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2013-02

ロリ絵と萌え絵の違い - 2013.02.07 Thu

玉置勉強さんの「 ちゃりこちんぷい 」です。

 前回の日記でいけだたかし さんの「 34歳 無職 」を取り上げました。 その中で“おひとり様”つながりで引きあいに出した玉置勉強さんの「 彼女のひとりぐらし 」についても少しだけ・・・
いけだたかし さんのマンガをアニメ的と表現しましたが、玉置勉強さんは「マンガ的なマンガ」という印象です。 良くも悪くも作家性の高いマンガで、読んですぐに玉置勉強さんの作品ってわかります。 以前はエロマンガ家というカテゴリーだったと思うんですが、すっかり一般誌対応のマンガ家になっています。 でも、吸血鬼とかゾンビとか刃物とか・・・あんまり好みの題材じゃなかったので遠ざかっていました。 残酷さを競ったり暴力しか描けないマンガは自分の中では対象外です。 「 彼女のひとりぐらし 」はタイトルを信じれば人を切り刻むマンガではなさそうなので、久々に読んだ玉置作品でした。 主人公のダメっぷりに個性が出ていますが、以前のようなねちゃねちゃした感じが押さえられてる印象です。 親友や妹さんの登場でなんとか社会性が保たれた感じで、ただの「あるあるマンガ」にならない努力が感じられます。 最後はこのマンガを描くのに飽きちゃったみたいな終わり方でしたけど・・・ 
「 34歳・・・」と比べると主人公の行動には大差ないけど「 彼女の・・・」のほうがマンガを面白くする努力が感じられます。 こーいう部分はエロでもマンガとして面白くするポリシーが今に生きてるのかもしれません。 「 34歳 」は「 苺ましまろ 」に近くて「 彼女の 」は「 よつばと!」に近いです。 一見すると逆っぽいんですが、絵柄などではなくて面白さに対する取り組み方だけを問題にした場合です。
いけだたかし さんと玉置勉強さんの2つの「おひとり様マンガ」は読み比べると面白いです。 普通比べる必要なんかないんでけどね。

 それでは今回取り上げる「 ちゃりこちんぷい 」は集英社の「グランドジャンプ」に掲載されているマンガです。 メジャー誌と言えるのかどーか解りにくいですが安定した一般誌だと思われます。 玉置勉強さんは作画担当で原作に坂井音太さんという「うさん臭い名前」の原作者がつきます。 でも玉置勉強さんの作品と思って間違いないです。 “ちゃりこちんぷい”ってなんだかイヤラシイ呪文のようですが、内容は青春音楽マンガでブルースギターを弾く女子高生らの物語です。 クラスで浮いてる3人がギター・ハーモニカ・ピアノでセッションしているマンガで、主人公がクロスロードで悪魔と契約したっていうお話です。 一番の感動は玉置勉強さんが外連味のない友情マンガを描いてるところ。 1巻目はだらだらしていて外連味っぽいんですが、我慢?して2巻目も読むとそれぞれのキャラの事情がわかってきます。 それは「クラスに馴染めない子」という設定のキャラを用意するのではなくて、主人公の3人の人となりを作っているからです。 「ボッチだからこーいうキャラ」みたいな発想ではなくて唯一無二の3人を描くことがマンガのキャラデザインの重要なところです。 その分共感しにくいんですが「あるある」よりも「ありえない」のほうが面白いのは当然のことですね。

