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2012-02

電気羊の夢ってなに? - 2012.02.28 Tue

今回は「 ブレードランナー 」です。 ウソです。 

 ネットアニメの「 イブの時間 」のマンガ版です。 作画は太田優姫さんという方で、たぶん新人さんだと思います。 アニメ版のほうは1話だけどこかで観たんですが、どーやって観たのかは忘れちゃっていました。 アニメの感想も「普通のSFアニメだったかな?」くらいの記憶です。 ざっくりとしたストーリーはアンドロイドが家庭に1台が当たり前の時代、主人公のリクオの家でもサミィという女性型のアンドロイドを所有していました。 アンドロイドは“家電”であり“道具”に過ぎないのですが“彼女”にも感情があるようで・・・ お話そのものは古典的な文明進化モノのSFです。 今回の日記はSF設定と脚本についてのお話です。

 このストーリーでのアンドロイドの扱いは、外観上は人間と区別がつかないけどあくまでも機械にすぎない。 機械=物なので感情や嗜好などの存在は認められていません。(あり得ないわけじゃない)  使用人はマスターと呼ばれ奴隷解放以前の黒人と白人のような主従関係です。 一次産業へのアンドロイドの実用から始まった設定です。 一般の家庭でもアンドロイドは家事全般をこなすメイドの仕事をしています。 家電にすぎないこれらのアンドロイドに特別な感情を持つ人間を「ドリ系」と言い、社会問題になっている。 リクオらの世代は幼少時から「アンドロイドを人間視しない教育」を受けている。 タイトルの「イブの時間」は人間とアンドロイドの区別なく過ごせる喫茶店の店名で、このお話の中心になる場所です。 そのほかにイブの時間で何かの調査をしているような謎の男とかそのバックの団体のような伏線もあります。 こーいう展開はアニメ原作なので仕方ない部分ではあります。 最近のアニメの一番の問題点は「謎の組織や隠されている真実」が無いと脚本が書けないことです。 クライマックスに出てくるだろう陳腐な組織の影は、マンガのドラマの作り方に合わないような気がします。

 この作品のキモになるSF設定はタイトルの「イブの時間」という喫茶店と「ドリ系」と呼ばれる“アンドロイド精神依存症”です。 作品中でのアンドロイドは家電という設定ですが、実際のストーリー上ではまるで奴隷制時代の黒人のような扱いを受けています。 「家電だから人格が無い」が「黒人だから人権が無い」のような印象ですね。 そーいう定番のマイノリティ差別を近未来のロボットもので表現しているかといえば、それほどの狙いがあっての設定でもないみたいです。 むしろイブの時間やドリ系の設定ありきでしょう。 装丁やアニメのキャッチだと「主人公の少年とアンドロイドのサミィの優しい時間」のような印象ですが、読んでみるとすべてのキャラがギスギスしていてとても優しさの溢れる物語ではありません。 そもそもアンドロイドの愛着を持つことがおかしいという設定に無理があるようです。 アンドロイドに愛情を注ぐ未来のほうが楽しいでしょう? 容姿が女性のアンドロイドをわざわざ邪険にするのは不自然です。 だったらスターウォーズのドロイドのようにロボロボしいカタチにすれば解決するのに。

イブの時間
    (人とアンドロイドの幸せな関係)

 すでに古典の名作になっている人とアンドロイドの愛情を題材にしたマンガにCLAMPさんの「ちょびっツ」があります。 アンドロイドじゃなくてパソコンという設定でしたけど。 世界観がほぼ共通でパソコン(ロボット)に愛情を注ぐことの問題点もテーマになっています。 その上でちょびっツのほうには優しさがあります。 それは主人公がちぃ(パソコン)に対して優しくするから。 可愛い女の子のカタチをしてるなら、主人公が可愛いがってあげないと読んでいて不自然になります。 イブの時間のアニメ版がありきたりの萌えアニメじゃない本格SFアニメを作りたかったのかもしれません。 この作品の主人公のリクオはつまんないことばっか言ってる“つまんない男の子”です。 今後の展開で魅力のある男の子に成長するとはとても思えません。 なぜリクオはつまんないセリフばっかりしゃべるのか? それはベースになっているSF設定がそーいうセリフを必要とするからです。 設定がつまらないのではなくて、設定のためにストーリーがつまらなくなっているんです。 ちょっと解りにくいですね。 SF作品はSF設定とストーリーが混同しやすいのも解りにくくする原因です。 歴史ドラマは時代考証のことじゃないのといっしょです。 未来にアンドロイドが一般に普及している設定なら、人とアンドロイドのいろんな関係が想像できます。 過去のSF作品にも様々なアンドロイドが登場しました。 その中でイブの時間は取りわけ寂しい関係を選んじゃいました。 しかもアンドロイドの仕事は家政婦と同等の性能で人間に対する能力の優位性もないので、「アンドロイドって必要か?」という根本的なギモンも感じます。 高校生のくせに学校に忘れ物を持ってこさせるのにアンドロイドを使うなよって思います。 原作の吉浦さんも「もっとマシなアンドロイドの仕事を考えてあげてよ」って言いたいです。 サミィもそう思っているハズです。

有能なアンドロイド
    (SFアニメの有能なアンドロイドたち)

 現実の社会ですでに市販化された家電ロボットがあります。 そう、お掃除ロボットの「ルンバ」です。 カタチはどうあれアンドロイドと同じ仕事をします。 面白いのは使用している家庭の多くの方々がルンバのために床をかたずけるそうです。 お母さんにとっては自分の子供の100倍は役立つルンバが可愛いようです。 ルンバはデザインじゃなくて存在そのものが可愛い初めての家電だと思います。 可愛がろうよアンドロイドも・・・


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