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2013-02

身長9cmの楽しい日々 - 2013.02.20 Wed

樫木祐人さんの「 ハクメイとミコチ 」です。

 自分は樫木祐人さんというマンガ家も「 ハクメイとミコチ 」という作品も知りませんでした。 ビームコミックスから1巻が出ていました。 では、どうやって知ったのかといえば森薫さんの「 乙嫁語り 」の5巻(最新刊)を買ったら、中に小さく折り込んだ“お試し版”が入っていました。 このお試し版というのは広告ながら1話分くらいが読めちゃう最近では本屋さんのマンガコーナーに置いてあるアレです。 マンガは自分の蓄積データと直感で買う主義なので、チラシに釣られて買うことはほとんどないのですが、釣られて買っちゃいました。 それが「 ハクメイとミコチ 」です。
お試し版には1巻目に収録されてる全8話の簡単なあらすじと4話目の「星空とポンカン」の11ページ分が収められています。 キャッチは「それは、小さな女の子たちの楽しい日々」「彼女たちの身長は、わずか9センチメートル」 要約すると「こびとの女の子の日常」のお話です。 特にドラマチックな展開や5W(なんでこびと?どこの国?この子だれ?いつの時代?なにをする?)なんて、まったく気にしないファンタジー作品です。

 自分は子供のころファンタジーとか童話がまったくダメで、とくに動物が人間と会話するお話が苦手でした。 小学生のころは怪獣や戦隊モノ、巨大ロボットアニメもあんまり観ていません。 ようするに「子供だまし」なんかに「だまされるものか!」って抵抗する子供だったようです。 作りモンの話よりも現実の話が好きでした。 「ドラえもん」も幼稚園のころに読んだっきり「もう展開は読めた!」って思ったから、それ以来読んでいません。 くり返すストーリーのパターンを見切ったようです。 自分の中での藤子不二雄さんの評価が低いのは幼児の段階で見限ったマンガ家だからです。 アニメを観るようになったのは「カリオストロの城」や「999」や「ガンダム」など子供だましじゃないアニメのおかげです。 一番苦手なのは「どうぶつ宝島」とか「長靴をはいた猫」など、いかにも動物がしゃべる童話ベースのアニメなど。
今では子供だましのだまし具合を楽しむくらいの余裕はありますが、やっぱり好きなジャンルではありませんね。 竜とか戦士とか宿命などのRPG展開やハリーポッター系の魔法学校には心は引かれません。 知らない星のお話は、だいたい地球でもできるお話だったりします。(なぜみんな惑星を描くのかは「アオイホノウ」に詳しく書いてあります)
「ファンタジーじゃなくても描けるお話だったら普通に描けばいいじゃん」ということです。 わざわざ存在しない土地や風土、生物や物理法則、はては太陽が2つとか3つとか・・・ それで世界観のつじつまが合わないから説明が大変で、理屈が多くなるほどにややこしいだけのお話になっちゃう。 もしくは説明出来てないからワケがわからないパターンが多いです。 「自分は夢を見ない子供だったのか?」といえばむしろ逆で、「妖精を出さなくても現代劇で十分に夢のあるお話は作れる」という主義でした。

 そこまでファンタジーがイヤなら、なんで「 ハクメイとミコチ 」を買ったのか?ってことですよね。 前に日記で書いたように「 銀の匙 」は読んでいますが「 鋼の錬金術師 」は1話も読んでいません。 読まず嫌いなんですよね。 いつもならスルーなんだけど前記の通り“お試し版”のチラシを見て、この作者は信用できるって思っちゃったんです。 「読むかどうかで迷ったら読む」というポリシーなので、すぐに本屋さんへ行ったら売っていませんでした。 結局、アキバでかったんですけどね。 面白いマンガを読むことはマンガの勉強になりますが、つまんないマンガを読むことはもっと勉強になります。 このマンガはどっちだったのでしょうか?

ハクメイとミコチ

結果は「読んで正解だったと」いう結論になりました。 すみませんでした・・・

 ビームコミックスは角川系列なのでどうしてもアニメ由来のマンガっていうイメージがあります。 アニメ的表現とかのコトです。 どちらかといえばアニメ的なほうを読者も支持する傾向もあります。 でもこのマンガは極めてマンガ的な手法のみで描かれた作品でした。 作者の樫木さんについてはまったく存じ上げなかったので憶測ですが、あんまりアニメへの憧れやコンプレックスが無いんだと思われます。 したがって世界観に「何かの真似」みたいな浮つきがありません。 ジャンプやマガジンだったら必ず入るだろう説明臭さもまったくありません。(5Wをまったく気にしてないから) それは作者の作家性を尊重するフェローズというマンガ誌の良い面だと思います。 すぐに好感を持てたのは「キャラを大切にするところ」と「楽しいマンガにする」という姿勢です。
物語の内容も仕事でヘマする話や行きつけの呑み屋の話、博打の話など「おっさん臭い」ストーリーがけっこうあります。 あとがきマンガを見るとおっさん臭いスタッフで描いているようです。 

 以前の日記で「 120人のジブリ批評 」という記事を書きました。 その中で「こびとが主人公なのにその設定を生かすアイデアが乏しく、ストーリーに優しさや善意、暖かさが無い」って書きました。 ハクメイとミコチというダブルキャストは性格も行動もキャラ別けされていますが、優しさと善意と暖かさは同じだけ持っています。 そーいうことが重要なんだと樫木さんは解っているみたいです。 ジブリの新米監督は解らなかったんですけどね。 それさえあれば日々の暮らしを淡々とマンガにしても「楽しい日々」っていえるんでしょう。 コタツで二度寝するだけの「本当にただの日々」じゃマンガのストーリーって言えないですよね、いけださん!

 このマンガは自分があんまり好きじゃない“人と話せる動物”が出てきます。 バッタの新聞屋さんやカエルの司会者、イタチの親方etc・・・ 自分は女の子キャラは人間で、男性キャラはすべて動物にしてるんだと思っていました。 でも、行きつけの飲み屋のマスターは人間だったし 
ファンタジーのルールはやっぱり難しいです。

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