧文明人がこっそりと住んでいた

こーいう“オレ設定”は、だいたいが都合のいい未来社会でお話を組むための方便です。 コナンは海洋冒険アニメにするために大陸を水没させたかったんだし、ザブングルはロボットで西部劇をやりたかっただけです。 
ナウシカは世の中すべてをファンタジーにするための腐海で、∀ガンダムは富野氏の思いつきだけでしょう。 そのほかに穴を掘ったらロボットが出てくるグレンラガンや地球ですらない第六文明人の遺跡だったイデオン。 みんな都合のいいお話のために技術が発掘されてきました。 
翠星のガルガンティアでは海洋生活のために大陸が水没、技術と資材の入手のためにサルベージという職業を設定しています。 たとえば、どうしても空を飛びたいのなら重力の小さい惑星とかでお話を考えればいいのです。 その場合は“すべての文化や風習、文明”をオリジナルで設定しなきゃいけません。 それだとリアリティを維持するのが難しくなっちゃいます。 その点、滅亡後の地球人という設定は少なくとも人間であるというだけでも説得力があります。 SFアニメの「滅亡後の地球」という設定で共通しているのは、科学力が滅亡前の水準の半分にも満たないローテクな世の中になっていることです。 多くは中世の騎士道、19世紀の産業革命、大正デモクラシー、第2次大戦前後、昭和の高度成長期のどれかの科学力の設定です。 面白いのはアニメの時代背景の基準が、すべて科学力で表現されるところです。 未来のお話なんだから食べ物や社会風習で表現してもいいのだけど、滅亡後の主食がハチミツだとか結婚は一夫多妻制とか“本気でオレ設定”をする作品はあまり見かけませんね。 だいたいが「宇宙に行けない」とか「電話に受話器がある」とか「投石器で戦う」など、科学や工学でどの程度の文明水準かを表現することが多いです。 これはSFアニメ制作者やファンが風俗よりも科学が好きだからなのかもしれません。 
産業革命的な文明レベルがやりたいのなら、18~19世紀を舞台にしたアニメを作れば話は早いですよね。 でも、それは作り手もファンも勉強が必要になります。 このなんちゃって産業革命を作るのに「人類滅亡後の地球」というのは自由にでっち上げるのには絶好のアイテムです。 考えてくれた手塚治虫先生に感謝ですね。

 それでは「ガルガンティア」の世界観はどうでしょうか? この作品のオレ設定はかなり練っているようです。 船団のディテールや一般キャラたちの雰囲気には秀逸なモノがあります。 ヒディアースと烏賊の設定も最近のアニメでは珍しくひざを打ったくらいです。(バカバカしい?) お宝をサルベージっていうのはちょっと弱いかな?って思いますが、10人の作家がいれば10通りのお話ができるくらいに自由度の高い設定でしょう。 自分がこの設定で考えるなら、宇宙人(レド)は出さないで千葉県くらいの巨大農業プラント船のお話にしますね。 海洋農業アニメってサブタイトルで。
1クール全13話の作品なので、このまま烏賊釣り漁船のお話になっていけば懸念されている鬱展開にならずに終われそうです。 ロボットアニメとしての期待は裏切っているけど、チェインバーはナイト2000のような存在感を出しています。 願わくば最終回で「地球は~だから~になった」とか「ヒディアーズとは地球が~によって・・・」などの無意味な答え合わせで終わらせて欲しくないです。 そーいう謎を説明するだけのお話にはなんの意味もありません。 だってそーいう謎は全部“オレ設定”だから。 それは中学生がノートに書かれた設定の解説を聞くくらい空しい終わり方です。 設定はストーリーじゃないっていう当たり前なことがこんがらがっちゃっている作品(とくにアニメ)が多いのが気になります。

 最後にヒロインのエイミーについて。 活発で好奇心旺盛な少女という設定ですが、主人公に対する会話がヘンです。 ほかのキャラは“ちゃんとしたリアクション”が取れていますが、エイミーだけがヘンなリアクションの会話をしています。 活発をあらわすのに必死で、レドとの会話が「あっゴメン、仕事が入っちゃったから、また後でね」っていうシーンが目につきます。 “エイミーはいつもレドを心配してるという設定”なのにリーゼントの兄キやグレンラガンのヨーコのほうが親身に接してる感じdす。 エイミーがツンデレとか人のことをおもんばかんない性格という設定にも見えないです。 レドが捨て身のボケで笑いを誘っていても、エイミーのキャラ表現で数多くの爆笑チャンスをフイにしている感じです。 エイミー発の面白シーンもあんまりないんで「おしりを振ってる女の子」くらいの印象しかありません。 
以前の日記で「銀の匙のこと」 という記事を書きました。 この「銀の匙」のヒロインと「ガルガンティア」のヒロインのエイミーには共通の問題点があります。 エイミーをおっぱい要員にしてヨーコさんをヒロインににすればもっと通りの良いアニメになったような気がします。 
どー見てもエイミーがいなくてもストーリーに支障がないです。 弟もいらないかも?

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