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2013-02

西ゆうじ さん、死去 - 2013.02.10 Sun

2月6日、マンガ原作者の西ゆうじさんが胃がんのため、お亡くなりになりました。

 西ゆうじさんは「 蔵の宿 」の原作を手がけ、「 あんどーなつ 」と「 華中華 」がビックコミック関連で連載中でした。 グルメマンガというか食品業界関連マンガの原作者っていうイメージでした。 そのほかにも福井県のPR活動なんかでも知られているようです。 正直いってそんなに詳しい情報は持っていませんがネットでは「国宝級」の原作者として知られているみたいです。
自分は「 蔵の宿 」も「 あんどーなつ 」も読んでいないので、その頃は名前すら知らない方でした。 グルメとかウンチクっぽいマンガが好きじゃないのと地味っぽいのと掲載誌に接点がなかったからです。 初めて読んだ西ゆうじさんの原作マンガはひきの真二さんと組んだ「 みんなのバス 」からです。

 ひきの真二さんといえば「 ビッグウイング 」と「 SORA!」です。 かたや空港職員(案内係だっけ?)で、かたやフライトアテンダント(スッチー)です。 不器用だが誠実な主人公と苦労を背負った普通の人々との人情話です。 原作は「 人間交差点 」(弘兼憲史さん作画)の御大、矢島正雄先生でした。 人情話のプロ中のプロですね。 人情話ってマンガや映画のファンには軽んじられてる傾向です。 でも物語って「刃傷に始まり人情に終わる」っていうくらい重要な要素です。(ウソです) ましてや毎回イイ話や泣ける話を描くのはギャグマンガ家が週刊連載するくらいに大変なことです。 自分の中で「 ビッグウイング 」と「 SORA!」は人情話の教科書として学びました。 ストーリーを作る人は、好き嫌いじゃなくてピアノのバイエルのように人情話を学ぶ必要があります。 ヒーローやバイオレンスやミステリーなど勝手なキャラクターのお話を作るつもりならなおさらです。
矢島さんのそーいう世話物にはひきの真二さんの作画がぴったりなんですよね。 タッチが明るくてマンガらしいのですが軽すぎないからコミカルからシリアスまで思いのままです。 弘兼憲史さんの作画だとタッチが重すぎて取っつきにくいんです。 映画の寅さんのような「間口を広く気がつくとしんみり」っていう感じが人情話の理想かもしれません。

 その、ひきの真二さんの次回作が西ゆうじさんの原作の「 みんなのバス 」でした。 ひきの真二さんの前作が2作とも旅客機のお話だったので、安直に乗り合いバスという企画だったのかもしれません。 自分の中ではひきの真二さんは人情話の師匠になっていたので今回もほのぼの人情話だと思っていました。 でもなんだか違和感があるんですよね。 ひきの真二さんは原作がどーであろうと“ひきの節”でイイ話にしちゃうんですが、どうにも要領が違うんですよ。 人物設定の中にヘンなカラクリが入っていて、このふたりは実は親子だとか、登場人物が微妙にイヤなやつとか・・・ マンガの設定としてはフックを入れてるんだろうけど、その設定のどーでもよさがひきの真二さんの誠実なマンガを描くイメージに合わない気がしてました。 あくまでもそんな気がする程度なんですが。
それで現在連載中の「 華中華 」です。 横浜中華街で見習いながらチャーハン屋さん?で、毎回「今日のチャーハン」を作る華(ハナ)という主人公のお話です。 「 みんなのバス 」のときの違和感はよりわかりやすく感じました。 お話の中に楊貴妃の幽霊がでてきたり、謎の管理人とか華が結婚しているコトを隠すなど。 正直な主人公を描くのならばウソや隠しごとはいらないハズなんですが、こーいうのが入らないととマンガの設定にならないということなんでしょうね。 情けない悪役とか唐突に出てきたバイトの坊や(作画もやっつけでした)などの無駄キャラも多くて、ふわふわした印象のマンガでした。 当然、人情は控えめでなんだか勝ち負けにこだわるマンガなんですよね。 どうして料理マンガって勝ち負けにこだわるんだろう?
極秘に入籍した嫁ぎ先が三浦海岸で、華は週末だけの通い婚(別居)をすることになります。 関東以外の人にはわからないと思いますが、三浦と横浜だったら京浜急行で1本です。(ちょっと乗り換えて関内ですが) ストーリーを考えるときは、物語の中心は作り話なのでそれ以外の部分に信憑性を持たせるのがいいです。
結局は「チャーハン対決」っていうジャンプみたいな展開になって人情話でも何でも亡くなっちゃったんですけどね。 だったら作画はひきの真二さんじゃないほうがよかったとさえ思います。 個人的にはチャーハンなんかどーでもいいし!
読んでないほうの「 あんどーなつ 」も下町人情モノらしいんですが、どうなんでしょう?

 西ゆうじさんの死去についてはビックコミックでも休載という扱いで、まだコメントは出してないみたいです。 連載中だった2作品の処遇は原稿が完成いている話数までで未完にするのが正論だと思います。 故人の意向があるのならそれに沿うべきですけど。
ネットの中の評価では人となりは理解できないものですが、少なくとも人情話を考えるタイプの方ではなかったようですね。   

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