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2012-05

読者が育てる? - 2012.05.15 Tue

ニッポン放送の「上柳昌彦のごごばん」というお昼ラジオのゲストで嶋田隆司さんが出ていました。

嶋田隆司さんと聞いて誰だかわかる人は少ないと思います。 「キン肉マン」の作者ゆでたまごさんの片一方の人です。 自分はゆでたまごさんの正体が誰なのか知りませんし興味もありませんでした。 嶋田さんがストーリー担当で、もう一人が作画担当とのことです。 今回のラジオ出演は「火事場の仕事力」というエッセイ本を出したというカラミ(宣伝)でのことでした。
そもそも「キン肉マン」を読んでいません。 「キャプテン翼」や「ドラゴンボール」などと一緒で「有名だからなんとなく知ってるが内容はさっぱりわからない」ジャンプ作品のひとつです。 「キン肉マン」について語れるような知識はまったく無いんですが、ジャンプについて少しだけ思ったことを書きます。

 ゆでたまごさんもヒット作の終了後に次回作で苦しんだマンガ家のようです。 キン肉マンの次のキャラが作れずにジャンプから消えていった「典型的なジャンプのマンガ家」の例です。 マンガ家が次回作で苦しみ消えていくのはよくある話ですが、ジャンプには独特の制度があります。 “契約制”と“アンケート”です。 契約制度は契約中は必ず掲載出来る制度ではなく、他誌での掲載を一切認めないという制度です。 日本映画の五社協定みたいなジャンプの作家を抱え込むための不平等条約ですね。 アンケートはジャンプの本誌に付いているハガキによる人気投票で、面白かった順にランキングされ「下位は連載打ち切り」という残酷なルールです。
これらのルールは「バクマン。」のストーリーそのものです。 ジャンプのマンガ家と編集者がいかに一喜一憂してるかが「バクマン。」を読めばよくわかります。 全盛期には「キン消し」やファミコンになったほどの「キン肉マン」も、ご多分に漏れずアンケート低迷~連載終了になっちゃいました。 限りある掲載枠を取り合うために読者の人気(支持)を競うアンケートは、実力主義のマンガ界ではフェアな戦いとして信じられていました。(ジャンプの中でだけ) それは本誌が400万部も売れて単行本も売れどんどんアニメ化されていた時代のロジックです。 マンガが売れなくなった原因を考えるとき、少子化やケータイ、趣味の多様化などを上げる専門家っぽい人たちが多いです。 一番に疑うべきは『掲載しているマンガが面白くない』可能性でしょう。 ジャンプに載っているマンガは全部面白い。 でも売上げが伸びない。 ここで初めて他の原因を考えればいいはずです。

 アンケートで人気の低い作品を淘汰していくというのは、過半数の作品が面白い場合にしか通用しない方法です。 マンガ家をリストラするには効率のイイ方法ですけど・・・ マンガは作者が面白いと考えた作品を読者が選択するのが正しいです。 読者の希望にマンガ家が応えるのは正しいようでちょっとヘンです。 リストラされないためにジャンプの編集部が考えた方法論(バクマン。に詳しく描いてあります)を使ってマンガを描いてるのって弱気すぎますよね。 
マンガ家が読者をコントロールして読ませなきゃいけないのに、読者の顔色にマンガ家がコントロールされちゃってる感じです。 しかも、アンケートに答えてるのはマンガファンやマンガ評論家?じゃなくて、オモチャの懸賞につられた小学生です。 30年間、小学生のご意見を尊重してきたツケが今のジャンプに出ています。 
これは食育に似ています。 小学生に食べたいおかずを聞いていたら毎日がカレーやハンバーグになっちゃいそうです。 サワラの西京焼きとかは出てきません。 子供が食べたいおかずを食べさせるんじゃなくて、大人が子供に食べさせるものを考えるべきです。
全盛期のジャンプには小さな子向けの作品の中に大きなお兄さんが読める作品も混じっていました。 それらは大人向けマンガではなく、ちょっと先に進んじゃった子たちのための受け皿になっていたと思います。 そうやってマンガもステップアップしていくから読者が育っていくハズです。 今、日本一読まれているマンガは「ONE-PIECE」ですが、この作品を最後にマンガを卒業しちゃいそうで心配です。 個人的な見解ですが一番売れているマンガが「ONE-PIECE」じゃダメだと思います。 このマンガは子供が食べたいモノをてんこ盛りにして旗をさしたようなマンガだから。 
話を「キン肉マン」に戻しますと、ゆでたまごさんは連載終了後に10年くらいまったく売れない時代があったそうです。 どん底の中から「キン肉マン」の続編で引き上げてくれたのが最初の編集担当だった方というイイ話もありました。 

 先日、TBSのBSで長州力の特集を放送していました。 藤波との抗争を軸に最近の巌流島での藤波とのタッグマッチを取材したドキュメンタリーです。 この試合は還暦の長州に対し藤波は58歳。 一般の方々には苦笑いな感じでしょう。 格闘技ファンならなおさらです。 でも長州は未だに筋トレを欠かさず現役バリバリでした。 ミスター長島の還暦と比べてもプロレスラーの凄さが伝わるカラダです。 仮に、ほんのちょっととだけ試合に打ち合わせしてたりするような噂があったりするプロレスですが、あれだけ真剣にトレーニングを重ねた八百長も珍しいです。 インチキならもっと楽にインチキすればいいんだろうけど、リアルなインチキを目指すのは大変な苦労のようですね。 
番組はデビュー当時や咬ませ犬発言の試合など貴重な映像で楽しめました。(BNアレンとか涙モノの映像あり) クライマックスの巌流島の対戦は観客がかなり入っていて、昭和に戻ったようなプロレスを堪能していました。 熱い声援じゃなく温かい声援で皆さん満足していたようです。 意外だったのはファンが当時の新日ファンだけじゃなく、若い世代も観に来ていることでした。 マンガ以上に厳しいだろうプロレス界でもファンがちゃんと育っているようです。
新しい「キン肉マン」も懐古マンガに留まらず、初めて読む世代に受け入れられるといいですね。
(今の読者ってテリーマンのテリーが誰のことだかわかるのかなぁ?)

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