topimage

2012-09

ジャズ・ピアニストって? - 2012.09.13 Thu

歌手の大江千里さんです。

 大江千里さんを覚えていますか? 80~90年代にそこそこ人気があったポップ歌手です。 代表曲であり彼の最大のセールスになった「格好悪いふられ方」が有名で、久保ミツロウさんのマンガ「モテキ」の中で主人公が絶叫しながら歌う挿入歌にも使われています。 タイトルから持てない自分のテーマ曲だと思っていたが、実際に歌ってみたら「こいつ結婚するつもりだよ」というリア充向けの歌詞で怒り狂うシーンです。(今回のマンガのお話はここだけです)
この曲だけは20代後半くらいの方々は覚えているんじゃないかな? NHKの「トップランナー」の司会や山田邦子さん「やまだかつてない・・・」などテレビにも出ていました。 しかし、それ以降の大江千里さんが何をしていたか知ってる方は少ないと思います。 最近の読売新聞に彼の消息が載っていました。 なんとジャズ・ミュージシャンに転身していました。 NYに渡りジャズの学校で4年半勉強して、全米デビューを果たしていました。 今は凱旋で日本デビュー版CDを出すために帰国しています。 プロモーションでラジオに出演していて20年ぶりくらいに大江千里さんのトークを聴きました。 CDを買っていた元ファンからすれば非常に意外な展開ですが「なるほどね」と納得できる部分もあります。

 極めて個人的に大江千里さんには思い入れがあります。 大江千里さんを聴くようになったのが当時仲良しだったの女の子の命令だったからです。 自分に取っての80年代ポップスは佐野元春さんでした。 大江千里さんのことはデビューのころから知っていましたが「軟派なうらなり野郎」くらいの認識しかありませんでした。 佐野元春さんのほうが格好いい曲を書くし「This is」だし。
その女の子は大江千里さんの布教活動中らしく「あんたには千里クンが合うはずだから聴きなさい」と言い出してきましたが、なまじ初期の曲を聴いたことがあったのであんまり乗り気じゃありませんでした。 まだメジャーな歌手ではなくて女子大生にだけ認知されていたころだったと思います。 でも「大江千里を聴けばこの子ともっと仲良くなるかも」という打算が働き、カセット(!)にダビング(!)してもらったら「あらっ?けっこうイイじゃないの」 すっかりはまっちゃいました。

 自分は元来の草食系側なんですが、当時は肉食(強欲)が全てを総取りという時代でした。 ファッションもスポーツも。 狩猟(ナンパ)が普通の恋愛事情のころに、牧草地帯でどう女の子と仲良くするネットワークを作るかが重要な問題でした。 ネットワークじゃなくてもいいんですが。 映画の中で斉藤由貴さんと山田邦子さんの両方がいるのに邦ちゃんに行くあたりが見習うべきところです。  

格好悪いつきあい方

 そーいえば、なんで大江千里さんの新譜をきかなくなっちゃったんでしょう? 自分が持っているCDは85年の「乳房」から91年の「六甲おろしふいた」までの8枚です。 彼は83年のデビューから年1間コンスタントにアルバムを出していました。 「六甲~」は大ヒット曲「格好悪いふられ方」の入った「HOMME」の次のアルバムです。 「HOMME」のさらに前は「APOLLO」という大江千里さんの最高傑作アルバムでした。 次のアルバムがヒット曲収録で「さあ新譜の六甲~はどうかな?」と買ってみたら、ちょっと地味な印象でした。 もともとが派手な曲を歌う歌手ってイメージじゃなかったんですが、人気が出て期待が膨らんだ分がマイナスに作用しちゃったのかもしれません。 当人も悩んじゃったのか年1枚のリリースペースが翌92年をすぎても新譜が発表されませんでした。 ああっ 自分はここで聴かなくなったんだ。 何事にも理由や原因があるものですね。

 では、何が大江千里さんにとってマイナスになったんでしょう? 自分なんかが聴かなくなっても世間の評価が下がらなければ「あの人は今・・・」にならないでしょう。 あやしいのは93年あたりの社会情勢です。 ちょうどバブルが崩壊した時期ですね。 大江千里さんの主軸となる購買層は女子大生のお姉さんたちでした。 当人が関西大学に在学中にデビューしてますので、大学性との親和性がよかったのでしょう。 歌詞の中のでもサークルの仲間を思わせる人間関係がよく出てきます。 その女子大生がバブル中に少しだけ幼くなってしまったようです。 バブルという時代が要求していたユーミンに代表されたリッチ&ハッピーな感覚は、大江千里さんが対象にしてきた“ちょっとおしゃれなお嬢さん”とは違いすぎます。 聴く側の女子大生がおへそを出して踊るようになっちゃったから。 今思うと豊かさに正札が付いていた時代です。 音楽ファンも「より評価の高い(みんなが認める)ブランド力のある音楽」に集中しちゃうようになります。 趣味や遊びも投資なので安定した物件が好まれます。 ユーミンしかり小室プロデュースしかりハロプロしかり。 ヒットメーカーの曲=自分が聴く曲。 だって間違いが無いから。 バブル時代って「間違う=損をする」ということを日本中が恐れていた時代です。 80年代の大江千里さんの楽曲を聴いていると、彼はこのレースには不向きなタイプの歌手だったんじゃないのかな? 

 よそ様のブログで「大江千里は槇原敬之にかっこ悪さ勝負で負けた」といった説を読みました。 なるほどと思う反面、「格好悪いふられ方」というタイトルからの連想かな? 確かに大江千里さんや小沢健二さんや徳永英明さんのファンは槇原敬之に流れちゃったと思います。 槇原さんはよく言われる「オンリーワン問題」でバブル以降の目標を見いだせない若者たちの「自己言い訳ソング」と社会学者(また出た)とかが揶揄する張本人です。
まったくの個人的な見解というか好みの話ですが、ほかの3人にくらべて槇原さんの歌詞は小学生のの作文っぽい印象があります。 典型的な「ぼくは作文」です。 

 そんなこんなでジャズ・マンに豹変した大江千里さんですが、さすがにジャズはちょっと・・・
当時、自分に奨めてくれた女の子もたぶん聴かないでしょう。(知らないけど) 
だけど「どっこい生きてるぞ」というアピールはとても嬉しいかぎりですね。





日比谷のグリルで主婦達が ニックネームで呼んでいる 女学生のように髪を肩であんで
帰りが遅いと嘆いてる 会話が粗雑と悩んでる 自動ドア踏み疲れた子供がわきにいる


やさしそうなフリをしてキズつけている

なくしそうなフリをしてもらいすぎている

聞きそびれたフリをして聞きすぎている


10年前からさびれてた 屋上日なたの遊園地 洗い忘れたジョッキに雨水がたまる
食事もまだかとしかられる 子供のような親父とは 乗り継ぎの連結でふたこと喋るだけ


苦しそうなフリをして苦しめている

飲ませすぎたフリをして飲ませすぎてる

ふられそうなフリをしてふりすぎている

悲しそうなフリをして悲しませてる

足りなそうなフリをして儲けすぎている

もてあましたフリをして出逢いすぎている


季節はずれの生ぬるい公園の風が
ダーリン ダーリン

衣替えのシャツ ふくらませ都心を離れた
ダーリン ダーリン


大江千里 作詞 「昼グリル」

「ほぉ」って思ったら押してね

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

管理人のらいかです

マンガを描くという事を目標にして
マンガの描き方を考えるブログです
(ネタバレの可能性があります)

は記事の内容に「ほぉ」と
思えたら押して下さると嬉しいです

最新記事

訪問していただいた人数

月別アーカイブ