ギターの思い出

 玉置勉強さんは美少女キャラのマンガって分類ですが、今風の“萌えキャラ”とは全然違うコンセプトで描かれています。 じつは萌え絵ってマンガ家には苦手な絵なんですよね。 萌え絵って特定の可愛いという記号を盛り込んだ描き方なので構図に制約がかかるんです。 萌え絵が向いているジャンルはポスターとかラノベの表紙絵や挿絵、ゲームキャラ、フィギア、アニメキャラ・・・共通しているのは動かないってところです。 かなり前から4コママンガは萌え絵が全盛になってますが、やっぱり動きを求めていないです。 「 ちゃりこちんぷい 」では激しいギターアクションが売りのマンガですから「動かない作画」は論外なんでしょう。
それでは、玉置勉強さんの描く美少女キャラはなんていうジャンルかといえば、ロリコンマンガというジャンルになります。 「萌え」という言葉が知名度を得て、今では地方自治体や政府も日本の産業として認知しています。 萌えならオタク文化とかアキバ系とかカタカナ言葉でイイ感じ?ですが、ロリコンっていうと話は別です。 陰湿で変態で犯罪な語感の漢字ばっかでやな感じです。 ほんの十数年前までは美少女キャラ=ロリコンという、世間の目が厳しい時代でした。 当時の玉置勉強さんはエロマンガでしたが、それ以外でも少女キャラは一様にロリコンのレッテルを貼られてました。 特にアニメはロリコンだと批難を受けやすいのですが、制作者サイドに重度のロリコンが多く確信犯的な作品ばっかでした。 とくに宮崎駿さんとか。 

 玉置勉強さんの描く女の子はおしなべて痩身なんですが、パンクとかドラックとか不健康なイメージの痩せ方っていう印象を与えていました。 作品の中ではわき役でも太ったキャラはいないと思います。 印象的だったのは、おっぱいが小さいのはもとよりアバラ骨が浮き出てる女の子の描写です。 貧相なカラダ=リアルな少女というのは美少女の通念ではあれ?って感じですが、自分の好みを信じて描いていたんだと思います。 
キャラの絵は個人の嗜好をたたき込まなきゃオリジナルにはならないみたいです。 したがって他人の絵を真似しているウチは「美少女が描ける」とはいえないんです。 昔はそれくらいに女の子を描くのが大変のことだったんです。(本当か?) 
現在の「美少女絵」のヒエラルキーは、アニメのキャラデザ>表紙絵・挿絵>ネット内の絵師>マンガ家って感じです。 「 けいおん!」にしてもマンガが人気でアニメ化されたというより、アニメの題材に“採用”されたおかげでマンガも売れたっていう印象です。 人気の出る美少女絵の条件は萌え絵の要素を守っていること。 この要素を入れれば誰にだって萌え絵は描けるといえなくもないです。 最低限ドラえもんを見ながら描いてドラえもんに見えるくらいの画力があれば。 そのかわり似たり寄ったりなキャラになっちゃうけど、ユーザーが求めている絵も「何かに似たような美少女」なので個性がないことはマイナスではありません。
角川系列とその周辺のマンガ誌で萌え絵キャラのマンガを大量にだしています。 ラノベの表紙みたいなキャラで本編も小説じゃなくてマンガだから、そのキャラがいっぱい出てきてお得なのかもしれません。 多くは「何とかと何とかが何とか」とか「僕の何とかが何とかなのはなんとかですが?」みたいな鬱陶しい感じのマンガです。 前記の通りマンガ家は萌え絵が苦手っぽいんですが、それは萌え絵がマンガに向かないからです。 萌え絵だと普通のマンガって描きにくいんです。 4コママンガは様式美で見せる方法もあるので4コママンガには向いているんですけどね。 でも自分は4コママンガは萌え絵過ぎないことを基準に選んでいます。
 
 今回の日記の内容は絵師さまを否定するものではありません。 まして、あーいう絵が誰にでも描けるという趣旨でもありません。 当然、自分にも描けません(笑)
自分は様々なジャンルのマンガを読んでいるので、女の子が可愛いとかそーでも無いとかにはあんまり関心がありません。 でもシールを貼ったのような目の女の子の絵はいただけませんよね。 
アニメも萌え萌え過ぎるのはどーかと思います。 自分は主張するほどアニメには詳しくないのですが、アニメファンはもっと異議を唱えてもいいんじゃないのかな? アニメファンの全員が萌え好きってわけでもないんだろうけど、あまりにも幼稚なのが多い気がします。 構図としては配給会社にファンがなめられませんか?

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